将来の肯定的なビジョン

 「見渡す限り、裸足で歩いてる人びとがいる」という現実があるとき、それがどういう風景に見えるか。これを、靴の販売チャンスなどないつまらない地域と見るか、それとも、大いなるチャンスが広がる有望な地域と見るか。

 思いひとつで、目の前の風景は変わって見えてくる。そしてそれは、見る人の思いが、肯定的なものか、それとも否定的なものかによる。とすれば、肯定的思いが出るような、心の調子がよい日に、将来の肯定的なビジョンを思い描いていけばよい。そして、そのビジョンに従って、現実を手繰り寄せるように実現していく実際の体験を積み重ねていく。

 その成功体験が自己確信を生み出していって、自分の一定の実力となっていく。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『リーダーに贈る「必勝の戦略」』で以下のように説かれました。

「ビジネスの世界などで、よく使われる小話があります。
 「二人の商社マンがアフリカに行った。一人は、アフリカの人々の姿を見て、『ああ、靴を売りたい』と思ったが、『彼らは裸足で歩いているから、売り込む余地がない』と、日本の本社にテレックスを打った。もう一人は、『彼らは裸足で歩いているから、彼らが靴を履く習慣を身につけたら、非常に大きなマーケットができる』とテレックスを打った」
 そういう話が、有名な伝説的話として伝わっていますが、このように、思いの世界でどう思うかによって、現実は大きく変わってくるのです。そして、「どういう結論を自分が信じるか」ということは、「将来のビジョンがありありと見えているかどうか」ということに大きく左右されるように思います。
 どのように、そのビジョン、結論が見えるのかを考えてみると、みなさんは、決して色眼鏡をかけているつもりはないにもかかわらず、やはり、ある種の色眼鏡を通して世界を見ていることは事実なのです。その色眼鏡とは自分自身の心の色合いだと思います。人間は現在ただいまの精神状態を通して世界を見ることになります。
 みなさんは、現実に接して、ある人を見、ある事実を見るときに、何らかの結論を出そうとするわけですが、その際に、「ちょっと待て。自分は、きょう、どの程度の心境だろうか。たとえば、一カ月のなかで見たら、気分のよいほうか、中くらいか、悪いほうか」と、自分に問いかけてみるとよいのです。
 そして、「あまりよくない状態だな」と思ったときには、自分自身に、こう言い聞かせる必要があります。「きょうの自分は、非常にマイナスのものの見方をしているから、きょう、他人から聞いた情報で、もし悲観的に思えることがあっても、これは鵜呑みにするまい。あるいは、自分が口に出したことで、他の人の機嫌が悪くなったら、これは自分の思いのせいだ。だから、『いけない』と思ったら、きょうは何回でも頭を下げるぞ」、このように思うと、コントロールができます。
 逆に、調子のよい日であれば、何十年も先までが見えてきます。そして、大きなことを言いはじめます。特に、霊的な世界に触れると、十年先でも百年先でも、ぐいぐい手繰り寄せられそうな気がしてくるのです。実際、そうはなるのですが、それは、生きているうちに起きるかどうかが分からないだけのことなのです。
 自分の心境のいちばんよいときにビジョンを思い描き、これを手繰り寄せて、自分のものにできると思える力が大事です。これが、実際に体験として、二つ、三つ、四つと、幾つか積み重なってきはじめると、この力は一定の実力になってきます。そして、確信というものが出てきます。三つ以上、そういう実体験があると、自分で信じられるようになってくるのです。」
(18~21ページ)

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