ニュートンは霊界科学とフリーメイソンのグランドマスター

 幸福の科学大川隆法総裁は、2021年8月に説いた法話「地球の心」において、近代科学の祖と呼ばれるアイザック・ニュートンが一種のオカルティストであったこと、そして、神秘思想の本流である「ヘルメス思想」を受け継いだ秘密結社「フリーメイソン」の初代グランドマスターであったことを強調した。

 「ヘルメス思想」とは、ギリシャの繁栄の神ヘルメスとエジプトの智慧の神トートを同一視し、その偉大なる神の理想の実現を目指す神秘思想のことです。魂の覚醒や理想世界の建設等が説かれ、その教説をまとめた文献は『ヘルメス文書』と呼ばれる。

 ニュートンといえば、「万有引力」「光の解析(プリズム)」「微積分」といった三大業績を残し、古典的物理学を大成したことで知られる。ここから世界を理性的に分析する科学主義が始まったようにも見える。彼の力学・光学・数学などの業績はあまりに大きいため、それらの研究に一生が捧げられたと思っている人も多いだろう。しかし、事実は違う。微積分を発見するなど数学に費やした時間はわずか2年。動力学を研究したのは十代の終わりごろの短期間であり、光学に力を注いだのも二十代後半の短期間だった。彼は、人生のうち30年という圧倒的な時間を「神秘思想」や「錬金術」の研究に充てていた。ニュートンは神秘思想が記された古文書を熱心に解読していた。彼には、熟読する文献を「写経」する癖があったのだが、その中に「ヘルメス文書」の写しが遺っている。彼はこうした古文書と古代宗教の歴史を研究し、古代に太陽を中心に惑星が回る宇宙観があったことに気づいた。

 イタリア、ギリシャ、ペルシャ、エジプトの古代宗教には、宇宙を象徴する原初の神殿があり、そこは、中央の祭壇に焚かれた聖火と惑星を表す七つの灯明によって照らし出されていた。そうした、オカルティズムにかなり踏み込んだ研究の記録が残されている。

 また、ニュートンは、著書『古代諸王国の年代記』において、プラトンが記したアトランティス大陸の興亡の有様を興味深げに要約するなど、その関心は超古代文明にまで及んでいた。

 何と言っても真骨頂は錬金術の研究である。彼の遺稿には、古文書に記された錬金術の奥義が再現され、実際に成功したことを伝える記述がある。

 そうした通常の科学ではありえない現象の例として、ニュートンの『Clavis(鍵)』と題されるノートを見てみる。

 彼は、化学物質を調合し、水銀を純粋化したものを「賢者の水銀」と呼んだ。これを金と共にガラス容器に入れ、火にかけると、何もないところから樹状の組成物が現れては消え、その色彩も絶えず変化する。彼はそんな光景に見とれている。

 「私は、金とこの水銀を入れた多数のガラス器を火にかけている。これらの器の中で、金とこの水銀は樹状に育ち、増殖している」「そこで金は育ち、育てられ、科学的に腐敗するが、再び芽や枝をつけ始め、日々に色彩を変えていく。その姿が私を毎日、魅惑するのだ」

 この現象は、往古の錬金術で「孔雀の尾」と呼ばれ、錬金術のほぼ最終段階に相当するとされていた。

物理や数学の発明をしながらも、ほとんどの時間、隠れてこうした実験に没頭しては、不思議な現象に感動していた。その姿は、まさに「魔術師」である。

 だが、ニュートンが追究したのは、魔術のための魔術ではない。新たな物質を創造する錬金術を通して、彼は「神が天地を創造した謎」に迫ろうとしていたのです。

 神秘思想に惹かれたニュートンであるが、その根底には神への強い信仰があった。その信仰対象は、イエスを導いた「父なる神」である。彼は、神はどこか遠い場所にいる存在ではなく、宇宙に遍満する叡智だと捉えていた。

 「神は永遠で、いかなる場所にもおられる」「神は全知全能で、その在りようは、全てが眼、全てが耳、全てが頭脳、全てが腕です。(神は)全てを知り、認識し、行動する力です」(『プリンキピア』)

 まるで、霊感に打たれ、全能の神に相見え、その御業を体感したかのような力強い言葉である。

 ニュートンは、数々の数式を用いて、宇宙の物理法則を解明したわけだが、その眼差しは法則を司っている神の意図に注がれていた。

 神はこの世界を創り、今もなお人間や動植物、天地万物を育み続けている。何によって育んでいるのか。それは「光」である。「光」の中には「生長をつかさどる精」が宿り、それは「諸物体に精妙、尖鋭かつ迅速に浸みこむ」という。彼にとって、光は、死せる物質を活性化ないし再活性化することのできる神の力を表象していたのです。

 ニュートンは、動植物のみならず、鉱物にも神の光によって魂が宿っていると考えた。この世界観は、当時における西洋思想の常識をはるかに超えている。それは、ある意味で、「山川草木悉有仏性」と説いた釈尊の教えに近い。大川隆法総裁は、「鉱物たちにも魂は宿っている」と述べているが、ニュートンも、偉大な宗教家と同じく宇宙と生命の神秘を垣間見たに違いない。

 そして、その「光」の力で物質を「活性化」し、変化させる試みが錬金術だったのです。このプロセスは、単に化学物質の調合によって成し遂げられるとは考えにくい。ニュートン自身が一種の導師となり、鉱物に神の光を降ろしていたと見るべきだろう。

 

神秘の先に科学の未来もある

 彼の科学史をひっくり返すような数々の大発見も、こうした圧倒的な宇宙認識からこぼれ出したものと言えよう。その時代を超えた科学的先見性は、著書『光学』の中にも記されている。

 「粗大な物質と光とは相互に転換しえるのではないか」

 「物質から光へ、光から物質への変化は、転成を喜ぶかのようにも思える自然の過程にきわめて似つかわしい」

 この「光と物質の転換」というアイデアは、彼の死後200年後にアインシュタインが提唱した数式「E=mc2」を先取りしている。

 現代科学では既存のパラダイムや理論に合わないものを否定し、学問の対象から外している。だが、未知なる宇宙は、時折、予想もしえない真の姿を現し、我々の常識を粉々に打ち砕く。

この無限の宇宙に迫るために、ニュートンは、神秘主義と合理主義の融合を目指し、未知の世界に向けてあらゆる角度から探究を続けてやまなかった。そうしたマインドの中に未来を拓く学問のあるべき姿が示されている。

参考

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