営業の心得

営業前の心得

  商品知識の整理

  世間と顧客のニーズをウォッチする

□営業前に、商品をどう紹介するか台本を練り込む。

 ・情報が多くなりすぎていないか。

 ・お客様に必要な情報としてまとまっているか。

 ・見込み客の想定はできているか。

□常にトレンドの変化に気を配り、情報を集める。

 ・参考になる新聞や雑誌の記事は、切り抜いて持ち歩く。

 ・人から聞いたことや、街やテレビで見たことなどは、ストーリーを組み立てて話せるようにしておく。

□初対面の相手に、警戒心を解いてもらうための努力をする。

□売り込むかどうかにかかわらず、機会を見つけて訪問する。

□ビジネス書などを読む。

 ・大切だと思ったことは抜き書きする。ノートには追加で書き込めるスペースを空けておく。

 

営業中の心得

  お客様の立場に立つ

  お客様の理想像を構想する

□お客様の長所は心からほめる。

□お客様の役に立つ話をする。

□お客様が商品のことをあまり知らなくても、上から目線で話さない。

□お客様の将来像や理想像をイメージして、商品やサービスを提案する。

□お客様の断る理由からニーズを引き出す。

□断られるのが怖くて、途中で勝手に打ち切ることはしない。

□いつも全く同じセールストークになっていないか注意する。

 

営業後の心得

  反省して教訓を得る

  お客様の情報を記憶する

□その日の営業記録を付ける。

 ・事前の想定と違っていた点を記録し、その理由を考える。

 ・お客様に言ったことと、それに対する反応を思い出し、心の動きを考察する。

 ・商談がまとまった場合、お客様が購入・契約する決め手が何だったか検証する。

 ・お客様の家族構成や好みなど、いろいろな情報を記憶し、次回の営業に備える。

□ビジネス書などを参考にする。

 ・ビジネス書のエッセンスを抜き書きしたノートに、気付きを書き込む。

 ・自分の成功・失敗と同じ事例があれば、次の営業にどう生かすか考える。

□部下の業績が低迷している場合、お客様と正しい接し方をしているかどうかに注目する。

 

「技術」×「訪問件数」

 営業の成績は、「技術」×「訪問件数」で決まります。飛び込み営業の実績が出ない時は、「訪問件数」が落ちて表情も暗く、第一印象も悪くなりがちです。

 ただ、お客様には、今すぐ買ってもらうべき方と、長いスパンでお付き合いを続け、信頼関係を築いたほうが大きな取引ができる方がいます。ほとんどの人は、前者を追いかける狩猟型の営業だけになりがちです。

 後者の農耕型の営業だと、お客様の状況の変化やニーズを知っているので、新商品を見た瞬間に売る相手が浮かぶようになるなど、後から楽になります。

 既存の顧客の中にいる見込み客を見落としているケースも多い。銀行だと、当座預金の取引はあっても、融資がないお客様に「融資は間に合っていますか」などと聞くことで、新たな取引につながることがあります。

 

市場戦略の実践は お客様への定期訪問である

 細分化した市場に対し、どういった行動を取れば良いか。お客様(得意先)への定期訪問です。これが市場戦略を実践に落とし込んだときの具体的な行動になります。「社長のお客様への定期訪問」です。

 定期訪問は 売り込み ではありません。お客様の確保です。 これを営業の売り込みのように話を持って行くと、売った後に訪問しなくなったり、営業マンの都合で顧客を回ったりするようになります。そうなると、お客様からそっぽを向かれてしまいます。

 「訪問しなければお客様を他社に取られるのだ」と認識して、「お客様の確保」を目的として定期訪問をおこなってください。  ここで大切なことは、「得意先別売上年計表」や「売上高ABC分析表」を元に、営業担当の意見も聞いた上で「得意先の格付」を行うのです。

 最重要得意先をS、重要得意先をA、安定得意先をB、その他Cといったように、分類をします。そして、Sランクの得意先へ、社長は月に1回訪問、部長は月2回訪問、担当は週に2回のように「得意先訪問基準表」を策定します。これが定期訪問の基準になります。次に、基準表に基づいて、各人一人ずつ月のカレンダーを用意します。それに訪問計画を具体的に書き込みます。例えば、社長を含め8人が訪問するとしますと、8名分のカレンダーを用意し、計画と実績を人目で分かるようにするのです。

