食事・栄養素と心の病気の関係

 食生活は、心と関係がある。一般的に、食生活には心の傾向が出てくる。

 病気の7割ぐらいは悪霊の憑依などの霊的現象によるもので、それは心の持ち方に問題がある。

 しかし、物質的な部分に問題があり、その影響で精神的なつまずきが起きている場合もあるので、その場合には、食生活を改善することによって体を治した結果、心のほうまでよくなる場合もある。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『幸福へのヒント』で以下のように説かれました。

「食生活は心と無関係ではありません。たとえば、なぜ食べ物の好き嫌いが生じるのかというと、根本は心に原因があります。心に偏りがあると、食べ物の好き嫌いが生じるのです。何でも食べられる人は、他人に対する寛容さも持っており、どのような人とでも、ある程度、親しく接することができます。ところが、食べ物の好き嫌いが激しい人は、人間に対する好き嫌いも激しいのです。このように、心は食事の内容にも影響します。一般的に、食生活には心の傾向が出てくるものです。そして、これは個人だけではなく、集団についても言えるのです。欧米人は肉食が中心ですが、彼らの魂の傾向は非常にアグレッシブ(攻撃的)です。これは闘争本能から来ています。闘争本能は肉食を呼び込むのです。一方、日本人は、もともとは非常に温和で、気が長いというか、息の長い生き方をしていました。そして、食生活は菜食が中心でした。しかし、現在では日本人の食生活は欧米化し、以前とは食べ物が変わってきています。そうなった原因の一つは、日本人の心が変化したことにあります。つまり、日本人の食生活だけが欧米化したのではなく、日本人の考え方や生活パターン自体がかなり欧米化しているのです。そして、欧米の食べ物が日本人の体に合うようになってきたのです。病気の七割ぐらいは悪霊の憑依などの霊的現象によるものであり、それは心の持ち方に問題があります。また、それ以外にも、運動不足、栄養のアンバランス、仕事のストレスなどが複雑に絡み合って、病気が起きています。物質的な部分に問題があり、その影響で精神的なつまずきが起きている場合もかなりあります。たとえば、成人病(生活習慣病)はほとんどそうだろうと思います。ただ、食べすぎ、お酒の飲みすぎ、油っこいものの摂りすぎなどで、高血圧になったり内臓を傷めたりして病気になるのは、自業自得だと言えます。このように、栄養のアンバランスによって体が悪くなっている場合には、食生活を改善することによって体を治すことができます。その結果、心のほうまでよくなる場合もありえます。結局、「健康にとっては、心も食事も両方とも大事だけれども、七割ぐらいは心のほうが大事である」ということです。これが基本です。心の問題が健康に影響することのほうが多いのです。ただ、それが分からない人に対しては、まず食べ物のほうから入っていき、「栄養のバランスをとって、健康になってください。健康になれば、笑顔が出るでしょう。それで、他の人と仲よくして、心の調和をとってください」とアドバイスをするという方法でもよいでしょう。心と体の関係については、一般的には心のほうに比重があるわけですが、個々の問題においては、「鶏が先か、卵が先か」の議論であって、単純な結論は出ないものなのです」

 

何割かの精神障害は、「間違った食事」による栄養素欠乏で引き起こされている

 栄養素の欠乏が肉体の細胞を弱化させ、身体全体を退化させて病気を引き起こすことは今さら説明するまでもありません。昔から、ビタミン欠乏症として、夜盲症や脚気(かっけ)や壊血病などが知られてきました。現在では、微量栄養素の研究が進み、必須栄養素の存在が明らかにされています。この必須栄養素は体外からの摂取に頼らざるをえないものであり、不足すると欠乏症を引き起こすことになります。

 栄養素が肉体の健康に深く関わっていることは、現在では医学の常識になりつつあります。しかし、栄養素が「心の病気(精神障害)」に重大な影響を及ぼしていることは、あまり知られていません。一般の医師は言うまでもなく、精神科の医師においても、栄養素の重要性を認識している人はほとんどいません。

 十分な栄養素があって、肉体の細胞の健康が保たれるように、脳の細胞も十分な栄養素があってこそ健康が維持されるようになっています。栄養素が欠乏すると、異常をきたすのは肉体の細胞だけでなく、脳を形成する細胞も同じなのです。栄養素の不足によって脳の機能に異常をきたすと、心(精神)にも異常が発生するようになります。また、食生活を通じて脳にダメージを与える物質を摂り続けるなら、ドラッグと同様に脳の機能低下を招き、精神障害を引き起こすこともあります。不思議なことに、いまだにこうした常識的な知識が医学の中で認識されていません。ここに現代の精神医学の大きな盲点があります。

