自分と職場の「うつ」を防ぐスキル

自分の「うつ」を未然に防ぐために

(1) 口に出して自分をほめる

 「言霊」と言うように、言葉には力がある。自分をほめる言葉を出して耳で聴くことで、落ち込みそうな自分を高揚させることができる。

(2) 自分が輝いていた時のことを紙に書き出す

 同様に自分のプラス面を紙に書いて眺めれば、より客観的に自分が見えてくる。カウンセリングで用いられる手法の応用である。

 

部下を「うつ」にまで追い込まないための基本的コミュニケーションスキル

(1) 基本は あいさつ

 ただし、「おはよう」だけでなく、「最近は好物の××は旨いか?」などと言葉を添える。「最近は胃がもたれて」などという返事がきたら要注意。

(2) 「話を聴く姿勢」は、まず形から入る

 なくて七癖。腕組み、貧乏ゆすり、眉間のシワ、ペン回し、パソコンで作業をしたままなどの相手に、本心を話す気になる人はいない。

(3) 仕事のメールも用件だけでなく、以下のような言葉を添える

 お疲れ様、大丈夫ですか? / いつも助かってます / ありがとうございます/ など、コーチングでいう「承認」の言葉を発していくことが大事。

(4) 相手に心から関心を持つ

 (1)~(3)とも、「相手を動かして成果を出そう」との下心でテクニックだけ用いても効果はない。相手に人間らしい関心を持ち、相手のためを思うことが前提です。

 

「うつ」からくる自殺を減らすために  ストレスを中和する宗教的な考え方

 自殺者を一人でも減らしていくため、有志による活動が各地で続けられている。

 

4人に1人が「うつになることがある」

 「自殺者を減らそうキャンペーン」で全国各地で行なった街頭活動で、「うつ」的な気持ちになることがあると答えた人は全体の25パーセント、4人に1人に上った。

 もし、うつ状態になったらという質問には、「気分転換する」「話を聞いてもらう」と答えた人が多かったが、「自分のいいところも考える」「神仏や宗教に救いを求める」と答えた人は少数。几帳面な半面、自分や社会のマイナス面にばかり目がいきやすい日本人の気質や、戦後の唯物論的風潮の名残りが見て取れる。

 

「土俵の外」に出れば別の生きがいだってある

 特に、うつに陥るような人は、世間的な競争に疲れると、「自分なんて価値がない。生きていてもしょうがない」とまで思いがち。だが、伝統的にこの部分の中和剤として働いてきたのが宗教です。

 「宗教では、『この世の世界の基準や競争とは別の世界が、もう一つある』という考え方をします。 『土俵の外があり、そこに出てみると、土俵の上とは違うものがあるのです。人それぞれ、幸福感も違うし、偉さもまた別なものがあり、生きがいだって別のものがあるのですよ』ということを、宗教は教えるわけです。その意味で、高度なストレス社会においては、宗教の果たすべき役割は大きいのです。」

 誰でも目の前の勝ち負けや常識に縛られがちになる。しかし、そうした ものさしとは別のものさしを持つことが、うつ を防ぎ、ひいては自殺者を減らす決め手になるのです。

 

うつの根本原因は「心の状態」のコントロール

 医学的には、うつ病は、人の感情に関わる「神経伝達物質」の量が脳内で減るために起こると考えられており、「心の風邪」などと言われる。確かに薬物療法にも一定の効果は出ているが、それだけでは快方に向かわないケースがあるのはなぜか。

 それは、うつ病の根本的な原因は、本当は「心の状態」にあるためです。宗教的には、うつ状態とは、人間関係における板ばさみや環境の変化などから来る、度重なる精神や身体のストレスによって心の状態が不安定になり、常時、悪霊の影響を受けている状態であるととらえられる。

 根本的にうつから抜け出すには、悪霊の影響を受けない、明るく前向きな心の状態を取り戻すことが必要となる。そのためには、過度なストレスを受ける環境から離れると同時に、物事に対する見方を変える必要もある。様々な出来事について、「どんな態度を取るか」「自分自身のことをどう思うか」については、自分自身でコントロールが可能です。

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