パレートの法則

 「パレートの法則」とは、物事は8対2に分割することができるという法則である。

 仕事のやり方に、この法則を応用してみること。特に、仕事時間のうち2割の時間に全力を集中して、最も効率のよい最も収穫の多い仕事をするよう心がけること。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『仕事と愛』で以下のように説かれました。

「世の中に広く受け入れられている法則として、「パレートの法則」というものがあります。別名、「八割・二割の法則」ともいいます。これは、物事は八対二に分割することができるというものです。
 たとえば、ある会社で百万円の利益が上がっているとするならば、その百万円のうちの80パーセント、すなわち八十万円までは、社員のうちの20パーセントの人が上げているという考え方です。
 このパレートの法則をどのように使うかというと、仕事でも人間の集団でも何でもそうですが、物事が成り立っているときには、そのなかでいちばん重要なのは、20パーセントだと考えるのです。それは、この20パーセントを制する者は全体の80パーセントを制することができる、ということを意味します。
 漫然と仕事をするのではなく、漫然と物事を分析するのではなく、そのなかに含まれている重要な二割の部分をつかみ出すということです。これができれば、非常に大きな集中力と達成力、実現力を身につけることができます。そして成功していきます。
 人生に失敗するのは、多くの場合、その人が持っている完全主義が原因となっています。完全主義の欠点は、常に100パーセントをねらって、結局、ゼロを得てしまうことが多い点にあります。全打席ホームランをねらって、全打席三振になってしまうことがよくあるのです。
 ホームランではなくヒットを打つことに意識を集中すること、そうした20パーセントの努力によって、80パーセントにあたる成果をあげることが、おそらくできるようになるでしょう。
 男性の多くは、人生のうちの三十年、あるいは四十年を、一つの会社で過ごしています。その結果、成功する人もいれば、成功しない人もいます。重役や社長にまで出世する人もいれば、そこまで出世しない人もいます。それらはまさしく、一日一日の積み重ねの結果です。
 しかし、一日一日といいながら、一日の仕事時間のうちでほんとうに大切なのは、そのなかの20パーセントなのです。この20パーセントのなかにおいてヒットを打つことに心がけていた人は、必ずや立身出世することになっているのです。
 その日一日のうちの二時間なら二時間を、必ず成果を上げるために使うことです。一日のうち朝の九時から夜の七時まで働いているとするならば、勤務時間は十時間です。この十時間のなかで、自分を勝利させるための時間は二時間だということを考えるのです。そして、その二時間を一日のうちのどこに設定するか考えるのです。
 その二時間に、最も効率のよい、最も収穫の多い仕事をすることです。そうすれば、あとの八時間は、まあまあ平均のことをしていればよいのです。大きなミスをしないようにしていればよいのです。全力を集中して、この二割の時間、二時間を成功させることです。」(173~182ページ)