 一方、現代栄養学の進歩によって、脳が必要とする栄養素について徐々に明らかにされるようになってきました。これまでは、脳の器質的な欠陥や脳内物質の異常とのみ考えられていた精神障害が、間違った現代型の食事によって引き起こされていることが指摘されるようになってきました。「間違った食事」が心に大きな影響を与え、さまざまな精神障害を発生させている。もちろん、すべての精神障害に栄養素が関わっているわけではありませんが、何割かの患者は、間違った食事による「栄養素欠乏」が原因となって発症しています。そして、食事改善や栄養療法による栄養素の補給によって、長年治らなかった精神障害が見事に快癒するケースが次々と報告されるようになっています。

 現代では、「間違った食事」という純粋に物質的な原因による心の病気(精神障害)が多発しています。その中で、真っ先に挙げられるのが、「低血糖症」「脳アレルギー」「必須栄養素の欠乏」「有害金属の脳内蓄積」による精神障害です。

 

「低血糖症」

 間違った食事が引き起こす精神障害の筆頭が低血糖症です。「低血糖症」とは文字どおり、血液中の糖の濃度が低くなり過ぎる症状です。食事から摂取された糖が吸収されると、血液中の糖(ブドウ糖)の濃度が高まります。すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて糖を細胞内に取り込み、血中の濃度を低下させます。こうした一連のシステムによって、健康人の場合、血糖値が1dl中、60~160mgに保たれるようになっています。ところが、血糖値が50mg以下にまで下がる人がいます。これが「低血糖症」です。1時間以内に血糖値が50mg以上急激に変化する場合や、絶食時の本来の血糖値より20mg以上下降する場合も「低血糖症」と診断されます。

 低血糖症は、糖尿病でインスリン注射をしていたり、血糖を下げる薬品を飲んでいる場合に発生します。血中の糖の濃度が下がり過ぎると、震えやけいれん、意識障害などの症状が現れます。糖尿病患者の場合は、飴や少量の砂糖を摂ればすぐに回復します。

 しかし、糖尿病患者でない一般に健康と思われている人間が、日常的に砂糖を大量摂取することによって、インスリンが過剰分泌され、「低血糖症」を発生させるようなことがあります。

 なぜ、砂糖の大量摂取が「低血糖症」を発症させるかというと、砂糖は分子構造上 すばやく分解され、あっという間に血中に吸収されるからです。そのため、砂糖を大量に摂ると、すぐに高血糖の状態になってしまいます。すると、体はそれに対処するために、膵臓から急いでインスリンを分泌しなければなりません。肉体が絶えずこうした急激な対応を強いられるうちに、やがて膵臓が疲弊して、インスリン分泌に異常が生じ、「低血糖症」が引き起こされるようになるのです。

 現代人の中には、低血糖症にかかっている人が多くいます。困ったことに、日本ではほとんどの医師が低血糖症についての認識がありません。当然のこととして、患者本人を含め、一般の人々はその事実に気づいていません。

 この低血糖症は、深刻な精神障害を引き起こす元凶になっています。一般の医師だけでなく、精神科の医師も低血糖症の問題の重要性が分からずに、表面に現れた異常性だけを薬物療法によって取り除こうとします。病気の原因が「低血糖症」にあるなら、それに対する治療こそ最優先されなければなりませんが、低血糖症についての認識不足から、薬物療法という的外れな治療が行われることになります。これでは、はかばかしい治療効果を得られるはずがありません。それどころか、患者は薬漬け状態に置かれ、薬の副作用で苦しむという問題を発生させることになります。

 低血糖症が「精神障害」を引き起こすメカニズムは、次のように説明されます。低血糖症になると、体は急激に血糖値を上げようとして副腎からアドレナリンを分泌します。これが肝臓を刺激し、蓄えていたグリコーゲン(多糖類の一種)を放出させて、血糖値を上昇させることになります。このアドレナリンは、「攻撃ホルモン」と呼ばれ、危機に瀕したり、ストレスにさらされると血糖値を上げて全身のエネルギーレベルをアップさせます。心臓の働きを活発にし、攻撃性を高めて、危機的状況に対処する態勢を整えます。このため、「低血糖症」が続くと攻撃的になるのです。アドレナリンはストレスに対処するために必要なものですが、それが過剰に分泌されると、人格を変えるほど強烈な影響を及ぼすことになります。さらに、低血糖症になると、副腎からは アドレナリン 以外に ノルアドレナリン という別のホルモンも分泌されます。

