シェールガスの採掘と地震

 近年、「シェールガス革命」という言葉が世間をにぎわせています。シェールガスも従来の天然ガスも、成分的にはほぼ同じ。できる過程も変わりません。ひとつ違うのは、それが産出される場所です。従来の天然ガスが主に砂岩層から産出されるのに対して、シェールガスは、硬くはがれやすい頁岩(けつがん=シェール)層の割れ目に閉じ込められています。頁岩は泥岩の一種で、水中で水平に堆積した泥が固まってできたものです。薄く割れる性質が本のページのようだということから「頁岩」と命名されております。

 在来型の天然ガスが貯留されている砂岩の層は、比較的粒子が粗く、その間を縫ってガスが移動し、地層が褶曲してできた隙間に溜まり、ガス田を作りやすいのに対して、頁岩は粒子が細かいために、ガスがその場から移動することができず、岩石の中にとどまっていた。これが「シェールガス」というわけです。

 その存在は、百年以上も前から知られていましたが、採掘に掛かる費用が莫大すぎて、採算がとれず、世界中の多くの地域で眠れる資源とされてきたのです。

 近年、アメリカを中心に採掘技術の革新が進み、状況が一変。シェール層を水平に掘り進める水平掘削法や、水の力でシェール層を破壊してガスを取り出す水圧破砕法が発明され、十分に採算のとれる生産が可能になったのです。

 

 水圧破砕法(Fracking)は、地下の岩体に超高圧の水を注入して亀裂を生じさせる手法である。高温岩体地熱発電やシェールガス・シェールオイルの採取に用いられている。

 大量の廃水が発生するため、これを地下1キロほどの深さに掘った廃水圧入井に圧入して処分している。大量の廃水を このように処分されることにより、地震が起きることがあるのです。

 水圧破砕法では、採掘に当たって、オイルまたはガスが含まれる頁岩層を薬液と高圧水を使って破砕し、できた空隙には砂粒を送って閉まらないようにさせています。高圧水が既存の地下水をさらに深部へとトコロテン式に送りこんで、高熱地帯に移動させれば、水の熱解離が起きます。熱解離という現象で、水素と酸素の混合ガスが「生産」されてしまうのです。このガスは爆鳴気ガスですから、「爆縮現象」という爆発を起こしてしまう。

 「シェールガスの水圧破砕法が原因の可能性」といった報道がなされていますが、もっと深部に「廃液」を圧入していることが真の原因であると認識しなければなりません。

 地下深くに大量の水を注入することにより、それが引き金となって地震が発生することが、1936年完成のフーバー・ダムで明確になった。

 フーバー・ダムは、ラスベガスの南東約50、アリゾナ、ネバダ両州境コロラド川ブラック峡谷に建設されたアーチ式ダムで、高さ221m、長さ377m。上流の砂漠の中に琵琶湖の1.5倍もある巨大なミード湖を出現させたことで有名。水位は170mの高さで1938年に満水となった。このあたりは殆んど地震の無いところなのだが、1936年には21回の有成地震が発生、翌年にはそれが116回に増えた。しかも、1939、42、48、52年と立て続けにM(マグニチュード)5の大きな地震の発生をみるに至った。周辺が砂漠地域だけに大きな被害は出なかったが、これが都市に近いと、揺れは震度5弱程度で大きな災害となった可能性がある。

 旧ソ連のタジク共和国では、1968年完成したヌーレク・ダムで、ほとんど地震の無かったが、水が深さ60mほどに達した1971年から有威地震が発生し始め、その後5年間でM4の地震が8回も発生している。 

 水の地下への人工的注入については、コロラド州デンバーの軍需工場での廃水処理が有名です。1962年から、工場からの廃水を深さ4000mの深井戸から地中に注入、処理した。その量は月間2000~3000万リットルであった。ところが、注入を開始してから間もなく地震が発生し始め、M4.5を記録したこともある。深さ約3600メートルの井戸を掘り廃液を注入したところ、注入量や水圧と地震の発生が連動していることが観測されたのです。

 注水の中断、再開と群発地震の数の増減に相関関係が報告されている。また、この群発地震では、多くの住民が非常に大きな爆発音を聞いている。

 コロラド州ランゲリコ油田でも、1957年から深さ2000mの坑井に注入を始めたところ、M3.1の地震が起こり始めた。

 2004年に起きた新潟中越地震の震央から約20kmしか離れていないところに、天然ガス田(南長岡ガス田)があり、地下4,500mのところに高圧の水を注入して岩を破砕していた。

