老齢年金の勘違い
1年以上厚生年金保険に加入していた人が65歳以前に受給する年金を「特別支給の老齢厚生年金」といいます。支給開始年齢は、現在昭和30年4月2日生まれ以降の男性から62歳になりました。(女性は60歳からです。)
相談を受けていると、この「特別支給の老齢厚生年金」を「基礎年金」と思っている方がかなりおられます。
勘違い1 『62歳で請求すると生涯 100万円となるが、65歳で請求すると65歳から 170万円でもらえる だから65歳になってから請求する』
62歳から 100万円もらえて、65歳から 170万円がもらえるという意味なのですが・・・
勘違い2 『62歳から貰える年金をもらわないで据え置くと増額されるから65歳から貰う』
65歳からもらう老齢年金を70歳からもらうと42%増額されるものがあります。「老齢年金の繰り下げ」のことです。しかし、65歳からもらう年金を70歳で増額してもらうことができても、60歳や62歳からもらう年金を65歳にて増額してもらう仕組みはありません。
都市伝説でして、どこかで伝言ゲームのように間違って伝わってきたと思われます。
勘違い3 『知り合いが言っていた。62歳から受けると減額されるから、65歳から受けたほうがいいよ』
知り合いが言っているのは、「老齢年金の繰り上げ」による受給のことと思われます。本来65歳からもらう老齢基礎年金を62歳や60歳からもらうものです。
表 (男性)
年齢 |
62歳から |
65歳から |
老齢基礎年金 |
574,000円 |
574,000円 |
老齢厚生年金 |
1,000,000円 |
1,000,000円 |
合計額 |
1,574,000円 |
1,574,020円 |
確かに、65歳からの受給額が少なくなってしまうので、62歳から受給しないほうがよいと思ってしまうでしょう。本来の受給と繰り上げ受給の意味が ごちゃまぜ になって解釈されているようです。