時間は一人ひとりに与えられた人生の資源

時間は有限の資源である

 「時間を縮める」あるいは「回転率を上げる」という方法は、成果を大きくする方法である。

 究極のタイムベース・マネジメントは、「一日一生」「一日の苦労は一日にて足れり」ということである。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『社長学入門』で以下のように説かれました。

「時間は有限の資源です。誰にとっても一日は二十四時間であり、組織で働いている人たちの時間を総計しても、人数分以上に増えるものではありません。
 しかし、発展性の高いものは、どれもみな、常に、「どのようにして時間を縮めるか」というところに視点があります。時間を縮めることによって、発展するのです。
 例えば、新幹線ができたことによって、日本のGDP(国内総生産)がそうとう膨大なものになったのは事実です。それは、一日にできる仕事の範囲が非常に広がったことを意味しています。東海道を寝台車で下らなければならなかった時代、あるいは、歩いていかなければならなかった時代に比べて、GDPが増大した理由は、移動の時間が縮まったことにあるのです。
 「時間を縮める」、あるいは「回転率を上げる」という方法は、成果を大きくする方法です。
 季節商品というものがありますが、「夏のもの、夏の商品は、夏になったらつくる」ということだけならば、一年のうち、あとの季節は手が空いている状況になります。
 「一年のうち、夏にしか生産活動や販売活動を行わない」という考えもあるかと思いますが、夏のものであっても、冬の間につくることのできるものもあります。例えば、「アイスクリームは夏につくるもの」と考えているかもしれませんが、冬につくって、それを保存しておいてもよいわけです。こういうこともありえます。
 時間の観点で行うと、いろいろなことが変化してきます。
 「どのようにして時間を縮めていくか。どのようにして仕事速度を速めていくか。成果を出すまでの時間を、どのようにして速くするか」ということは、主として、次の成果を生むためのプロセスになります。一つのことが解決しないと、なかなか次のことには取りかかれないものですが、時間の部分を縮めると、それだけ次の仕事に早く取りかかれるのです。
 究極の「タイムベース・マネジメント」は、「一日の苦労は一日にて足れり」ということです。「一日一生」という言葉がありますが、「その日のうちにできることは、その日のうちに全部やってしまう」ということです。
 これは大事なことであり、「時期が来なければ働かない」「ほかの事情があってできないので、今日はしない」などということは、「タイムベース・マネジメント」から外れていることなのです。
 「いかにして、時間を縮めていくか。いかにして、やり方を短縮していくか」ということが大事です。
 時間を縮めることは、同時に、時間を生み出すことになります。例えば、ある場所へ行くのに、新幹線なら三時間かかるけれども、飛行機なら一時間で着くとすれば、二時間分を余分に働けるようになるわけであり、その分の時間が生み出されたことになるのです。」

 

時間は大事なことだけに使う

 人生の時間は、自分がいちばん魂に響きを感ずるもの、意味を感じるもののために、傾斜配分していかないといけない。

けれども、それだけではいけない。

 魂の経験を積むためにも、また、まわりの人に影響を与えるためにも、2割は、自分の関心のないものにも時間を使う必要がある。

 総裁は、『リーダーに贈る「必勝の戦略」』で以下のように説かれました。

「みなさんは、「自分の一日の時間は二十四時間であり、自分の才能には限られた面がある」ということを、まず知らねばなりません。
 そして、そのような制約のなかで数十年の人生を生きていくならば、自分がいちばん魂に響きを感ずるもの、自分自身の内を見たときに内部理想を感ずるものに、時間を振り向けていかねば損なのです。
 「自分は無限の才能を持っている」と言える方は結構ですが、そうでない方は、やはり、自分のいちばん大切だと思うこと、いちばん意味を感じることに、自分の時間という資源を傾斜配分していくことが大切です。これが人生の成功の鍵であると私は思うのです。
 前述のとおり、私は以前、商社に勤めていたので、いろいろなことは一通り経験してきました。ただ、そこで、「のめり込まない」ということが、非常に大事なことであったわけです。
 「本業に八割、そして、それ以外に二割。その二割のなかで経験は広めるけれども、自分にそれほど才能がないと思えば深入りはしない」
 私は、こういう主義でやってきました。基本的には、やはり、「中心部分を押さえる」ということが大事なのです。こうして中心部分を押さえたときに、それが無限の成功への道につながっていくのです。
 人間は、自分がいちばん価値を感ずるものには、継続した努力をすることが可能です。それをうまずたゆまず、五年、十年、二十年と続けていくことが可能なのです。しかし、自分が価値を感じていないものに関しては、長く続けることができないのです。
 したがって、人間として、この世に生を享け、「自分の個人としての力量には限られたものがある」と自覚することを前提とするならば、みなさん一人ひとりが成功していくためには、「自分の最高のものを引き出す」ということから、断じて目を背けてはなりません。
 一日が二十四時間しかない以上、やはり、「この二十四時間のなかで、いかに最高度の人生を生きるか」ということを考えていくのが筋です。「これが一つの現代的中道のあり方である」ということを、私は、いま述べているのです。
 そして、自分を磨くほどに影響力が増してこなければいけません。
 人生の時間のなかには、無駄と思われるものもあるかもしれませんが、そのなかからも、魂を磨く経験の部分をつかみ取っていく必要があるのではないでしょうか。
 自分の主たる関心でないものに百パーセントを使ってしまう人生は愚かです。しかし、百パーセント、自分だけの人生で生きてもいけないのです。なぜなら、「他の人々へ影響を与える」という時間を失ってしまうからです。
 やはり、「自分というものを固めていき、そのなかで、徐々に徐々に自分の影響力を出し、他の人々へ影響を与えていく」ということが大事なのです。」
(119~122ページ)

