長くトップを続けるコツ

 頭のよすぎる人は人が使えない。指導者としてある程度の頭のよさは必要だが、よすぎないぐらいがよい。

 人間には、適当な取りこぼしが要る。「大きなところだけきちっと押さえて、あとはちょっと目こぼししてやる」ぐらいで接すると、人は温情を感じて奉仕してくれる。

 トップは少し抜けたところがあって茫洋としていないと組織は大きくならない。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『新・高度成長戦略』で佐藤栄作元首相の言葉(「霊言」)を次のように伝えておられます。

「まあ、君ね、基本的に、「頭が悪い」っていうのがいちばんなんだよ。頭のいい人は短いよ。すぐ終わっちゃう。うん。花火みたいに弾けて終わりだ。やっぱり、基本的には、頭の悪さが長期政権を生むんだよ。
 私は、三兄弟のなかで、いちばん頭が悪かった人間だからね。いちばん上が、いちばん頭がよかったんだよな。海軍兵学校に行ったのが、いちばん頭がよくて、二番目に頭がよかったのは、岸信介兄貴だな。わしがいちばん頭が悪くて、劣等感にずいぶん悩んだよ。
 五高から、よたよたで東大に入って、よたよたの成績で卒業して、よたよたの官僚をやって、兄の七光もあって、何とか運輸次官にまでなったんだよ。
 だけどね、勉強ができなくたって、そんなに悩むことはないんだよ。兄の総理在任は三年四カ月ぐらいだ。わしは、七年以上やったからな。
 頭の悪い分、薄めて長くやりゃあ、できないことはないんだよ。「活発にやらん」ということだよ。「粘る」っていうことが大事だ。頭の悪さを忍耐力に変えて、「忍耐」と「寛容」の精神でもって粘り抜くことが大事なんだな。そうすりゃあ、いろいろ道が開けることもあるのさ。
 「自分は頭がいい」と思っている人は、だいたい短いからな。頭が悪いほうがいいんだ。頭が悪くて、遠回りしたり粘ったりしたような人が、長持ちするんだ。まあ、“異次元発想”でうまくいくこともあるんだよ。
 あんまり、秀才すぎるのは駄目だよ。トップは、少し抜けたところがあって茫洋としていないと、組織は大きくならんからな。
 人間には、適当な取りこぼしが要るんだ。「大きなところだけ、きちっと押さえて、あとはちょっと目こぼししてやる」ぐらいで接すると、だいたい、人間は温情を感じてご奉仕してくれるんだよ。
 人間っていうのは、やっぱり欠点だらけだから、あんまり細かいことをつつくと駄目なんだ。
 本当は、これが長期政権の秘密さ。「人事の佐藤」と言われてな、人の使い方がうまかった。やはり、苦労しなきゃ、人の心は分からないんだよ。まあ、いろいろと苦労することは大事なんだよ。うん。
 ある意味で、頭のよすぎる人は、人が使えないんだ。切れすぎて、人の欠点をあげつらうし、自慢話するだろ? 頭のいいやつは、必ず自慢して、人の欠点を一生懸命つつく。すぐ分かっちゃうからね。欠点が分かることが頭のよさの証明みたいに思って、ペンペンと言いたくなるんだ。で、人がついてこなくなるんだよなあ。
 そうじゃなくて、自分のほうが頭が悪いと、人のことが少しよく見えるところがある。
 まったくばかだと指導者として通用しないので、ある程度は頭がよくていいんだけど、よすぎないぐらいがいいんだよなあ。」

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