経営者が宗教に学ぶ

 松下電器(現・パナソニック)を創った松下幸之助は、天理教を視察して開眼し、「松下七精神」を制定して、宗教のスタイルを企業経営に生かしていったというエピソードが説かれています。

 「松下七精神」とは、産業報国、公明正大、和親一致、力闘向上、礼節謙譲、順応同化、感謝報恩、の7つの精神だそうです。

 漢字が並んで、今の人にはちょっとむずかしい感じですが、これが松下電器の根本的な理念として、社員たちに共有されて行った結果として、社員数30万、売上高が10兆円にも及ぶような、一大企業が生まれて行った、ということができそうです。

 今の企業は、今の時代の言葉で、自分たちの「根本的な哲学」を考え抜いて提示することが、企業発展のための秘訣であるのだと。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『リーダーに贈る「必勝の戦略」』で以下のように説かれました。

「企業活動をしている人々、経営者や管理職、あるいはビジネスエリートたちにとっても、宗教から学ぶべきものはあるでしょう。
 それでは、いったい、どのようなものを宗教から学ぶべきなのでしょうか。
 宗教に学ぶ「経営の原理」の一番目は理想や信念です。宗教において至るところに満ち溢れているものは、理想や信念なのです。
 宗教は、「かくあるべし」という理想の塊のようなものです。「ユートピア」と言ったり、「仏国土」と言ったり、「理想郷」と言ったり、言い方は、いろいろありますが、宗教活動というものは、基本的には、仏の国づくり、神の国づくり、ユートピアづくりであり、そういう理想を目指しているものなのです。
 さらに、その理想を実現しようとする人々は信念の塊です。「これは絶対の善である」「これは絶対に正しい」「これは成し遂げねばならないことだ」という、強い使命感に裏づけられた人々なのです。それが宗教に生きる人々です。
 この部分は、薄められたかたちであっても、企業活動のなかに取り入れるべきものであろうと思います。
 その理想が本物であれば使命感が出てきます。
 したがって、まず、自分の会社において、宗教的な理想や使命感にも似たものを、何らかのかたちで考え出さなければいけないのです。「自分の会社を通じて何ができるか。仏国土ユートピアづくりに、いかなるかたちで参画することが可能であるか」ということを、とことん考え抜くべきです。
 経済の原理からいっても、基本的に、世の中の役に立たないものは消えてなくなり、人々の役に立つものが残っていくことになるので、この「根本的な哲学を考え抜く」ということは非常に大事なことなのです。」
(28~31ページ)

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