 

時間を活かす

 人が時間をいちばん無駄に使うのは、自分が有益だと信じていることにおいてである

 総裁は、『仕事と愛』で以下のように説かれました。

「時間を活かすにあたっては、それを浪費しないというところに出発点があるのです。時間を砂金のごとき重要なものだと思って、自分の指のあいだからいたずらにこぼれ落ちるのを防ぐことが大事です。あるいは、その砂金の粒の一つひとつを、ほんとうにすばらしい金色に光らせていくことが大事なのです。
 さて、一日をふり返ったとき、いちばん無駄に使われているのは何の時間だと思いますか。睡眠という人もいるでしょう。食事という人もいるでしょう。入浴という人もいるでしょう。
 しかしながら、私があえてみなさんに申し上げるならば、食事や睡眠などの生活必要時間というものは、無駄なように見えて、意外にそうではないものなのです。それは生理的な欲求であって、それを無視しては、必ず手厳しい報復が待ちかまえているからです。
 そうではなくて、みなさんが無駄に使っているのは、むしろ、みなさんの仕事の時間、あるいは勉強の時間だと思います。これが、数十年にわたって考えつづけてきた私の結論です。
 人が時間をいちばん無駄に使うのは、無益なことにおいてではなく、自分が有益だと信じていることにおいてです。価値あること、値打ちあることをしていると自分では思っていることのなかに、いちばんの無駄があると思います。
 これは非常に逆説的に聞こえることでしょう。しかし、人生の大部分を過ぎて、人生のたそがれどきを迎えている人たちには、私の言葉がどれほど真実に満ちているか、お分かりのことと思います。
 みなさんが自分の人生を後悔するのは何のためでしょうか。多くの睡眠時間を伴ったからでしょうか。長々とした食事時間を伴ったからでしょうか。余暇にテニスをしたり、ゴルフをしたり、水泳をしたりしたからでしょうか。そうではないでしょう。
 みなさんの後悔の主たるものは、みなさんの人生の大部分を貫いている仕事にあるのではないでしょうか。あるいは、みなさんが数十年にわたって学んできた勉強そのもののなかにあるのではないでしょうか。仕事のなかに、あるいは勉強のなかに実りが少なかったということ、そこにいちばん多くの後悔があるのではないでしょうか。」
(170~172ページ)