 大川隆法総裁は、『人生の王道を語る』で以下のように説かれました。

「みなさんは、時間の面積を増やす、広げるということを、おそらく考えたことがないのではないかと思いますが、時間には面積があるのです。
 たとえば、一日の十時間なら十時間という活動時間の間、まったく同じことをしていた場合、その十時間という時間は、一つの壁に向かっているのと同じことになります。その時間面積は、壁一つしかないわけです。ところが、その一日の間で、いろいろな方向に自分の顔を向けますと、壁だけでも四つあることになります。
 要するに、一日のうちで自分の関心領域をどこに向けるか、という問題を言っているのです。位置を四回変えると、四つの壁が自分の周りに現われてきます。これは時間面積で四倍になるということを意味しているわけです。
 これは、一日の間に、いろいろな仕事をする、あるいは、いろいろな学習をする、いろいろな活動をするということなのです。
 違った説明の仕方をしましょう。先ほど、「一日十時間のうちの二時間で、自分の大事な仕事は八十パーセントできる」と言いました。それで十時間を二時間に縮めることができました。すると、まだ八時間が残っています。この八時間をまったく同じ仕事に向けていたら、仕事の生産性は、自分に関していえば五倍にしかなりません。
 ところが、その八時間を二時間ごとにそれぞれ別な領域に向けたら、はたしてどうなるでしょうか。これは違ったことになるわけです。
 いろいろな活動をしているマルチ型の人は、じつは、私がいま言っているような、時間面積を増やすということを実践しているのです。
 たとえば、一日のうちに一時間だけ読書をしているとしましょう。この一時間ずつ読書をしている人が、その読書がものになってくるには、やはり何年かかかります。三年、五年、十年と年数がかかりますが、その頃になると、ひとつの教養の厚みとなって変わってきます。
 そうすると、会社で同じ仕事をしていた同僚は、相変わらず同じ仕事の延長上で仕事をしているのに、その一時間の読書を毎日していった人は、五年後は、違った方面の仕事もできるようになっているのです。その方面の専門家になっています。
 別のある人は、読書の一時間をとり、さらに芸術的な方面での一時間をとったとしましょう。芸術的な方面でも、十年ぐらいやると、やはり、そうとうなものになってきます。そうすると、そうした芸術的方面に首を突っ込めるようになります。そうした方面に世界が広がり、友人が広がって、新しい仕事が飛び込んでくるようになります。
 碁や将棋のようなものをする人がいます。旅行をする人がいます。このようにして、いろいろなことを同時に組み込んでいる人は、要するに、持っている時間の面積がひじょうに広いのです。この面積が広いということが、やがてその人の活動領域を広げることになっていきます。それが自分の時間を創造していく機能が出てくるようになってきます。」(147~154ページ)

 大川隆法総裁は、『人生の王道を語る』で以下のように説かれました。

「イタリアの経済学者パレートは、研究の結果、すべてのものは「80対20」という比率で分割することが可能だと考えました。これは、百の仕事をしようとするときには、そのうちの20の部分を押さえると、全体の80パーセントをするのと同じ効果が現われてくる、というものの考え方です。あるいは、一つの会社に百人の人がいると、この百人の会社でしている仕事のうちの80パーセントまでは、そのうちの20パーセントの人がしているということです。こういう法則を彼は見出しました。この考え方を、もう少し分析してみたいと思うのです。これはいったい何を意味しているのでしょうか。たとえば、私たちがスコップで石炭を入れるような作業をしているとします。筋力がみんな同じぐらいだとすると、同じだけの労働力で1日10時間働けば、同じだけの労働量になるわけです。ところが、実際の仕事というものは、そのような単調なものばかりではありません。いろいろな要素が入っている仕事を一日のなかでしています。サラリーマンでもそうです。主婦でもそうです。1日のうちに、いろいろなことをしています。この1日のうちの十時間を労働時間と考えたときに、じつは、この10時間のうちの2時間が最も重要な仕事をしている時であって、その2時間の仕事をすると、全体の80パーセントが終わったのも同然だという考え方なのです。百パーセントやろうとしたら10時間かかるが、80パーセントやろうとしたら二時間で済むのです。ここが大事なポイントです。もし、その人が賢い人であるならば、ここで自分の時間を増やすことができる、ということに気がつくのです。今日やらねばならないことを、百パーセントやろうとしたら10時間かかるが、80パーセントだけやるとしたら二時間ですむ。そうすると、自分の時間を増やす方法が出てくるわけです。80パーセントを仕事の限度として2時間を使うとすると、その2時間を内容の違う仕事に順番に使っていけば、2時間かける5、すなわち、「80×5=400」で、四百パーセントの仕事ができることになります。すなわち4倍の仕事ができることになるのです。最も重要な二割の仕事ばかりをこなしていくと、時間を4倍に増やすことができる、そういうことが可能なのです。では、時間を4倍に増やすには、具体的にはどうすればよいのでしょうか。そこで出てくるのが仕事の分担なのです。どこの会社であっても、管理職と、その下で働いている人がいます。なぜこういう組織になっているかを、よく考えてほしいのです。それは、じつは「管理職の人が重要な20パーセントの部分の仕事をして、残りの80パーセントの部分を下位の者に委ねる」という方法がとられているのです。ほかの人に任せることによって、自分だけなら百パーセント取り組めたことが、百パーセントはできなくなり、百パーセントのうちの80パーセントぐらいしか達成できないけれども、実際は、そうしたほうが時間を増やすことができるようになるのです。こうなると、午前中に二時間働いたら、管理者としての自分の仕事は終わります。ただ、80パーセントしか達成はしません。そして残りの部分を部下に任せると、本来、自分が一日かけて働いていた仕事を、8時間分はしなくて済むようになるのです。そして、次の20パーセントを使ってまた管理職の仕事をすると、さらに80パーセントぐらいの仕事ができ、その残りの仕事には部下を使えばよいのです。このようにしていくと、結果的に時間は4倍に伸びることになるわけです。これが大事なのです。」

