素粒子の性質

素粒子の性質

 中間子が見つかってすぐ後に、未知の粒子が宇宙線の中から見つかった。この粒子はV粒子と名づけられた。また、このV粒子の軌跡は、同時に2つ観測されることが多かった。このV粒子の正体は、中間子や陽子などの既知の粒子であり、V粒子は電荷をもたない粒子が2つに分かれることでできると考えられた。したがって、電荷を持たない2つの未知の粒子が霧箱にやってきて、それらが2つの電荷をもった粒子に分かれて、二つの軌跡を残すと考えられた。それでは、何故未知の粒子は二つ同時にやってくるのでしょうか? これを説明するために、ゲルマンは素粒子が「ストレンジネス」という性質を持つと提唱した。宇宙線の中の中間子(ストレンジネスはゼロ)が大気中や霧箱の中の陽子とぶつかり、二つの粒子を作るのだが、それぞれの粒子はストレンジネスがプラス1とマイナス1になっていて、反応の前後でストレンジネスは保存されるのだと考えた。V粒子を生む二つの粒子のうち、ストレンジネスが+1のものをK中間子、-1のものをラムダ粒子と呼んだ。K中間子は湯川秀樹博士が予言した中間子(π中間子)とは違うものである。ストレンジネスは、強い力によりストレンジネスをもつ粒子が作られるときは保存されるが、ストレンジネスを持った粒子が弱い力により壊れる時は保存されないことが分かった。1950年から1960年代にかけて、様々な素粒子が発見された。このことから、これらの粒子が本当に物質の究極的な構成要素なのかと疑問視されるようにった。ここから、「クォーク理論」が登場する。

 1950年代に、ライネスとコーワンにより、間接的にニュートリノが検出された。π中間子が発見されて、すぐに、それがミューオンに崩壊することが発見された。このとき、エネルギーや運動量が保存しないようにみえることから、ニュートリノが一緒に放出さていると考えられた。しかし、このニュートリノは、ベータ崩壊時に放出されるニュートリノ(電子ニュートリノ)とは別のニュートリノではないかと考えられた。そして、1962年に、π中間子の崩壊時にミューオンとともに放出される電子ニュートリノとは異なるミュー・ニュートリノが発見された。

 

素粒子の分類

・ハドロン:強い力と弱い力の両方に作用する粒子

・メソン:陽子より軽く電子よりも重い粒子  

 π中間子より重いメソンは不安定で、崩壊して他の粒子になる。   

  π中間子(π+、π、π0)、K中間子

・バリオン:陽子以上の重さを持つ。  

 バリオン数が1であり、バリオンが関係する反応でバリオン数は保存される。一番軽いバリオンは陽子であり、陽子より重いバリオンは崩壊して、最終的には陽子になるが、陽子がさらに崩壊してメソンになることはない。   

  陽子、中性子、Λ粒子、Σ粒子、Ξ粒子

・レプトン:弱い力だけに作用する粒子  

 電子、ミューオン、電子ニュートリノ、ミュー・ニュートリノバリオンとメソンは重さだけでなく、スピンという性質で分類するのが正しい。スピンの大きさが0.1などの整数のものを「ポソン」、2分の1のような半整数を持つものを「フェルミオン」という。

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