 1日24時間という黄金の時間は、誰もあなたから奪うことができない貴重なものであって、これは仏が人間に与えている最大の慈悲でもある。

 この砂金のごとき重要な時間を活かすのには、浪費しないのが出発点であるが、1日を振り返ったとき、いちばん無駄に使われているのは、仕事の時間や勉強の時間である。

 逆説的ではあるが、人が時間をいちばん無駄に使うのは、無益なことにおいてではなく、自分が有益だと信じていることにおいてである。

 大川隆法総裁は、『仕事と愛』で以下のように説かれました。

「時間は貴重なものです。そして、誰もあなたから奪うことができないものなのです。あなたが、たとえ、どのような拷問に遭おうとも、どのような状況に置かれようとも、一日の二十四時間は、あなたに与えられた黄金の時間であり、永遠のダイヤモンドであって、この値打ちをあなたから奪うことは誰にもできないのです。
 これが、仏があなたに与えている最大の慈悲でもあると言えましょう。
 みなさんが擁している時間は、どのようなもので成り立っているでしょうか。まず、これを考えてみていただきたいのです。自らの時間を、どのようなもので浪費しているでしょうか。
 時間を活かすに当たっては、「時間を浪費しない」というところに出発点があるのです。時間を、「砂金のごとき重要なものだ」と思って、自分の指の間から、いたずらにこぼれ落ちるのを、防ぐことが大事です。あるいは、その砂金の粒の一つひとつを、本当に素晴らしい金色に光らせていくことが大事なのです。
 さて、一日を振り返ったとき、いちばん無駄に使われているのは何の時間だと思いますか。「睡眠」と言う人もいるでしょう。「食事」と言う人もいるでしょう。「入浴」と言う人もいるでしょう。
 しかしながら、私が、あえて、みなさんに申し上げるならば、食事や睡眠などの生活必要時間は、無駄なように見えて、意外にそうではないものなのです。それは生理的な欲求であり、それを無視しては必ず手厳しい報復が待ち構えているからです。
 みなさんが無駄に使っているのは、むしろ、みなさんの仕事の時間、あるいは勉強の時間だと思います。これが、数十年にわたって考え続けてきた私の結論です。
 人が時間をいちばん無駄に使うのは、無益なことにおいてではなく、自分が「有益だ」と信じていることにおいてです。「価値あること、値打ちあることをしている」と自分では思っていることのなかに、いちばんの無駄があると思います。
 これは非常に逆説的に聞こえることでしょう。しかし、人生の大部分を過ぎて、人生の黄昏時を迎えている人たちには、私の言葉がどれほど真実に満ちているか、お分かりのことと思います。
 みなさんが自分の人生を後悔するのは何のせいでしょうか。多くの睡眠時間を伴ったからでしょうか。長々とした食事時間を伴ったからでしょうか。余暇に、テニスをしたり、ゴルフをしたり、水泳をしたりしたからでしょうか。そうではないでしょう。
 みなさんの後悔の主たるものは、みなさんの人生の大部分を貫いている仕事にあるのではないでしょうか。あるいは、みなさんが数十年にわたって学んできた勉強そのもののなかにあるのではないでしょうか。「仕事のなかに、あるいは勉強のなかに、実りが少なかった」ということ、そこに、いちばん多くの後悔があるのではないでしょうか。」
(154~159ページ)

 

「1日24時間」をどう使うかによって、人生の成功や失敗は決まる。そして、時間という、神様が与えてくれた「人生の資源」を最大限に生かすこと、つまり、時間の価値を高めることは、成功そのものだと言える。では、時間の価値を高めるとはどういうことだろうか。

 大川隆法総裁は、著書『人を愛し、人を生かし、人を許せ。』の中で次のように述べている。

「ほんとうの意味での幸福が、自分を無限に有用で役に立つもの、真に素晴らしいものだと感じ、自己の拡大感、発展感を味わうことだとすれば、多くの人の役に立つ人間になっていくことのなかにこそ、幸福感があって当然なのです」

 これを時間の観点から言えば、いかに多くの人の役に立つかが、時間の価値を決めるということでしょう。

 短い時間内に多くの仕事が同時並行的にでき、それぞれの仕事が人の役に立つなら、その分あなたの時間の価値は高まっていく。より多くの人に届き、より遠い未来へと続く仕事をしようと思ったとき、時間の価値を高める工夫にゴールはない。

 

大きな仕事を遺す生き方

 アメリカ建国の父であるベンジャミン・フランクリンは、自ら考えた「節制」や「沈黙」など、13の徳目を、週替わりで1つずつ実践したと自伝に記している。

 総裁の超人的な仕事の根底にあるのは、「今日一日を、何かをなさずには終わらない」という姿勢である。著書『「経営成功学」とは何か』の中には次のような一節がある。

「『自分は、今日一日を生きた証として、いったい何を積み重ねられたか。一歩前進したか』ということを考えられる人は、どうあっても、結果的に見れば、『大きな仕事』を必ず遺すのです」

 一歩前進しようとする毎日の努力は、あなたの給料アップや出世だけではなく、人類全体の幸福に役立つ大きな仕事にもつながっていく。「時間がない!」自分とおさらばし、今日から人生の時間密度を高め、着実に成果を出していこう。

参考

朝の時間を有効活用する

 アーノルド・ベネットによると、「朝の1時間は夜の2時間以上の価値がある」といいます。朝の45分を有効に使えば、昼下がりの90分に相当する勉強ができるかもしれません。

 ある調査によると、一般的な成人は午前6時前後に起床するが、その3時間後の9時までにやることは、シャワーを浴びて出勤するくらいだといいます。

 一方、世界的企業のCEOも、自分だけの時間が取れる早朝に読書をしたり、良質なニュースをチェックしたり、優先順位の高い事業計画の構想を練るなどの知的習慣を持っています。朝、会社に行く前に勉強などをする「朝活」も一時期ブームになりましたが、成功者は朝の時間をうまく活用しているようです。

 早朝は「意志の力が最も高まる時間帯である」と言われています。実際に「夜よりもポジティブに考えられる」と感じる人は多いでしょう。私もそうです。早起きすることを習慣化すると、意味もなく夜更かしすることもなくなり、好循環です。朝の時間の使い方を振り返り、この中に知的時間を組み込めないか、考えてみましょう。 

 自分の時間を自分だけのものだと思うと、無駄に使ってしまうこともあります。しかし、自分の時間は「神仏から預かっている大切な時間だ」と考えると、今まで以上に大切に使うことができます。これから、1日90分の知的時間を取る習慣で、「知的成功者」を目指して行きましょう。

参考

人生と真理 へ

「仏法真理」へ戻る