情報戦を制せよ

 戦力は、ビジネスにおいては資金力であったり、社員のスキルであったりします。例えば、新規事業に参入しようとすれば、経営者は事業計画書を策定します。勝算(=ビジネスでの成功)の見込みを立てるには、自社の競争力、ライバルの動向などマーケットの状況をつぶさに調査しなければなりません。

 また、戦場においては、戦闘がビジネスで新規事業をスタートさせたときは、市況などが刻一刻と変化していきます。指揮官はその状況を見極めながら、臨機応変な対応を取らなければなりません。戦い方を変えなければならないこともあれば、時には撤退も考えなければなりません。そういった判断を正しく下すには「情報力」が必要です。

 戦略を立てるには、戦況やマクロ環境の情報をいかに集めるかというのが重要になります。

 ただし、単に調べものをすることだけではありません。戦う相手も同じように情報を集めているのですから、まさに「情報戦」を勝ち抜く必要があるのです。それゆえ、強くとも敵には弱く見せかけ、勇敢でも敵には臆病に見せかけ、近づいても敵には遠く見せかけ、遠方にあっても敵には近く見せかけ、敵が利を求めているときにはそれを誘い出し、敵が混乱しているときはそれを奪い取り、敵が充実しているときはそれに防備し、敵が強いときはそれを避け、敵が怒りたけっているときはそれをかき乱し、敵が謙虚なときはそれを驕りたかぶらせ、敵が安楽であるときはそれを疲労させ、敵が親しみあっているときはそれを分裂させる。こうして敵の無備を攻め、敵の不意をつくのである。

 競争に勝つには、したたかな駆け引きが必要である。経営とは、良い意味で相手を欺くことであって、相手の考えていないことを考え、新たな価値を生み出すことで驚きを与えるものでなくてはならない。当り前のことができていないのでは話にならないが、当り前のことを当り前にやっているだけでは、儲けることはできない。差別化差異化独自性と考えれば、企業経営においても必須であることが分かる。

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