原爆と水爆
原爆と水爆の違いは、「エネルギーを作り出す方法」が根本的に違う点にあります。
原爆は核分裂
原爆は、原子力発電所と同じように、「核分裂」の原理を使ってエネルギーを作り出します。原子を破壊することによって、エネルギーを生み出すことができるのです。
まず、ウラン原子のように大きな原子に中性子を当てて、破壊してしまいます。破壊の後には、2つの中くらいのサイズの原子と、大量の中性子と光が生まれます。
発生した中性子が、また次のウラン原子核に当たり、破壊します。これを繰り返す(連鎖反応を起こす)ことによって、大量の光(エネルギー)を生み出せるのです。
水爆は核融合
水爆は「水素爆弾」の略で、原子と原子を融合させる「核融合」を使ってエネルギーを作り出します。これは、太陽がエネルギーを生み出している原理と同じものです。
2つの原子を「近づけて」、「合体」させることにより、1つの元素になるように仕向けます。この時、大量のエネルギーが発生するため、爆弾として成立するのです。
水爆は原爆の数倍から数千倍の威力を出せると言われています。
「水素」爆弾と呼ばれる理由は、「合体」する原子が「水素」の変化形である「重水素」と「三重水素」だからです。
核融合を起こすには、水素を高熱まで熱さなくてはなりません。そのために、まず水素のすぐ近くで原爆を爆破します。発生したエネルギーを使って、2つの水素が「近づく」ように「圧縮」するのです。これを「爆縮」と言います。