 

営業マンの定期訪問のポイント

 訪問計画もでき、実際に営業マンが定期訪問することになったとしましょう。では、どのような訪問をすれば良いかが次のポイントになります。

 訪問時間はアポなしで、10分くらいが良いでしょう。格付の高い得意先へは曜日を決めて訪問してもよいと思います。

 もし、ご担当者が不在の場合、出てくれない場合は、置き名刺にメッセージを残しておきます。

 担当者とお会いできた場合は、長居をすることなく、日頃のお礼を述べて「何か弊社の商品(サービス)でご迷惑をおかけしておりませんか?」とお聞きするくらいで良いでしょう。

 もし、サービスを提供している期間が過ぎていたら、先方が興味を持つような面白い情報をコピーして持っていくのも手だと思います(新聞、雑誌、ブログなど)。

 物を売る前も、売った後も、きちんと顔を出して状況を確認する人には好感を持てますし、誠意がある人かどうかは分かるものです。

 単に性能・価格だけではなく、「この人(営業)が薦めてくれる製品なら」という観点で製品を決めることが多い。

 仮に今回はその人(営業)の製品を購入できなくても、「いつかは発注してあげたい」という気持ちは残るものです。

 そして、そうした機会がやってきたら、「今度は◯◯さんから、買いますよ」となるのです。真面目に定期訪問を続けていたら、きっとチャンスは与えられるのです。それを一度の商談結果で諦めてしまうから、仕事がもらえなくなる。

 営業マンには、次の2つを報告するように指導してください。

 ・お客様に言われたこと

 ・競合会社について見たり、聞いたりしたこと この2つは、社長が知るべき優先的な情報になります。

 「何時から何時にどこの会社に行きました」のような日報がありますが、そうした内容に意味はありません。  

 上記の2つだけを報告するように義務付ければ良いと思います。ここに大きなヒントが隠されています。  受注等はまた別の形式で報告するようにすればよいのです。

 

ノンカスタマーに注目せよ

 もう一つ重要なことは、市場の変化の最初の兆候は、非顧客(ノンカスタマー)に現れることです。

 ノンカスタマーの関心が今どこにあるのかを研究するようにしてください。ノンカスタマーとは、本来わが社の顧客なってもおかしくないのに、顧客になっていない人のことです。ノンカスタマーに市場の変化の兆候が現れます。

参考

飛び込み営業のポイント

 飛び込み営業の一つ目のポイントは、事前に集めた「情報」が仕事で役立つ「知識」になっているかどうかにある。

 単に情報を集めるだけでなく、「どのような順序で伝えるのがよいか」「この情報は、どんな人の役に立つだろうか」など、得た情報を実際に使える状態に練り込むプロセスが必要です。ここで、「相手の役に立つ」という視点を持つことが、その営業マンへの信頼につながる。

 もう一つ、プロの営業マンが大事にしているのは、営業を終えた後の検証である。契約が取れたか否かという結果だけではない。営業中の自分の言葉や相手の反応を振り返り、検証する時間を取る中で教訓を得ている。

 こうした地道な努力を積み重ねていく中で得た「智慧」が、次のお客様の対応をするときに活きてくるの。

 「どうしたら人の役に立てるか」を常に考え、日々智慧を磨いていることがプロの営業マンの姿勢と言える。

 

営業でやってはいけないこと

 商品を勧める際、営業マンは自分の売りたい理由でセールスしがちです。そうではなく、その商品が お客様に どんなメリットがあるのかを話せるようにしておく必要があります。パンフレットの受け売りや、上司に言われたことを言うだけでは売れません。まず、自分自身が その商品に自信を持ち、好きになることが大切です。

