安売り合戦

ユニクロ成功の秘密

 安くて高品質でスタイルもいいものを出しつつ、「成功は一日で捨て去れ」といってイノベーション体質を維持するのは、小売り業界では実に厳しい戦いである。

 そうした中で拡大路線を打ち出しているのは、山口の一店舗から始めて全国チェーンをつくった創業者だから、いつ潰れたって本望というところもたぶんあって、いい言葉で言えば「情熱」、悪い言葉で言えば「怨念」がある。

 基本的には、ほかの人にもできる仕事ではあるから、アイデア勝負だし、そのもとは、やはり知識を使っているとは思う。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『柳井正社長の守護霊インタビュー ユニクロ成功の霊的秘密と世界戦略』で、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長の守護霊の言葉(「霊言」)を、次のように紹介しておられます。

「私は無茶を言うとるんだよ。ずいぶん、無茶は言っていると、自分でも思っている。
 どこにでも売る所はあるわけよ。それに、いいものだっていっぱいあるし、高級品もいっぱいあるわけだ。
 今は、安くて、高品質で、スタイルもいいものを要求されているから、誰でもが売れているなかで、新しいものを常に目指すというか、イノベーション体質を維持するのは、この業界では、やはり厳しいね。
 小売りのものに対して、たくさんのイノベーションをかけると、普通は在庫の山になったりする。次の新しいものを出したら、古いものが売れなくなるからね。
 まあ、「シャネル型」が、その対極かなあ。古いタイプの高級感のあるブランドイメージを崩さないで、ずっと売り続けているだろう?
 こういうのに対して、安売りをしながら、どんどんイノベーションをかけて、新しいものを出していくためには、開発・研究コストもかかるし、返品のリスクもあるしで、実に厳しい戦いなんだよ。
 だから、アイデアが枯渇したときが、事業の終わりのときなんだ。
 それで、「成功は一日で捨て去れ」と言っているんだけど、今日の成功は、明日の失敗になるわけだ。「今日、成功したら、明日には、その成功を捨てよ」というのは、魚釣りと一緒だよ。「同じ所で二回は釣れない。あくまでも、魚がいるところに釣り糸を垂らさないと駄目だ」ということだな。
 これは、実に厳しいよ。この業界で生きている者にとっては、実に厳しいことを言うとる。
 例えば、私の拡大戦略に関しては、銀行も、なかなか許さなくて融資を出さない。私は、「一気に百店舗、出す」などと言うし、売り上げ(計画)もすごい額を出すから、銀行も、「融資をしない」となって喧嘩したこともある。
 まあ、そういう拡大路線をバーッと打ち上げると、慎重な幹部、つまり、頭がよくて堅実な人ほど危険を感じるわけだ。確かに、経営は、まず潰れないほうから考えていくのが堅実だとは思うんだよ。でも、私も若い者に早く譲りたいし、若返りをかけたいしで、(幹部を育てて)引退するつもりでいたんだけど、「若い人のほうが慎重で、私のほうが大胆だった」ということだ。
 これには、創業者で怖いもの知らずのところも、たぶんあるとは思うんだよな。山口県の一店舗から始めて、全国チェーンをつくったんだから、いつ潰れたって本望なわけよ。もちろん、「世界を目指す」などと言ってはいるんだけど、近所の人に聞いたら、みんな、「山口県の宇部の、そんな小さな洋服屋が、何を息巻いとるんだ」と言うよな。「おじさん、少し無理しているのと違いますか」と言うと思うよ。
 そうしたなかでやってきたわけだから、一つには、いい言葉で言えば「情熱」、悪い言葉で言えば「怨念」があるよ。
 でも、基本的には、ほかの人にもできる仕事ではあるから、アイデア勝負であるし、アイデアのもとは、やはり知識だろうな。それを使っているとは思うよ。」(39~43ページ)

 

 安売り合戦は 二、三年が限界であり、それ以上やってはいけない。

 低所得層のために、安売りはあってもよいが、お金のある人は高付加価値のものを手に入れる方向に動いていかなければならない。

 全部がユニクロのような企業になっていけば この国は亡びる。

 大川隆法総裁は、『アダム・スミス霊言による「新・国富論」』でアダム・スミスの霊の言葉(「霊言」)を次のように伝えておられます。

「今、デフレ下における安売り合戦が続いていますが、これは過渡期であると見たほうがいいと思うんです。
 一時代前に、ダイエーというところが、「物価二分の一革命」ということを掲げて安売り合戦をやったことがあります。しかし、理論的に見たら、「物価を二分の一にする」ということと、会社の発展とは、どこかで合わなくなってくるわけですね。
 これは、結局、同業他社を潰すための“哲学”であったと思うんです。そして、同業他社が全部潰れたあと、どうなるかと言うと、「そのあとは、自分のところだけで、値段をどうにでも変えられる」と思っていた節があります。
 デフレとは、先行き、ものの値段がどんどん下がっていくということでしょう? だから、デフレの時代には、現金を持っているほうが有利になるんですよ。ものを買わないで、現金で持っているほうが有利な時代なんです。
 そこで、安売り合戦がどんどん進んでいくのですが、人々がお金を使わないために、結局、お金が十分に循環しなくなるのです。
 したがって、このまま安売り合戦を続けていくと、最後は血で血を洗うような醜い戦いになっていき、従業員が万単位や十万単位もいるような大企業や、多くのチェーン店を持った企業体などが、巨象のごとく倒れていくシーンが数多く出てくるはずです。
 今、安売り合戦をやっていますが、「もう、そんなに長く続けては駄目ですよ」というのが、私からの警告です。安売り合戦を続けるのは、あと二、三年が限界です。それ以上やったら、この国はもちません。
 まあ、安い物を買いたい層もいるでしょうから、安売りはあってもいいんですけれども、お金持ちまでが、みな安売り店に走っていくようだったら、この国の経済は絶対に潰れますよ。お金のある人は、やはり高付加価値のものを手に入れる方向に動いていかなければ、資金が回らなくなっていきます。
 誰もがバーゲンに殺到するような体制をつくるのはよろしくないのです。
 だから、銀座に安売り店がたくさん進出してくるような状況というのは、先行き、日本経済を破滅させる方向であるということですね。
 別に、特定の企業を攻撃する意図などはありませんが、私に言わせれば、「ユニクロ亡国論」ですな。あのような企業をほめたたえていたら、この国は本当に滅びますよ。もっと国内の産業を護らないと駄目になります。
 中国経済に支えられて安売りを行い、日本国内の産業を潰し、百貨店を潰して歩いているんですから、そんな店を銀座などに広げさせたり、そのライバルのような企業ばかりをたくさん引き込んでいたら、この国は二流国に落ちていきますよ。
 安売りはあってもいいんです。低所得層のために、そういうものはあってもいいんですけれども、人々が、「高付加価値のものへ移行していきたい」という意欲を持っていることが、健全な経済の姿であるということですね。」
(87~90、96~97ページ)

 

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