読書の秘訣

 まず「今日は何冊ぐらい、今週は何冊ぐらい読む」と読書計画をたてること。

 そして、読む前に、本の題と著者名、著者略歴、まえがき、あとがき、目次等でその本の重要度を判断して、「この本に付き合う時間は、どの程度か」を見積もって、見切ること。

 最初のほうは少しゆっくりめに読んで、本のレベルと著者の言いたいことをだいたい読み取れたら、あとは速度を上げていくことで、予定の時間で一冊を読み終えるように努力すること。

 この方法で、たくさんの本を読むなかで、繰り返し精読すべき本を探すことが大事である。あとの本は、何か少しでも役に立つ情報を得られたら、それでよいと思うことです。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『知的青春のすすめ』で以下のように説かれました。

「今年(2009年)になってから、もう百二十冊は読んでいると思うんですけれども(1月25日時点)、読むのは非常に速いんです。なぜ速いかというと、一種の“見切り”を設けているからです。「この本に付き合う時間は、どの程度か」ということを見切るわけです。本を手に取って、本の題と著者名、著者略歴、まえがき、あとがき、目次等を見れば、だいたい、その本の“格”やレベルが分かるので、「この著者の、この本に付き合うために、私が割いてよい時間は、いったい、どのくらいであるか」ということを、読む前に考えるんです。そして、「自分が、この本に付き合っていい時間は一時間」とか、「三十分」とか、「十分」とか、「五分」とかいうことを見切るんです。私は、速いときには一冊を五分で読んでしまいます。あるいは、重要な内容であれば、「一週間かけるべき本である」とか、「五時間ぐらいかける本である」とか考えます。つまり、「この本を読むのに、どのくらい時間がかかるか」と考えるのではなくて、「この本を、どのくらいの時間で読むか」ということを自分で見積もらないといけないんです。そして、「今日は何冊ぐらい読む」、あるいは、「今週は何冊ぐらい読む」と決めていきます。誰しも、本を読むために使える時間は限られているので、自分が読むべき本の重要度を見て、「この本に、このくらいの時間をかけ、この本には、このくらいの時間をかける」ということを決め、その時間内に読み終えるように努力することです。本を読むときには、最初のほうは少しゆっくりめに読むんです。一章あたりは、そんなに飛ばし読みをしないで、ある程度、内容をよく読んでいきます。そして、本のレベルと著者の言いたいことをだいたい読み取ってきたら、「こんな本だな」ということは読み間違わなくなるので、あとは、だんだん速度を上げていくわけです。そうして、だいたい予定の時間で一冊を読み終えることが大事です。もし、繰り返し読むに足る本であったら、その本に、「いずれ、また、繰り返して読むべきである」という意味の印を何か付けておけばいいんです。本はたくさん読まなくてはいけないんですが、全部を繰り返し読むことは無理なので、たくさんの本を速く読み、そのなかで、繰り返し精読すべき本を探すことが大事であると思われます。「本を全部読み尽くす。隅から隅まで読む」という考え方もありますけれども、見方を変え、「繰り返し読んで自分の宝物にすべき本を選別している」と思って読むといいと思います。それ以外の本については、何か仕事上のヒントになるようなことや、一般教養になることなどを手に入れることができたら、それでも満足とするのです。そういう読み方をしないと、現代においては、やや無理があるかと思うんです。」

 

読書してても仕事ができない人へ

 よく読んでいるのに仕事のできないのは、第一に、人間関係がうまくいかないタイプ、第二に、ただ漫然と読んでいるタイプ、第三に、読んでいる素材そのものが悪い場合である。

 漫然と読んでいるタイプの人は、赤線を引きながら読むなどして、ポイントを押さえていく訓練をすること。また、本を一冊読み終えたときに、「この本で何が参考になったか」を考えてみること。「自分にとって役に立つ部分はどこか。自分にとって役に立つ情報はどれか。自分にとって役に立つものは何か」という目を忘れないこと。

 総裁は、『幸福の法』で以下のように説かれました。

「本や新聞をよく読んでいる人たちの七、八割ぐらいは仕事がよくできるのです。素材集めを熱心にやっていると、頭の回転も速くなってくるため、仕事はよくできるようになるのが普通です。
 しかし、残りの二、三割は、よく読んでいるのに仕事のできない人たちです。
 それは、一つには、人間関係がうまくいかないタイプの人です。独りで部屋にこもって本を読むのは好きなのですが、人との付き合いがあまりうまくないため、仕事もうまくいかないのです。ただ、そういう人でも、よく読む人であれば、それはそれなりに、個人として成功する道はほかにあります。
 また、惰性や習慣で、ただただ漫然と読んでいるタイプの人も、仕事ができるようにはなりません。こういう人は、水道の水をザーッと流すようなかたちで本や新聞を読んでいるため、ポイントをつかむことができないのです。「たくさん読んでいるのに仕事ができない」という人は、ほとんどがこのタイプです。
 このタイプの人は活字の世界に逃げ込んでいるのです。常に何かをしていないと落ち着かないので本などを読んでいるのですが、実は、考えたり工夫したりすることを拒否しているわけです。
 さらには、読んでいる素材そのものが悪い場合もあります。雑本など、くだらないものばかり読んでいる人です。こういう人は、ゴシップ話はできても、仕事ができるようにはなりません。
 漫然と読んでいる人は、本などを読むときに、ポイントを押さえる工夫をしたほうがよいのです。本を一冊読み終えたときには、「この本で何が参考になったか」ということを考えてみる訓練が大事です。
 著者に本を“読まされる”のではなく、主体的に本を読むことが大切です。本の著者は、「こう言いたい」ということを、何百ページにもわたって、いろいろと書いていますが、読者は、著者とまったく同じことに関心を持っているわけではないので、「自分にとって役に立つ部分はどこか。自分にとって役に立つ情報はどれか。自分にとって役に立つものは何か」という目を忘れてはいけません。
 「この本のなかで、何が自分にとって参考になるのか。何が自分の役に立つのか。何が自分に影響するのか」ということを見る目を持っていれば、勉強もできるようになりますし、仕事もできるようになります。
 ところが、本の内容を自分で咀嚼する力がないと、本を“読まされる”という感じになり、「著者が説得力を持って一生懸命に語っており、自分のほうは、よく分からないうちに時間を潰している」ということになりかねないので、気をつけなければいけません。
 具体的には、赤線を引きながら読むなどして、ポイントを押さえていく訓練をすることです。」
(94~97ページ)

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