 アドレナリン と ノルアドレナリン は大脳辺縁系を刺激し、怒りや恐れなどの情動変化を引き起こします。攻撃ホルモンである アドレナリン は、怒り敵意といった攻撃的な感情を刺激します。それとは反対に、ノルアドレナリン恐れ不安といった感情を誘発し、自殺観念・強迫観念などを引き出します。大脳前頭野の神経伝達物質である ノルアドレナリン が急激に増加することによって、理性的な判断ができにくくなり、突発的な感情に支配されるようになると言われています。パニック障害などは、こうした形で引き起こされるのではないかと考えられています。恐ろしいことに、現代の犯罪にもこの低血糖症が深く関わっていると言われます。近年急激に社会問題化している「キレる子供たち」や「家庭内暴力」にも、低血糖症が強く影響しているものと思われます。

 低血糖症を引き起こす原因は、現代人の「間違った食生活」にあります。特に「砂糖の大量摂取」が大きな原因ですが、「アルコールの過剰摂取」も問題です。また、小麦粉などの「精製した炭水化物」を多量に摂ることも低血糖症に関係します。砂糖たっぷりの清涼飲料、甘い缶コーヒーやジュース、チョコレートやケーキなどの菓子類、アイスクリーム、さらには大量の砂糖を含む加工食品やインスタント食品、そして、ビールなどのアルコール類です。こうした食品は現代人にとって当り前のものとなっていますが、それが「低血糖症」を引き起こす元凶になっているのです。コーヒー・コーラなどのカフェインを含む飲料やタバコも「低血糖症」を悪化させる要因となります。また、「低血糖症」と「アレルギー」は密接な関係があり、アレルギー疾患を抱えた人は低血糖症になりやすいと言えます。

 「ストレス解消のために甘いもの(砂糖)の摂取は欠かせない」とか「脳の栄養であるブドウ糖を補給するために砂糖を多く摂るべきである」と主張をする専門家もいます。脳の栄養素がブドウ糖であることは事実ですが、だからといって、砂糖の摂取を勧めることは間違っています。穀類に含まれるデンプンは分子構造が大きい(ブドウ糖が何千・何万個もつながっている)ため、ゆっくりと分解吸収されます。穀類は、体に負担の少ない優れたブドウ糖補給源です。二糖類である砂糖はブドウ糖と果糖が1個ずつつながっただけの単純な分子構造をしているため、消化吸収が早過ぎて「低血糖症」を引き起こすのです。

 食生活が健全であれば、時々の楽しみとして甘いものを摂ることは何の問題もありません。また、ジュースに含まれる糖は吸収が早いのですが、自家製の新鮮な野菜や果物のジュースには栄養素が豊富に含まれているため、よほど多量に摂取しないかぎり心配する必要はありません。現代では、日常的に大量の砂糖を摂取していることで、「低血糖症」という問題を発生させているのです。

 低血糖症は、「食生活の改善」によって確実に治すことができます。かつての「伝統的な日本食」に戻すなら、ごく短期間で症状が治まります。「低血糖症」が原因となっている精神障害は、たちどころに快方に向かうでしょう。

 

「脳アレルギー」が引き起こすさまざまな精神障害

 食事が引き起こす心の病気として、低血糖症の次に無視できないのが「脳アレルギー」です。牛乳や卵といった食品が、アトピーなどのアレルギーを発症させることは よく知られています。アレルギーがひどいときには、アナフィラキシー・ショックによって死に至ることもあります。一般的には、アレルギーというと身体に現れる反応にばかり目が向きますが、脳でもアレルギー反応は生じているのです。

 脳にアレルギーが発生すると、脳の機能に異常が生じ、さまざまな精神障害を引き起こすことになります。身体にアトピーが生じると、かゆみや痛みで苦しむようになりますが、「脳アレルギー」でも、頭痛やめまい・吐き気などの症状が現れます。また、肉体的症状だけでなく、いらいらや興奮・怒り・不安・恐れ・緊張といった感情異常が起きるようになります。これを外見から判断すると、突如「精神障害」が発生したということになります。うつ などの精神障害や統合失調症と診断された患者の中には、こうした「脳アレルギー」が原因となっているケースがかなりあると指摘されています。アメリカの研究によれば、統合失調症患者の10%に脳アレルギーの疑いがあるとの報告があります。また、別の研究では、統合失調症患者の64%は小麦によってアレルギーを起こし、50%は牛乳に、75%はタバコに、30%は石油系の化学物質に反応すると報告されています。また、統合失調症患者の80%に牛乳と卵のアレルギーが見られたとの報告もなされています。

