年金の受給資格期間を10年に短縮

 年金受給資格期間とは、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給するために必要な加入期間のことです。

 この25年が平成29年8月1日より25年から10年に短縮されました。 その結果、10年以上25年未満の期間しか年金に加入していないために、今まで無年金であった人に新たに受給権が発生します。

 60歳未満の人も含んだ数字ですが、年金保険料を納める事ができる最高の70歳まで納めたとしても25年の年金受給資格期間を満たせない人達が118万人おられます。

 その期間を10年に短縮する事で、年金の受給資格が得られる人は64万人と推計されているようです。老齢基礎年金が約40万人、老齢厚生年金が約24万人です。

 必要な予算は650億円との事。

 障害年金や遺族年金は貰えているものの、今回の短縮措置により老齢の年金が発生して年金が増額する人が約9万5000人ほどいます。合計で73.5万人

 なお、今回の10年短縮しても貰えない場合は「カラ期間」を合わせれば老齢の年金を貰うことができる人がこの73.5万人以外にも相当数います

 通称「カラ期間」とは「合算対象期間」のことで、できるだけ多くの人が受給資格期間を満たすことができるようにするために定められた期間です。

 カラ期間というのは、例えば年金が大改正されて昭和61年4月1日以降は国民年金に誰もが強制加入になりました。昭和61年3月以前は国民年金に強制的に加入しなくてもよい人がいました。

 厚生年金や共済組合に加入している人の配偶者のような人(例 専業主婦)は、国民年金保険料を納める必要はなかったのです。つまりこういう配偶者は国民年金に加入してもしなくてもよかったということ。

 昭和61年3月まで国民年金に加入して居なかった人は、昭和61年4月からいきなり強制加入と言われても期間が足りなくて年金を貰えない場合も出てくるので、国民年金に加入していなかった昭和61年3月までの専業主婦主夫だった期間も加えようというのがカラ期間です。

 カラ期間というのは年金受給資格に必要な原則25年の期間にプラスするだけの期間で、年金額に反映しないからカラ(空)期間と呼ばれています。

 20歳から60歳までの海外に在住していたけど国民年金に加入せず国民年金保険料を支払わなかった期間もカラ期間となります。この海外に在住して国民年金に加入しなかった期間は、今現在も海外在住している間もカラ期間として扱われます。

 

「10年に短縮」で受給資格を得た人の年金額

年金保険料の期間が10年間の場合、基礎年金の受給額は月額約1万6000円程度

これは、これまで最低納付期間の25年間、約4万円に比べると、10年間という短い期間だけに支払い年数に応じた受給額となっています。