人工知能(AI)

人工知能 Artificial Intelligence

 AI という言葉は、現在とても幅広い意味で使われています。おおよそ、「人間に代わって状況を判断し、ある操作をしてくれるモノ」と言ってよいでしょう。

未来の戦争では AIが指揮し 3Dプリンターで兵器を成長させる?

人工知能(AI)とロボット

 人工知能とロボットは混同されがちです。人工知能は、いわゆる人間でいう「脳」であり、ロボットではありません。工場などで稼働しているロボットは、プログラムなど外部情報の入力があって、それにあった動きを実現している。既に組み込まれたプログラムの中で思考することはできても、プログラムの外のことに関して対応することができないのがロボットです。

 では、人工知能(AI)は何が違うのでしょうか。それは、「自ら思考する能力が備わっているかどうか」です。一度作ってしまえば、人間の手を離れても自発的に発展していくのが「人工知能(AI)」ということです。

 もちろん、最大限リスクは考慮して人工知能の開発は進められていくと思いますが、近い将来、人工知能(AI)の思考力が、人間の思考力を超えるシンギュラリティ(技術特異点)が起こるとも言われています。人間の手を離れた人工知能が暴走し、人間と戦争になる・・・があるかもしれません。

 

人工知能の種類

特化型人工知能(AGI)と汎用人工知能(GAI)

 人工知能は、「特化型人工知能(AGI)」「汎用人工知能(GAI)」の2つに分類することができます。

特化型人工知能(AGI) Artificial General Intelligence

 特化型人工知能(AGI)は、個別の領域に特化して能力を発揮する人工知能のことで、既に人間以上の能力を持つものが数多く実用化されています。

 例えば、コンピュータ将棋(チェス)、Googleカー(自動運転自動車)、医療診断など、既に実用化されているものが多くある。

汎用人工知能(GAI) Growing Artificial Intelligence

 汎用人工知能(GAI)は、異なる領域で多様で複雑な問題を解決する人工知能のことです。

 この汎用人工知能は、人工知能(AI)自身による自己理解、自律的自己制御ができるもので、人間が設計した時の想定をも超える働きを期待することができます。

 そして、この「汎用人工知能」を作ることこそ、人類が人工知能を作り始めた目的でもあります。私たちが小さい頃に憧れた鉄腕アトムも「汎用人工知能」の一つです。こちらは開発のために解決しなければならない問題も多く、開発に成功し実現されているものはほとんどありません。

 

弱い人工知能(AI)・強い人工知能(AI)

 他にも、「弱い人工知能(AI)」「強い人工知能(AI)」と言う分類の方法もあります。

弱い人工知能(AI)

 ある枠の範囲で考える人工知能のことで、ある一定の範囲では既に人間のレベルを超えてきています。しかし、このAIは、あらかじめプログラムされた事以外は何も出来ません。役割としては、人間の能力の補佐や拡張としての機能を期待されています。

強い人工知能(AI)

 ある枠を超えて考える人工知能を呼びます。人間のようにものを考え、認識・理解し、人間のような推論・価値判断のもとに実行をすることができるものを指します。このAIは自律的に学び、意思決定行うことができるものです。「汎用人工知能(AGI)」がこれに該当します。

 

レベル別に分類

 人工知能は処理することのできるレベルによって、分類することもできます。

レベル別

機  能

仕事レベル

レベル4

自分で判断基準を設計し、判断できる

経営層

レベル3

ルールを改善して、より良い判断ができる

課長

レベル2

ルールを理解して、判断できる

一般社員

レベル1

言われたことだけをやる

アルバイト

 レベル1 制御プログラム  

 まず、最も単純な働きをする人工知能(AI)として、制御プログラムがあります。

 これは、温度の変化に応じて機能する人工知能で、私たちの身の回りでは エアコンや冷蔵庫などに使われています。

 言われたことを忠実に行うのが彼らの仕事で、会社という組織に例えると、「アルバイト」が最も近い役割となるでしょう。

レベル2 対応パターンが多い人工知能  

 レベル2 の人工知能は、ただ単純な作業を行うだけでなく、様々な局面に対して対応できるようになります。

 人間の持つ知識をできる限り多くプログラムとして入れ込むことで、対応できる領域を拡張していくのが レベル2 の人工知能です。

 ただし、この人工知能は自ら学習することはできません。これが レベル3、4 との決定的な違いです。

 とはいえ、1つルールを教えれば、そのルールに則って多彩な動きや判断が出来ます。現在では、将棋のプログラムや掃除のロボット、質問に答える人工知能などが開発されております。「弱いAI」がこれに該当します。