 脳アレルギーの原因として指摘される小麦・牛乳・乳製品は、現代人がひんぱんに口にしている食品です。牛乳・乳製品は、栄養豊富で健康によい食品として盛んに摂取が勧められています。若者や子供は、それらを毎日のように大量に摂取しています。小麦・牛乳・乳製品以外に、脳アレルギーを引き起こしやすい食品として挙げられるのは、肉類・卵・ソバ・コーン・オート麦・ライ麦・ナッツ類・オレンジなどです。また、コーヒー・コーラ・アルコール・チョコレートなどの嗜好品も、腸壁や副腎を刺激してアレルギー反応をひどくします。食品添加物や環境中の化学物質も、アレルギー反応を誘発します。

 「脳アレルギー」によって精神障害が発生しているとするなら、何よりもアレルゲンとなる食品や化学物質を排除することが優先されなければなりません。アレルゲン除去が一番先になすべき治療であり、これを無視して薬物で精神障害の症状だけを抑えようとしても、よい結果は得られません。しかし、現実には、そうした的外れな治療がかなり行われているのです。

 

「必須栄養素の欠乏」が引き起こす精神障害

 肉体の健康維持のためには、ビタミンやミネラルなどの「必須栄養素の摂取」が欠かせません。必須栄養素が欠乏すると、細胞が劣化し、身体に異常が現れるようになります。それと同じく、脳の健康維持に必要な栄養素が不足すると、脳の機能に異常が発生し、精神障害を引き起こすことになります。現在の栄養学は、脳に必要とされる栄養素を徐々に明らかにしつつあります。

 脳の健康に必要な栄養素を欠乏させている原因は、間違った現代人の食事にあります。栄養素の偏った食事によって、脳に必要な栄養素が不足し、それがさまざまな心の病気を引き起こすようになっています。

 例えば、ビタミンB群は、チームとして糖の代謝に関わり、神経の働きを正常に保つのに欠かせません。ビタミンB₁を欠乏させるような食事を摂っていると、いらいらして怒りっぽくなり、心が落ち着かなくなります。また、マグネシウムが欠乏しても、神経が興奮したり過敏になって精神状態が不安定になります。マグネシウムは、うつ や 多動症 との関連が深いミネラルです。さらに、インスタント食品や加工食品に多く含まれるリン(大半の現代人は深刻なミネラル不足の状態にありますが、リンだけは摂り過ぎています)は、マグネシウムなどの消耗を招いて、結果的に精神状態を悪化させます。

 こうしたマイナスの条件が「低血糖症」などと重複すれば、ひどい精神障害を引き起こすようになると考えられます。

 

「有害金属の脳内蓄積」

 「低血糖症」「脳アレルギー」「必須栄養素の欠乏」以外に、もう1つ精神障害と深い関係にあるのが「有害金属の脳内蓄積」です。鉛やカドミウム・水銀・ヒ素・アルミニウムといった有害金属が、大気中や生活環境から、あるいは薬品・飲食物から体内に取り入れられ蓄積することがあります。

 有害金属は体内の必須ミネラルの働きを妨げ、神経に作用して精神障害のような状態を引き起こします。子供たちの学習障害や暴力的行動・知能の発達障害などとの関連も指摘されています。

 

「根本的な食生活改善」に取りかかる

 食事内容や栄養素という物質レベルでの原因が、心の状態を左右する。「低血糖症」「脳アレルギー」「必須栄養素の欠乏」「有害金属の脳内蓄積」、これらは明らかに精神障害の状態を引き起こします。これまで、精神医学は薬物療法によって精神障害に対処してきましたが、かなり的外れなことをしてきた疑いは拭えません。

 精神障害(心の病気)に対しては、まず、「食事改善」を徹底して進める必要があるということです。伝統的な日本食(昭和30年以前の日常的な食事)に戻せば、砂糖の大量摂取は簡単に避けられます。これだけのことで「低血糖症」の苦しみから解放されるのです。うつ や 統合失調症 などの精神障害についても、どれほど症状が軽減するようになるかしれません。

