先入観を取り除く

 『自由論』の著者で、イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルも、「先見とは、因果関係を理解することだ」と述べた。

 原因があり、必然的に結果が出て、その結果がまた次の原因となる。物事の先を見通すためには、この連鎖を一つずつ、見通していかなくてはならない。

 ある原因がどのような結果を生むかを判断するには、それなりの勉強や経験が必要となる。常に時代の流行の変化に注意を払ったり、その業界の歴史を学ぶことも大切だろう。

 もし、物事を見通した時に、得られる結果が望ましいものでなければ、現在の原因を変えればよい。

 ビジネスに限らず、人間関係や、政治、経済、国際的な問題に至るまで、原因・結果の連鎖を見抜くことで、「その先」が見えてくるのです。

 情報を正しく見る大前提は、素直で、謙虚であることです。もちろん素直すぎると間違った情報も受け止めてしまうので、そのために正しい判断基準をつくることが必要です。

 その基準をつくるには、良書、中でも仏教書や論語、聖書など長く読み継がれ、普遍的な価値を伝えるものを読むことです。

 論語は「義」を説きますが、これは世の中のためになること。反対に「利」とは、自分だけ儲かればいいということ。「先義後利」という言葉がありますが、意外に世の中には利を優先させている人が多い。

 普遍的な価値観に支えられた信念を持てば、それに抗う勇気やエネルギーが出てくる。

 

先入観を取り除く

 「原因・結果」の連鎖を見抜くために重要なのが、「物事の原因をどう認識するか」ということだ。先入観を排して原因の部分を見なければ、一歩目でつまずくことになる。他人の主張を鵜呑みにせず、「白紙の目」で、ありのままに世界を見ることが重要です。

参考

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