レベル3 対応を自動学習する人工知能  

 レベル3 になると、ある程度のサンプル数から自動的にそのパターンとルールを学ぶことができます。

 判断軸さえあれば、データからルールを設定・学習してより良い判断ができるのです。

 これは Googleなどの検索エンジンなどに代表されます。「AはBである」という構造を1から100まですべて理解するのではなく、ある程度のパターンから推察して最も近いであろう選択肢を選べることが最大の特徴です。

レベル4 判断基準を設計する人工知能  

 レベル4は、レベル3のものに加えて、物事に対応するための判断軸さえ自らの力で構築するようになります。

 パターンとルールさえも、人工知能が自ら学んで知識データとして積み重ねていくのです。判断軸を自分で発見し、自分でルールを設定して、判断を下すことができます。

 

機械学習と深層学習(ディープラーニング)

 レベル3とレベル4の段階では、それぞれ、「機械学習」「深層学習(ディープラーニング)」という技術が必要になってくる。

機械学習

 「機械学習」とは、大量のデータを処理しながら「分け方」を自動的に習得することです。

 学習の根幹を成すのは「分ける」という処理である。ある事象について判断する。それが何かを認識する。うまく「分ける」ことができれば、物事を理解することもできるし、判断して行動することもできる。「分ける」作業は、すなわち「イエスかノーで答える問題」である。

 この「分ける」ための判断軸を与えれば、それを活かして学習していけるのが「機械学習」と言います。

深層学習(ディープラーニング)

「ディープラーニング(深層学習)」とは、「分けるための軸を自分で見つけることができる」ものを言います。

 物事を判断するための判断軸は人工的に取り付け、その上で機械自身に学習させるのか、人工知能がその判断軸すらも自発的に創り出し、自発的に学習していくのか、この違いがあるのです。

 例えば、私たちが「猫」を認識する思考回路を例にとって考えてみます。私たちは猫を一目見ただけで「猫」だと瞬時に判断できます。私たち人間にとっては当たり前のことなのですが、これを人工知能に認識させようとした場合、どうなるのでしょうか? そのためには、まず人工知能に猫の特徴を覚えさせる必要があります。「どの部分が猫と判断できる特徴なのか?=特徴量」ということを、人間の手によって人工知能に教え込む必要があるのです。

 そして、その特徴を元に認識した物体が「猫」であるという概念を覚えてもらう必要があります。

 以前までは、「人工知能がこの特徴量と概念を誰の手も借りず自ら学習できないこと」が最大の壁でした。深層学習(ディープラーニング)は、この「特徴量」を自分で見つけ出すことができる技術で、これまで解決するのとのできなかった最大の壁を崩すことができる可能性を秘めた技術なのです。

 

AIの応用分野

遺伝アルゴリズム

 2つの親の特徴が子に混ざり合って遺伝する原理を利用した問題解決の手法です。探索、機械学習やプランニングを実現する方法として利用されています。この分野は、遺伝アルゴリズムの原理を用いてプログラムを生成する遺伝プログラミングや、生物集団の進化の過程や生体内の活動をシミュレーションする人工生命などの分野に発展しています.

エキスパートシステム

 専門家の知見をルールとして蓄積し、推論の手法を用いて問題を解決するシステムです。

音声認識

 マイクに向かって話した内容をコンピュータに理解させる研究です。カーナビゲーションなどのシステムで実用化されています。車内などの限定された状況以外での認識を可能にしたり、誰が話しているのかを特定する研究などに発展しています。

 画像認識

 カメラなどで撮った内容をコンピュータに理解させる研究です。コンピュータ内にある絵の内容を理解させる画像理解と、絵の明るさや色調(例えばデジタルカメラのセピア調などです)を変えたりする画像処理に大きく分けられます。画像処理は実用化されていますが、画像理解はまだ研究段階です。

