宇宙エレベーター

1 宇宙エレベーターを知っていますか?   

 「宇宙エレベーター」または「軌道エレベーター」をご存じでしょうか?   それは、地上と宇宙をエレベーターでつなぐ、これまでにない輸送機関です。地上から天へと伸びる塔のようなものを想像してください。  かつては突飛な夢物語として受け止められていましたが、理論的には十分実現可能なものであり、近年の技術発展によって手の届く域に到達しつつあるのです。  現在の宇宙開発の主役であるロケットには、墜落や爆発の危険が伴いますが、宇宙エレベーターにはその危険はなく、大気汚染の心配もありません。実現すれば、ロケットに依存していた宇宙開発は大きく飛躍します。訓練を受けた宇宙飛行士でない私たちでも、高齢者や体が不自由な人も、宇宙を訪れる機会が得られるかも知れません。

 

2 仕組み  

 宇宙エレベーターの仕組みは次のようなものです。  

 地球を周る人工衛星は、地球の重力で下(内側)へ引っ張られている力と、遠心力で上(外側)に飛び出そうとする力が一致して釣り合っているため、高度を維持して周回し続けています。このうち、赤道上の高度約3万6000kmを周る人工衛星は、周期が地球の自転と同じで、地上に対して天の一点に静止しているように位置するため、「静止衛星」などと呼ばれます。この静止衛星から地上へ向けてケーブルを垂らしたとしましょう。ケーブルを吊り下げた分、衛星の地球に向いている下の方がやや重くなり、このままでは徐々に地球の重力に引かれて落下してしまいます。そこで、反対側にもケーブルを伸ばしてバランスをとれば、衛星は静止軌道の高度を維持して回り続けられます。次に、下向きのケーブルをさらに伸ばします。また、重さが偏るので再び反対側も伸ばします。これを繰り返していくと、下へ伸ばしたケーブルはやがて地上に到達し、地上と宇宙を結ぶ長大な1本の紐になります。このケーブルに昇降機を取り付け、人や物資を輸送できるようにしたものが宇宙エレベーターであり、原理はシンプルです。

 

3 どこまで研究が進んでいるか?  

 宇宙エレベーターは科学者やSFファンの間で古くから知られていましたが、技術上の課題、特に宇宙から地上へ吊り下ろせる強度を持つケーブル素材がないために、夢物語にとどまっていました。しかし、1991年、この条件に応えられる素材「カーボンナノチューブ」が日本で発見されました。これを機に宇宙エレベーターの議論が加速され、多様で具体的な建造計画が提案されています。米国では研究者が集まり国際会議が開催されたほか、宇宙エレべーターの技術開発のための競技コンテストも毎年開催されています。

 宇宙エレベーターは、人が地上と宇宙との間を往復したり、物資を輸送したりする上で理想的な手段です。実現する上で「解決不能な課題はない」と言われています。宇宙進出を進める人類にとって、将来不可欠の輸送手段です。

 

海面上に浮かべるアース・ポート

 その方法は、普通のビル建設と大きく違う。赤道上の静止軌道に衛星を打ち上げ、そこからケーブルや構造物を吊り下げて海面上のアース・ポートに接続する。地面から上にではなく、宇宙から地球に向かって作るという逆転の発想です。

 移動はケーブルを伝うクライマー(昇降機)で行う。現在、宇宙に行くには大量の燃料を使うロケットが必要だが、これなら宇宙に行くコストが100分の1ほどになる試算である。しかも、宇宙エレベーター全体が地球の自転とともに動いているので、宇宙船を軌道上に放出するだけで速度がつく。月や火星への出発基地にもなるでしょう。

科学と霊界へ

「仏法真理」へ戻る