理想を固めたあとに

理想のない社長には人がついてこない

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来創造のマネジメント』で以下のように説かれました。

「「会社が潰れないように」という考え方が時代の主流であるかもしれませんが、ただ、経営者が、あまりにも小さいことばかり言いすぎると、企業が大きくならないことも事実です。

 やはり、理想を持っていない人には誰もついていきません。社長が理想を持っている場合には、たとえ安月給でも、けっこう人がついていくものですが、社長が理想を持っていない場合には人がついていかないのです。

 したがって、理想を持ち、それを実現していくことを考えなければいけません。」(P-173-174)

  また、大川隆法総裁は、持つべき理想について、「経営理念のなかには、無私、無我を超えて、『宇宙の理想』と言うべきものを導入していかなければ駄目なのです。最終的に、わが社だけのことを考えるようなものになってはならず、宇宙の理法の一端を担っているつもりでやらなければいけません。」(『社長学入門』P-321)

 

理想によって脱税の誘惑を乗り越える

 こうした理想を持たずに経営をするとどうなるでしょうか。総裁は、『未来創造のマネジメント』で以下のように説かれました。

「特に、お金の問題で言えば、経営規模が年商1億円ぐらいまでの経営者というのは、税金が惜しいため、「何とか税金をごまかせないか」と思っていることが多いのです。年商1億円ぐらいまでの規模までは、かなりお金の自由が利くので、「何とかうまく操作して、税金を安くできないか」と考え、ごまかし始めます。

 もちろん、正当な節税はよいのですが、たいてい、年商1億円に届くまでの途中で、税金をごまかすようなことが起きやすいのです。

 こうしたときに、税金をごまかしていることが発覚する場合があります。それは、たいてい、会社を辞めた元従業員などが税務署に密告したりするからです。会社に不満を持っているため、そういう意地悪をするわけです。

 「社長は、遊びながら儲けているのに、自分たちは安月給で働かされた挙句、クビになった」というようなことを漏らし、それで税務署が調査に入ってきて、脱税で摘発されるのです。これは、だいたい年商1億円ぐらいの規模のときにおこります。

 このときに、「人が見ていなくても、やはり悪いことをしてはいけない。経営者が、脱税のほうにエネルギーを使っていたのでは、企業は成長しない。やはり、払うべきものはきちんと払い、透明性を高めて、本業で発展しなければいけない」と心を改めると、年商1億円の規模が3億円や5億円に膨れていくようになります。

 年商1億円ぐらいまでの企業には、個人商店的なところが多いので、そういうごまかしをよくやるのですが、この誘惑と闘う勇気を持たなければいけません。そういうごまかしをしているところが、年商50億円や企業になることはまずないので、気をつけてください。

 ダイエーやイトーヨーカドーのように大きくなった企業も、元は個人商店でしたが、レジなど、お金の取り扱いのところは、早々と他人に任せていました。やはり、それを他人に任せるだけの自信があったということでしょう。

 脱税の誘惑は来ると思いますが、税金をごまかしていると絶対に大きくならないので、それを乗り越えなければいけません。最初は丼勘定でしょうが、それをできるだけ客観的な目、公平な目で見ておかしくないものに変えていく必要があるのです。

 そのように、理想をしっかりと持ち、それを実現することが大切です。そうすると、周りの人もついてくるようになります。」(P-174~176)

 利益は、本来企業存続のための条件であって、目的ではありません。事業活動を通じて社会に貢献したり、社員などの関係者の生活を守るために必要なものです。しかし、お金そのものが目的で事業を営んでいると、経理操作ひとつで利益を創出できるように見えるところもあり、過度の節税や脱税の誘惑に駆られることにかります。実際、その手のノウハウの売り込みをかけてくるコンサルタントは少なくありません。

 経営者の器は、こういう時に試されます。本当に「世のため、人のため」に事業を営んでいるのであれば、税金を誤魔化す誘惑に駆られたりしませんし、税金逃れに時間を使う暇があったら、より良く事業を展開する方向に努力するものです。

 

理想を固めたあとに

 理想や信念を固めたら、次には目標を設定し、ビジュアライゼーション(視覚化)によって、目標が達成されている姿を、ありありと心のなかに描くこと。

 その結果を心の深いところに何度も何度も刻印し、そのようになった状況を受け入れること。

 それを心に受け入れていくと、だんだん、ものの考え方や行動様式が変わっていく。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『リーダーに贈る「必勝の戦略」』で以下のように説かれました。

「理想や信念を固めたら、次には目標設定が必要です。
 目標を設定したあとは、「ビジュアライゼーション(視覚化)」によって、目標が達成されている姿を、ありありと心のなかに描くことです。一年後にその目標が達成されている姿、あるいは十年後にその目標が達成されている姿を、ありありと心のなかに描かなければいけないのです。
 その結果を、心の深いところに何度も何度も刻印していくことです。
 そのように、明確に未来を設定すると、この世の現象界は、設定された未来の目標に向かって進んでいくのです。
 本人の自己念、自分の念も、目標を実現する方向に動きますが、本人の守護霊や、さまざまな指導霊たちも協力してくれます。さらには、そういう強い念は、自分が仕事をする相手にも影響を与えます。当然、相手に霊的な影響を与えますし、相手の守護霊や指導霊にも影響を与えるのです。
 その力の根本は何であるかというと、理想実現の結果をありありと思い浮かべ、それを受け入れること、そのようになった状況を受け入れることです。
 たとえば、自分の会社の売り上げが年間一億円である段階で、「やがては百億円企業にする」ということを言ったとしても、実際に一億円企業と百億円企業では経営のスケールがずいぶん違います。その差は百倍です。
 その場合、口だけで「百億円、百億円」と言っていても、「現実にそういう会社になったら、どうなるか」ということを心に描けない人は、その途中で、やはり実現を逃してしまうのです。
 一億円企業には一億円企業の行動の仕方、組織の動かし方、判断の仕方が当然ありますが、「百億円企業になったら、どうなるか」、あるいは、「一千億円企業になったら、どうなるか」ということを、思い浮かべられるようでなくてはなりません。
 自分自身が、十億円企業、百億円企業、一千億円企業のイメージを、ありありと描くことができ、その実現を信ずることができ、「それを実現することは多くの人の幸福につながる」ということが確信できて、その事業を成し遂げることに強い使命感、信念を感じるのであれば、それを達成した姿を心に描くべきです。
 それを心に受け入れていくと、だんだん、ものの考え方が経営規模に合わせて変わっていきます。経営規模に合わせて考え方を変えられない人は、事業を大きくすることはできず、事業は自分の器以上のものにはならないのです。
 ヤドカリでも、大きくなるためには貝殻を替えなければいけません。ほかのもっと大きな貝殻に移らなければいけないのです。同じ貝殻のなかにいたら大きくなれません。また、「脱皮しない蛇は死んでしまう」とも言われています。
 同じように、考え方や行動の様式を変えていかなければならないのです。この力を持たない人、つまり、「理想の結果がほんとうに来たら怖い」という人は、理想の状態を心に受け入れることはできなくなります。」
(222~228ページ)

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