感性処理

 認知科学や人間工学の知見をもとに、感じが暖かいとか冷たいといった感覚をコンピュータ上に実現しようとする研究です。

機械学習

 観測センサーやその他の手段で収集されたデータの中から、一貫性のある規則を見つけだそうとする研究です。数学の統計の分野と強い関連があります。また、機械学習はAIの他のほとんどの分野で利用されています。

ゲーム

 人間とのゲームをコンピュータにさせようとする研究です。人間のチェスチャンピオンとの対戦でコンピュータが勝つまでになりました。

 自然言語処理

 ふつうの文章に何が書かれているか、その意味内容をコンピュータに理解させる研究です。音声認識や情報検索の分野に応用されています。

情報検索

 蓄積されたデータの中から人間が必要とするものを見つけだすための技術です。WWWの検索エンジンなどで活用されています。

推論

 いろいろなルールを統合して矛盾のない答えを導き出すための手法です。最も基本になるのは「アリストテレスの三段論法」というものです。これは「ソクラテスは人間である。人間は死ぬ。よって、ソクラテスは死ぬ。」という三段階で結論を出すものです。

探索

 データの集まりから条件に合うものを見つけだす手法です。データの数が多く、条件が複雑なので様々な工夫が必要になります。機械学習や推論の基盤となる技術です。

知識表現

 知識をコンピュータの中で的確に内容を表し、効率よく蓄積する方法についての研究です。

データマイニング

 データベース技術と機械学習が結びついた技術で、大量の整理されていないデータから役に立つと思われる情報を見つけだす手法です。例えば、ネット上で買い物をすると、自分の趣味にあった おすすめ品が示されることがあります。これは、今までの買い物のデータをもとに顧客の好みをデータマイニンングによって調べるからです。

ニューラルネット

 生物の神経を元にした手法です。機械学習の有力な手法として発展し、AIの各分野で活用されています。

ヒューマンインターフェース

 人間がより簡単にコンピュータなどの装置を操作できるようにするための研究です。

プランニング

 目的のために、物事をどのような順序で行えば良いかを決めるための手法です。

マルチエージェント

 簡単な問題を解決できるエージェントがたくさん集まって、複雑な問題を解決しようとするものです。自然界の生物の集団や金融市場でのディーラの振る舞いを調べたりするのに利用されています。

ロボット

 機械工学と人工知能研究の結びついた研究です。ロボットをどう動かせばよいかは、AIの各分野の手法を応用して決められます。

 

人工知能に任せられる仕事、人間が得意な仕事

 

人 工 知 能

人 間

介護

ロボットで介助する

声をかけ、気持ちを察する

サービス

均一のサービスをする

個別のサービスをする

経営

財務諸表に基づき提案をする

事業を始めるかどうか決断する

医療

最適な治療法を提案する

その人に合っているか決断する

作曲

既存の音楽と似た調子の音楽をつくる

全く新しい音楽をつくる

保守管理

多数の機械に異常がないか集中管理する

安全が保てるよう管理の仕組みを設計する

 第1次産業革命~第4次産業革命

人工知能(AI)の現状と未来予想図

人工知能(AI)の現状

 人工知能とは「自ら思考するコンピューターである」と説明しましたが、そういった定義で言うと、本当の意味での「人工知能=人間のように考えるコンピュータ」はまだできていないと言えます。。

 現在、日常の中で人工知能と言われているのは、いわゆるこの「人間のように考えるコンピュータ」を生み出そうとした過程で生まれた副産物です。例えば、音声認識、文字認識、自然言語処理(かな漢字変換など)、検索エンジンなどが人工知能の研究から世の中に役立つモノとして活躍しているわけです。

スマホの「次」に来るもの 人工知能の世界?

