霊的世界から見た「勤勉の精神」

 背中に薪を背負って本を読む二宮金次郎の像は、日本人の勤勉さの象徴として、全国の小学校に設置されていました。このブームは、小説家・幸田露伴が書いた『二宮尊徳翁』をきっかけに日本中に広がったと言われます。

 昨今、「働き方改革関連法」が順次施行されていますが、巷では「働かない改革」と揶揄され、日本経済が失速するという懸念さえ叫ばれています。
勤勉さは日本人の美徳の一つです。勤勉に努力することが、富や成功を引き寄せる王道である。

 幸福の科学大川隆法総裁は、以下のように説かれました。

「デフレの時代を、もうちょっと感覚的に言うなら、それは「昔返り」であり、タイムスリップして、二十年前、三十年前に戻るような感じです。
 その感覚をつかんだなら、やるべきことは何かということですが、知っておかなくてはならないのは、「楽をして、高収入を得ていたようなもの、楽をして、高い値段で高い売り上げを得ていたようなものが、駄目になる」ということです。
 「根性」「勤勉」「熱意」「努力」が道を開く時代なのです。これがデフレ時代の正攻法なのです。
 智慧が特に出ないならば、八時間労働は十時間労働に、十時間労働は十二時間労働に変えて頑張らないと、未来は開けないのです。「まだ八時間労働で楽をしているところは、潰れていくけれども、十時間労働に変えて二時間余分に頑張っているところは、潰れずに済み、潰れたところのシェアまでもらえるようになる」ということが見えるわけです。」
(『智慧の経営』)

「まず、「自分は勤勉かどうか」を問うてください。社員全体が勤勉な会社は、不況期でも熱気があり、元気であることが多いものです。一方、会社が傾いてくるときには、たいてい、怠け者が増えてきます。
 したがって、今、自分の置かれている立場がそれほど高いものでなくても、常に、全社的な問題や経営の問題に関心を持ち、いろいろなものをいち早く察知しようと努力すると同時に、自分の与えられた持ち場のなかで、勤勉な努力を積むことが大事です。
 これが、不況期全般にわたってリストラされず、しかも、場合によっては、不況にかかわらず昇進していくための最低限の条件なのです。」
(『不況に打ち克つ仕事法』)

「一般的には、勤勉な努力家であることが大事です。これを一番目に言っておきたいのです。勤勉な努力家としての生活信条、生活態度を持っていない人に降りてくるインスピレーションには、気をつけなければいけません。そういう人は“悪いもの”に影響を受けることがあるからです。
 そういう悪いインスピレーションを受けないためには、どうすればよいかというと、やはり、仕事や勉強において、誠実で勤勉な生活態度を持つことです。それが自分を護ることになります。
 「生活態度を正し、正当な努力・精進の習慣を確立することは、インスピレーションを受ける前提として非常に大事である」ということを言っておきます。」
『創造の法』)

「「勤勉に働いたり、創意工夫をしたりして、大きな富をつくる人たちや、会社を経営して成功する人たちを、憎んだり、嫉妬したりする」というカルチャーをつくると、人々は、ほかの人から嫉妬されたり憎まれたりすることを嫌がり、富や成功を手に入れないようにしようとし始めます。
 その結果、その社会は、低いレベルで、平準化、標準化してきます。
 国家の財政赤字は、こういう理由で起きてきます。税金を集めても、その使い方が悪いために、国を豊かにすることができません。国を豊かにする使い方ができないので、実は財政赤字になっているのです。会社の場合も同じです。赤字は社長一人でもつくれます。結局、勤勉で、富の創造を肯定する思想を持っていなければ、やはり、豊かにはなれないものなのです。」
(『繁栄思考』)

 日本人のもつ勤勉の精神は、かつて戦後の苦境から奇跡的な高度成長期を生み出したことは間違いない。未だ脱却できずにいる現在のデフレ時代において、「勤勉」や「熱意」が道を開いていきます。さらに、日頃の誠実で勤勉な生活態度が悪いインスピレーションを遠ざけ、自分の運命を良い方向へと導くのです。

「私は、あなたがたに、明らかに言っておきたいのです。「勤勉に働く人たちが意欲を失うような社会は、神仏の願う社会ではない」ということを——。この地上は、困難に満ち満ちています。しかしながら、そのなかで、智慧と汗を絞って未来を切り拓いていくことこそ、人々に課せられた責務であるのです。
 あなたがたは、世を照らすために生まれてきたのです。「自分自身を照らし、他の人々を照らす」という目的のために生まれてきているのです。
 天国へ通じる道は、茨の道です。あなたがたは額に汗し、智慧を絞り、共に手を携えて一生懸命に努力しなければ、その茨の道を歩んでいくことはできないのです。」
(『未来への国家戦略』)

「最初から、インスピレーションに頼っては駄目です。まずは、人間として、やれるだけのことはやらなければなりません。
 まず、仕事レベルでは、考えられる手を一通り考え、一つひとつ詰めておくことです。当然、いろいろな人の意見も聴きながら、「こうしたら、どうなるのか」ということを、一通り、詰められるだけ詰めておく作業が必要なのです。
 その次には、やはり、「ひらめき」がなければ駄目です。要するに、「どちらのほうが、自分たちの会社や組織が生き残り、発展していける『生き筋』なのか」というインスピレーションやひらめきに、命を懸けるつもりでなければいけないのです。」
(『未来創造のマネジメント』)

「勉強をしていると、悪魔等が近寄りがたくなる面もあると述べました。この勉強において一定の「精進の気持ち」が加わると、さらによいと思います。特に、精神性の高いものや、道徳性・倫理性の高いものなども織り込みながら勉強することが大事です。
 二宮尊徳的な「積小為大」の考え方を持って、勤勉に働いていくのは大切なことです。
 やはり、コツコツと勤勉に誠実な仕事をする人、「世の中のためになる」ということを願いながら仕事を積み上げていって、成功を目指していくような人は、はっきり言って、悪霊が付き合いたくないタイプなのです。地獄の悪霊たちは、こういうタイプが極めて苦手です。」
(『真実の霊能者』)

「魂というものは本質的に勤勉にできているのであり、怠けるようにはできていないのです。だからこそ、ときどき、休みたくなり、さぼりたい気持ちにもなるのですが、そうした怠惰な気持ちでは長い年月を耐えられないようになっています。
 すなわち、魂は本質において生産的であり創造的なのです。これが魂の性質です。「私は仕事がきらいだ」という人は多いのですが、そうした人たちから実際に仕事を奪ってみると、彼らはまた困るのです。
 魂そのもののなかに熱心に仕事をする勤勉さという面があるのですから、人間はやはり向上を目指していくしかないのです。不完全な仕事ばかりしていて満足できる人はいないのです。魂が満足し、やすらぎや喜びを得るためには、より完全な仕事を目指して努力していかねばなりません。そうした意味において、魂というものは、あるいは人間の本質というものは、永遠の旅人なのです。」
(『永遠の法』)

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