 お客様のニーズは お客様自身が教えてくれます。

 例えば、お客様の持ち物を褒めると、不思議と自分が買った商品をけなすことがあります。そのけなすポイントに、お客様のニーズが隠れています。

 また、営業マンとして商品知識が豊富になると、お客様の誤解や ご存知でない部分が分かるようになります。ここで上から目線で教えるように話すと失敗します。逆に教えてもらう姿勢で、お客様に「勝った」と思ってもらえるように受け答えしたほうが好印象でしょう。

 

「相手の立場に立つ」の真意

 

 実際の営業では、相手のニーズをいかに引き出すかが重要です。本人が自覚していないニーズを引き出すことができれば、そのお客様は営業マンを頼りにしてくれるため、話がまとまりやすいのです。自分のニーズを自覚しているお客様の場合、すでに情報を集めているため、商談はまとめにくくなります。潜在ニーズの発見がいかに重要か分かります。

 一般的に、「相手の立場に立つ」ことが大事だとよく言われますが、字面通りに解釈すると、「値段が高いものは勧められない」という程度の理解にとどまってしまいます。しかし、「相手の立場に立つ」とは、お客様の理想を想像することなのです。

 営業マンは、相手のニーズを発見する前に、自分から早合点して勝手に諦めてしまうことがかなり多い。断られるのが怖いと お客様との会話にも集中できません。

 商品やサービスを通して、どうお役に立ちたいのかを伝え切るまで自分から話を打ち切らなければよいのです。

 モノやサービスを「売ろう、売ろう」と意気込むあまり、緊張したり考え過ぎたりして、成果が思うように出せない販売員はたくさんいます。こうした方は、まずお客様を「ハッピーにしたい」という思いを持つ必要があります。

「断られたくない」「自信がない」「ノルマを達成しなければ」などと自分のことばかり考えれば緊張します。

 一方、相手の視点に立てば、自信の有無などを越えて緊張しなくなります。「お客様にどのタイミングで話しかければよいか」と悩む方もいますが、基本的には挨拶だけで十分です。話しかけられることで、かえって迷惑に思うお客様もいます。お客様を観察し、接客が求められれば、すぐに駆けつければよいのです。

 接客では、もちろん商品知識を身に付けておくことは前提です。リピーターが相手となれば、さらなる工夫が必要でしょう。

 例えば、お客様の家族構成や趣味などの情報をできるだけ多く記憶する。小さな子供連れなら、遊べるスポットなどの周辺情報を調べて教えてあげたり、映画好きのお客様にオススメの映画を聞いて、チェックしておくのも手です。次に来店された際、その感想を伝えれば、相手は、関心を持たれていると好印象を抱くでしょう。

 

相手の長所を瞬時に見つける

 消費増税の影響が心配されていますが、それはどこも同じです。加えて、店舗の立地や価格での差別化も難しい小売業であるならば、販売のコミュニケーションこそ磨くべきです。

 そこで、是非実践してもらいたいのは、お客様の長所を見つけることです。それも、会った瞬間に見つけられるように心がけてください。服装などの外見を褒めてもいいし、予想でも構わないので、「優しそうですね」と伝えるのもよいことです。1週間ほど続ければ習慣化できます。「このお客様は合わないな」と思えば、それは相手に伝わり、お互いが身構えます。「人間関係は鏡合わせ」と言いますが、まさにその通りです。

 「店を気に入ってもらいたい」と思うよりも、まず相手を好きになることです。その際、長所の発見が当たっているかどうかは、必ずしも重要ではありません。相手を好きになろうと努力すること自体が大事であり、それによってお客様は自ずと心を開いてくれます。

 しかし、コミュニケーションで好印象を与えても、商品を勧められず、機会損失してしまう販売員もいます。

 例えば、美容師なら、お客様の髪の毛が痛んでいると分かったら、それに見合ったシャンプーを多少価格が高くても、プロとして勧めるべきです。それは、押し売りでも何でもなく、相手にもっと素晴らしくなってもらうためです。プロの目で見て気づいたならば、それは勧めるべきなのです。その結果、信頼され、客単価も上がるわけです。

 

第三者の視点で店を見直す

 接客以外にも、お客様が入店しやすい環境を整えることが大事です。

 店員が気づかないだけで、お客様はストレスを感じるものがあります。店内の様子が見えづらい、出入り口が汚れている、値札が見えづらい、店員の表情が硬いなど、お客様にストレスを与えるものは改善すべきです。