人工知能(AI)の未来予想図

現在の段階ですでにかなり普及しつつある人工知能(AI)ですが、人工知能の発達とともに、人間も危機を感じざるを得ません。

人工知能が発達すると人間がやらなくてもよい仕事が増えていきます。これは人工知能によって世の中が便利になるとともに必ず出てくる問題です。

一説によれば、2045年になると、人工知能が人間の頭脳を超え始めると言われています。

宇宙人リーディングから読み解くAIの未来

IT産業の中心にあるべきはロボット産業

 情報産業のような、基幹産業の周辺産業が発達しても、新時代の資本主義の発展にはつながりません。この閉塞感を打ち破るためには、「新たな基幹産業」が必要だと思います。次の基幹産業をつくった国が次のヘゲモニーを握るでしょう。

 今のところ、日本とアメリカしか新しい資本主義を生みだせる国はないと思いますが、いずれも次の基幹産業の芽が見えず、苦しんでいます。 その未来産業は何かというと、すでに日本にその芽が出ていますが、「ロボット産業」だと思います。ここを真剣に掘っていけば未来産業になります。

 あらゆる形で、「どうしたらコストかけた以上に、リターンを出せるか」を考えるのが資本主義です。売り上げを伸ばして利益を上げることが資本主義とは言い難い。世の中に雇用が増え、よい商品やサービスが増え、税収が増えて、国家が栄えるシステムを考えないと資本主義ではないのです。

 また、今成功している企業は、次の時代の技術を育てなければいけません。アイデアは巨大企業だけから出るわけではなく、誰が、どこで、よい技術のアイデアを出すか分かりません。彼らにお金を出してあげることが必要です。倫理を持って経済活動を行うことが本来の資本主義です。

 ある種の職種は必ずなくなる。ただ、そういう現象は過去にもあり、その度に新しい仕事も生まれてきた。AIは単純な労働の置き換えではなく、人間の働き方自体を変える。今の教育はいわれたことをきちっとこなす お利口さんをつくろうとしているが、そういう人材はロボットで済んでしまう。人間には、もっと創造的で、快活で、気まぐれな要素が求められます

 

人間に与えられている創造力の開花を

 19世紀前半、蒸気機関車が開発されると、馬車がなくなり、馬乗りは失業した。だが、鉄道の開通によって移動時間が減り、都市開発も進み、経済は成長した。もし、鉄道を開通しただけで新たな仕事をつくろうとしなかったら、馬乗りが失業しただけで終わっていたでしょう。

 科学技術は価値中立なものであって、人間や社会にどう影響を与えるかは、その技術を使う人次第である。AIの導入が「人間の労働を代替する」だけに終わるのか、それとも「新たな産業を生む」のか。それは人間次第でどちらも起こりうるでしょう。

 人間には、神から「創造力」が与えられている。その創造力こそが、これまでにないものを創り出し、文明を発展させる力の源である。そして、創造力の裏にあるものとは、「世の中の人々に、もっと喜んでもらえるものを創り出したい」という感謝・報恩の気持ちです。

 その創造性を開花させられれば、「AIの進歩に伴い、なくなった仕事を超えるスケールの新しい産業を創りだす」というより、発展的な未来を実現させることは可能です。

 

人間側の善悪の価値判断の整理が必要

 AIの研究には未知数の部分は多いが、機械化・自動化の流れ自体は避けられない。ただ、AIの技術を進歩させると同時に、人類は一定の価値観を共有する必要がある。それは、「善悪の価値基準」でしょう。

 現在、イスラム教的な価値観とキリスト教的な価値観の対立が続いている。もちろん、イスラム国の残虐な殺戮行為は決して正当化できない。しかし、欧米諸国は、人種差別や植民地支配でアジア・アフリカ諸国民を苦しめた歴史を持つ。イスラム国を悪魔と見なし、せん滅しようとする欧米側の「正義」にも偏りがある。

 今後、技術が進歩し、AI自身が「何が善で何が悪か」を判断する局面も現れてくるでしょう。であるならば、AIをつくる側の人間が「何が善で、何が悪か」を判断できなければならない。

 そしてまた、その判断は多くの人々の幸福を生み出すものでなければならず、特定の人々や集団を排除・殲滅するようなものであってはならない。現在の中国共産党政府がAIをつくったことを想像してみれば分かりやすいかもしれない。政府に意見するチベットやウイグルの人々を「悪」とする価値観は間違っています。