 食事を健全なものにすれば、砂糖だけでなく、加工食品やインスタント食品の摂取も減り、有害な食品添加物・化学物質の取り込みも抑えることができます。栄養価の乏しいジャンクフードなどは、めったに口にしなくなるでしょう。また、アレルゲンになりがちな牛乳・乳製品・卵・小麦などの摂取量も、ずっと少ない量にとどまるはずです。

 アレルギーは、体質劣化から引き起こされる免疫システムの機能低下(アンバランス)です。体質を強化してアレルギーを治すには、食事改善は欠かせません。それによって、腸内環境は改善し、免疫力がアップしてアレルギー反応も軽減するようになります。また、有害物質の解毒もスムーズに進むようになります。

 脳という重要な器官の栄養疾患という状態は、肉体レベルの健康度がかなり低下していることを示しています。茶色い米や豆・野菜や海藻をしっかり摂る「健全な食事・伝統食」にすれば、脳に必要な栄養素を十分に摂取することができるようになるのです。

 

必要とされる強い決意

 「食生活改善」によって、さまざまな精神障害が完治する可能性が出てきます。食生活改善によって、何ひとつマイナスは生じません。プラスだけがもたらされるのです。

 しかし、「食生活改善」には、たいへんな努力が必要とされます。「言うはやすく実行はとても難しい」ということ。間違った食生活が身に染みついた多くの現代人にとって、伝統的な日本食に切り替えることは大改革です。まさに、人生をゼロからやり直すほどの決心をしないかぎり達成できないことなのです。

 

効果の出方は、人によってさまざま

 人によっては、食事を変えると すぐに驚くようなよい結果が出ることもあります。「低血糖症」のように、明らかに「間違った食生活」が原因であった場合には、精神障害は嘘のように消え去ります。しかし、食生活以外に原因がある場合には、好転はしても完治するところまではいきません。

 とは言っても、必ず症状は緩和されるはずです。なぜなら、「肉→心」への影響力が悪いものから良いものへと変わるからです。

 

サプリメントより先に「食事改善」

 食事改善によって精神障害が治ったり軽減するというようなことは、残念ながら現在の大半の精神科医は信じることができません。最近、医師の中にも栄養学について関心を持つようになった人が増えてきました。しかし、そうした進んだ医師であっても、その多くがサプリメントに対して関心を示すだけで、食事改善にまで向かっていかないのが実情です。

 現代栄養学によって、脳の機能に関わる栄養素についての知識は増大しました。ビタミンB₁・ビタミンB₃(ナイアシン)・ビタミンB₆・ビタミンC・カルシウム・マグネシウム・カリウム・亜鉛・マンガン・オメガ3系オイル(EPA、亜麻仁油)などの精神障害への効果が明らかにされています。

 しかし、栄養素は単独で働くことはなく、常に他の栄養素とのチームプレーによって効果を発揮します。したがって、サプリメントだけに頼ったピンポイント的な補給では、栄養素の効果は著しく減少します。栄養素の適切な補給のためには、ベースとなる食事を土台にしなければなりません。そのうえで、サプリメントによる補強を目指します。こうした意味からも、「心の病気(精神障害)」の栄養療法においては、必ず「食事改善」を優先しなければなりません。

 

複数の治療法と並行して進めることが必要

 栄養療法を進めるうえでの原則は、「多くの治療法をトータルに進める」ということです。すなわち、栄養療法という一つの方法だけで解決を図ろうとしないということです。初めから他の治療法と連携してトータル的な治療を進めること。その一部分を栄養療法が担当するということなのです。

 精神障害を引き起こす原因はさまざまです。霊的次元での原因・精神次元での原因・肉体次元での原因・環境的原因・社会的原因、あるいは、自分自身がつくり出す原因や遺伝的原因などがあります。こうしたいろいろな要因が絡み合って、「心の病気(精神障害)」が発生します。「低血糖症」による精神障害の場合は、物質次元での原因が大きく関係していますが、もちろん、それだけで病気が発生するようになるわけではありません。「霊的原因・精神的原因」が関係して、間違った食生活をつくり出してきます。したがって、精神障害の治療では、常にトータル的アプローチが必要となります。効果の認められたさまざまな治療法を繰り出すことが重要なのです。

 栄養療法だけで精神障害を治療するという姿勢はとりません。食事療法・栄養療法だけでなく、運動療法も心理療法もスピリチュアル・ヒーリングも必要と考えます。また、薬物療法も欠かせません。さらには、心の修行やボランティア活動なども、精神障害の治療のためには大切なことなのです。

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