 そのためにも、自分がお客様になったつもりで、自分のお店を振り返る必要があります。

 また、店ではいろいろなイベントを開くと思います。普段入ってこないお客様を呼び込むため、リピーター客に新商品を紹介するため、複数の商品を同時にPRするためなど、様々な目的があるはずですが、結局その成否を売上だけで判断しがちです。

 しかし、売上に直結しなくても、良好なコミュニケーションを取れれば、お客様は再来店しやすくなります。売上を気にするあまり、お客様の反応の変化を見失ってはなりません。

 不採算店舗であっても、「目の前のお客様を喜ばせよう」と真剣に考えて工夫すれば、必ずお客様は来てくださるようになります。

 

警戒する相手の意表を突く

 お客様の思考は、入店前と入店後では大きく異なります。

 お客様がお店に足を踏み入れれば、「店員に商品を勧められても不思議ではない」と考え、一種のバリアを張ります。これをいかに解くかが鍵です。

 有効な手段は、例えば、自分からお客様に買い物カゴを渡すことです。そうすれば、お客様と会話するチャンスが生まれ、紹介したい商品をその場で説明できます。

 その際の反応の善し悪しで、商品を勧めるべきか否かを判断できるので、効率も良くなります。たとえ断られたとしても、カゴを渡されたお客様は、自然と店内の商品に手が伸びます。お客様のバリアを外すためには、意表を突く工夫をするべきです。

 

店づくりは「兵法」と同じ

 ・初めて入ったお客様のつもりで、店内を見直し改善する。

 ・「汚い」「暗い」「値段が分からない」という、お客様が感じるストレスを減らす。

 ・お客様の店内の歩き方にはパターンがある。それを予測し、商品棚の配置や店員の立ち位置を決める。

 ・人の目線は、「Z」のように左上から右下に動く。商品の陳列はそれを利用する。

・暇になれば掃除などして、とにかく体を動かす。店内の空気を動かせば お客様は入店しやすくなる。

 

「戦わずして勝つ」観察眼

 ・お客様の後を追いかけない。接客が求められれば、すぐに応じられる距離を保つ。

 ・表情だけでなく、手足の動きも見る。足を反対側に向けている人は、会話をしたくないサイン。

 ・一人ひとりの顔を見て、挨拶をする。その反応を見て、アプローチのやり方を工夫する。

 ・お声がけは、お客様が商品を見つめている時など、タイミングを見極める。

 ・接客での出来事を「人間観察レポート」にまとめ、感性を磨く。

 

「幸福感・充足感を満たす」接客

・出会った瞬間に相手の長所を見つけて、褒めてみる。

・必要以上に相手に話しかけない。挨拶だけで十分なこともある。

・趣味や仕事、家族構成などのお客様の情報を多角的に集め、お客様に役立つ情報を仕入れておく。

・お客様がイメージできるように、擬音語を使うなどして商品の魅力を端的に伝える。

・購入の主導権は異性のパートナーや子供にもある。連れ添う人も巻き込んだ会話をする。

・男目線と女目線をともに頭に入れ、異性の感じ方を伝える。

・「おそらく」「多分」「思います」という漠然とした受け答えは、相手を不安にさせるので使わない。

 

「利他」のマインド

 ・自分のノルマではなく、お客様の幸せを第一に考える。

 ・売れない理由は、商品ではなく「自分にある」と思って振り返る。

 ・商品の値段や価値を判断するのは お客様。自分の先入観で見ない。

 ・お客様が千差万別であることを理解する。そうすれば、接客はワンパターンにならず、マンネリ化もしない。

 

商品を知り尽くした「提案営業」

 ・お客様がより良くなる商品ならば、自信を持って提案する。

 ・商品に愛着が持てるように長所や魅力を見つける。

 ・商品知識を学ぶことは前提。在庫状態も常に知っておく。

 ・「この商品を買う人には、これがオススメ」というように、トータルコーディネートを考えておく。

参考

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