減税こそが最大の社会保障

 消費税を上げたダメージは年々じわじわ積み重なって、3年後くらいから本格化すると言われている。

「消費が減る → 企業の売り上げが減る → 給料が減る →さらに消費が減る」

 この悪循環が、少しずつ進行していくからです。

 消費増税の怖さは、直接消費を減らすこと以上に、その負のスパイラルの引き金を引いてしまうことだと言える。

 実際、1990年に消費税を導入した時も1997年に消費税率を5%に上げた時も、景気が絶好調の時に増税したので、税収は一瞬だけ上がった。しかし、それから1~3年の間に徐々に景気が傾き、税収も落ち込み傾向に向かっていった

 

減税こそが最大の社会保障

 そもそも「全世代型社会保障」が議論されているのは、根本的には、現役世代の所得が下がっているからです。増税すればするほど、社会保険料を上げれば上げるほど、現役世代が自由に使える金額は減ります。

 例えば、平均的なサラリーマンであれば、相当のお金が毎月、強制的に徴収されています。年収400万円の家庭であれば、税金は年間で41万円、社会保険料は年間58万円徴収される計算になります。収入の25%は税金や保険料に費やされています。

 サラリーマンの場合、税金は天引きされた状態で支給されるので、「そんなものか」と思いがちかもしれません。しかし、勤務時間の約4分の1は、税金や保険料のために働いていると考えれば「多い」と感じるのではないでしょうか。

 消費税は10%に増税されてしまいます。さらに、「全世代型社会保障」を充実させるとなれば、ますます保険料も税金も上がり、私たちの収入のほとんどが、自分で使い道を決められなくなります。

 稼いだお金の使い道を自分で決められなければ、行動の自由はどんどん制限されます。老後の人生設計も、自由がなくなります。

 消費税などを大幅に減税すれば、個人が使えるお金の額は増えます。そうなれば、親族を扶養する余地も出てきます。また、「消費を下支えして経済を安定させる」ことは、必ずしも社会保障に依らなくても、減税によって実現できます。それに税金を徴収して、バラまくためにかかる莫大な行政コストも必要なくなります。

 自分を養い、家族を養う力を、国民に取り戻すことが、今の日本に必要な「福祉政策」ではないでしょうか。減税こそが最大の社会保障といえるでしょう。