 人間の側が、普遍的な正義とは何か、特定の地域性や時代性を超えた正義とは何か、ということに思いを馳せることが、AIの進歩を加速させる前提となります。

AIは「人間とは何か」という問いに答えを出せない

人工知能に「地獄霊」が宿る

人間らしさとは何かを考える

 AIは人間の知能のほんの一部を真似できるだけにすぎません。

 今後、AIによって代替される仕事が増えていくでしょう。そうした中で、「人間らしさ」を生かした仕事をしていくためにも、「AIが人間を超えるのか」を心配するより、AIの発展に伴って人間の体の神秘を再認識したり、人間らしさとは何かを考えていくことのほうが重要だと言えます

 人間というのは「霊的である」、というのが最大の強みです。AIが人間を超えるというのは、唯物論の発想なのです。たしかに、AIロボットの方が人間よりも遥かに高い仕事能力を持つのでしょうが、創造性はありません。

 

AIの奴隷になってはいけない

 幸福の科学では、人はこの世とあの世を生まれ変わっており、この世の人生は「一冊の問題集」のようなものだとしています。人生は、様々な経験を通して学び、教訓を得る「魂修行」の場です。

 「人生は一冊の問題集」という観点から考えると、AIによって生活が便利になり、時間短縮ができるのはよいことです。なぜなら、その分、学んだり教訓を得たりできるようなことに取り組めるからです。

 しかし、教訓を得るには、きちんと自分で考えて判断しなければなりません。AIの判断にそのまま従うだけでは、単なる「AIの奴隷」となってしまいます。それでは魂修行が進むどころか、退化してしまうかもしれません。

 AIを魂の向上に役立てていけるかどうか。それは人間の使い方次第と言えそうです。

 

AIが発達しても時代を切り拓くのは人間の心

 AIは、安全運転の役に立つものではあるが、安全に責任を持つことはできない。ケーキを正確に並べることはできるが、人を喜ばせるサービスを臨機応変に生み出すことはできない。また、情報を集めて経営者にアドバイスはできるが、使命を感じて事業を始めることはできない。

 私たちの社会を便利かつ安全にしてくれる AIの進歩は望ましい。ロボット産業は、今後、基幹産業に育っていく高成長分野でもある。しかし、それに振り回されて大切なものを失ってはならない。

 人間の仕事の奥には、「人の命を守りたい」「人を喜ばせたい」という愛や、「あるべき理想の姿」をこの世に実現しようとする意志がある。これは、人間の本質が「心」であり、「愛」「理想」「意志」といった目には見えないものが、仕事に付加価値を生むことを物語っている。

外食や小売りなどの接客業も「無人化」の時代 人間にしかできない仕事とは?

訓練の積み重ねが生む力

 ならば、人間にしかできない仕事としてますます重要になるのは どのようなものでしょうか。それは、人間の本質である「心」の観点から人々の幸福を実現していく仕事でしょう。

 例えば、筆頭に挙げられるのは、神仏の教えを説き、人々の魂を救済する宗教家である。子供たちを立派な人格者に育てる教育者や、高い教養と見識で世間を啓蒙する思想家や評論家の仕事も、AIには決してできない。

 経営者や政治家も同じである。「人間の幸福」「社会の繁栄」「国家の正義」という観点から最終的な決断を下す仕事は、その責任の重さからいっても、AIには務まらない。

 芸術家や芸能人、その他のクリエーターも、「人を喜ばせるもの」「美しいもの」を探究していく仕事である。「愛」を持ち、「美」を感じる人間でなければ、感動を与える仕事はできない。

 データの延長上にない新たな発明・発見を目指す科学者や、新産業を開拓するベンチャー起業家も重要な仕事として残る。

 ただし、これらを含め、未来に残る人間の仕事は、AIに頼らずに自分の能力を磨き上げていく中で可能になる。

 訓練の積み重ねが感覚を研ぎ澄まし、AIには真似できない境地を生み出す。神仏や霊的存在からのインスピレーションはその最たるものである。

 

人間の自覚が未来を分ける

 人間自身の自覚も重要である。

 人間は、何度も生まれ変わりながら心を磨いている霊的な存在。それゆえ、人生は効率よく何でもうまくいけばよいわけではない。失敗や挫折も含めた経験を積み、新しい自分を創るところに価値がある。

 魂の成長や人間の価値が大切にされる社会になれば、AIの進化は脅威ではない。どんなに科学技術が進歩しても、未来を創るのは人間の心なのです。

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