 

 すべてのものは「80対20」の比率で分割することが可能という法則がある。

 10時間の仕事時間のうち2時間で、全体の80パーセントの仕事をすることができる。

 その2時間を内容の違う仕事に順番に使っていけば、400パーセントの仕事ができる計算になり、時間を4倍に増やすことができるのです。

 組織のなかでリーダーになっていくためには、仕事を人に任せられるかどうかが大切です。

 自分がやれば十割できる仕事でも、人に任せると七割か八割しかできないものと、割り切って考えること。それによって得られた自由な時間を、より高度な付加価値の高い仕事に振り向けて行くことである。

 総裁は、『常勝の法』で以下のように説かれました。

「一般には、会社のなかで過ごす人が多いでしょう。そうした組織のなかで生きることを前提にするならば、結局、リーダーになっていくためには、仕事を人に任せられなければだめなのです。
 自分一人でできる仕事には限界があります。どんなに仕事ができる人でも、一人の仕事には限界があり、十人、百人の仕事には追いつかないものなのです。したがって、いかに人に任せられるかということが大事です。
 人に任せるに際しては、その人の能力や人柄が見えなくてはなりません。その人に合った仕事を与えていくために、「その人にできる仕事は何か。その人には少し無理な仕事は何か」ということを見極めていくことが大切なのです。
 自分がやれば十割できる仕事でも、人に任せると十割はなかなかできません。しかし、そういうものだと思わなければいけないのです。人に任せて七割か八割できれば、そのほうが、自分だけでやるよりは、仕事全体の成果は大きくなります。人に任せることによって、何よりも、自分は自由な時間を得られるので、その時間を、より高度な、付加価値の高い仕事のほうに振り向けることができるのです。
 仕事は自然にどんどん増えていくものなので、ときどきリストラ(再構築)をしなければいけません。「忙しい、忙しい」というときには、「これは全部、自分がやらなければいけない仕事なのだろうか」と、改めてチェックしてみる必要があります。
 そして、「これとこれは自分がしなくてもよい仕事だな」と思ったら、その仕事は、だれならできるかということを考えるのです。「Aという仕事は、この人ができるのではないか。Bという仕事は、この人でよい。Cという仕事は、この人でどうか。もしかしたらできないかもしれないが、一度やらせてみよう。もしできなかったら、この人にやらせてみよう」というように考えて、自分がやらなくてもよいものについては、他の人に下ろしていくことです。
 そうすると、自分は手が空きますが、その分を怠けてしまったのでは、それまでのことで、自分は〝粗大ゴミ″になってしまいます。手が空いた分で、新規の仕事、難しい仕事、将来性のある仕事について、研究に入ることです。もっと給料の取れる仕事をするのです。
 このようにすると、自分も出世しますし、仕事を任された人も出世します。
 有能であるのに、もう一つ成功しきれない人というのは、たいてい、仕事を人に任せない人です。仕事を自分で握って放さないので、その結果、自分の能力の限界が組織の限界になってしまうのです。ほかに人がいても、結局、使えずじまいになります。
 その場合、「自分は自分の給料分だけ働き、ほかの人は粗大ゴミになっている」というかたちになりがちです。有能な人のなかにも、こういう人はわりあい多いのです。
 しかし、そういう人は、出世の階段を上がる途中、どこかで必ず天井が来ます。それを知らなければいけません。」
(53~59ページ)

 

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