 坑井を「刺激」するために、深い井戸を通じて油ガス層に人為的な刺激を与え、坑井近傍の浸透性を改善することにより生産性を高めるために行われた。地下4,500m付近に分布する浸透性が低い緑色凝灰岩層に対して、「水圧破砕法」を使って岩にひび割れを入れ、生産性を8倍も増加することに成功したと言われている。

 注水と地震には どのような因果関係があるかについてですが、水を圧入したために、地殻が滑りやすくなり、大地震のエネルギーが細分化されて放出された、という解釈を地震学者はしているようです。また、水に圧力をかけて地下深く注入すると、その周辺で地震が起こる。もともと地殻の中にあった切れ目(断層面)に水がしみこんで、断層をずれやすくしたためだとか言っているが、ピント外れのように思われる。

 アメリカでは、CCSやシェールオイル採掘の廃液圧入で地震が起きることが知られていますが、廃液の圧入によって既存の断層が「滑りやすく」なったというステレオタイプの発想しかないので、なぜ人造地震になるのかまでは把握できないでいます。

 ところで、ハワイとか西ノ島で観察されるように、海水がマグマに接触しても爆発しません。枕状熔岩として固まるだけです。地下水と接触して爆発するのではありません。地下水の存在は無関係です。

 廃液圧入などでの地下圧力を改変すると遠方の地震で誘爆する可能性があるという。シェールガスの採掘や地熱発電などで地下の圧力を人為的に変化させている圧入井戸では、遠くで発生した地震の影響を受けやすく、地震が起き易いという。

 石油や天然ガスを採掘するときに、急激に地下の圧力を減じると、その影響が採掘位置より下部に及び、解離層に移行させて地震を誘発する危険性があります。

 圧力が掛かっていた地下空間を掘削することは、周囲の力学的バランスを崩し、さらに深部にある高熱の解離層の「水の解離バランス」を崩すことになります。

 力学的バランスの崩れが岩盤に ひび割れなどを起こせば、深部にある解離層の圧力減少は大きくなり、水素ガスの発生は顕著となります。

 石油や天然ガスの汲み上げにおいて、汲み上げた量と同じ量の水を送って(置換)バランスを取らないと、地震が発生するということがあります。汲み上げるだけですと、さらに深部にある解離層付近の圧力を降下させて水素ガスの発生を促してしまいます。

 地下水位は、ダム建設による圧力増大の場合でも、圧力低下でも解離層を不安定にさせ、地震発生の原因になるのではないかと思われます。圧力の増大の場合は地下水をさらに深部へ、つまり高熱地帯に送ることになって、解離ガスを増やすことになります。

 地下に人為的な工作を行う場合には、地震を誘発する可能性があることを念頭に置かないといけないでしょう。

 

 人造地震が引き起こされる主な原因には、原油や天然ガスの採掘、油田の掘削、廃液の地下投機、鉱山の発破作業といったほか、地熱発電、地下核実験、二酸化炭素の地下圧入、ダムの建設などがあります。

 日本やインドネシアのような火山帯に該当する国においては、地殻の厚さが薄く、地殻の下部に熔融マントルがあります。地下深部に人口の手を加えることは、水を解離させることにつながり、地震発生の危険度が高くなります。

 マグマが浅い場所まで迫っている日本では、十分な検討を加えないと大変なことになります。

 

メタンハイドレート

 メタンハイドレート(MH)を含む地層は海面から約1260メートル下に存在するとみられる。海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」のやぐらから、先端にドリルをつけたパイプを連結させて海底まで下ろしていき、掘り進める。

 メタンハイドレートの生産方法には、加熱方式と減圧方式とがあり、現在減圧方式が検討されているようです。

 ハイドレート層内で水を組み上げて減圧し、発生するMHガスを組み上げるということですから、今のところ地震誘発の心配はしておりません。試掘でも安全に生産されているようですから、それほどの危険性はないと考えます。

 減圧方式で吸い上げれば、海底深部にも影響が伝播して解離層を乱すのではないかと心配をされる方もあるかと思いますが、メタンハイドレートはとして存在しているので、そのような心配は無いと考えられます。

 地震の発生が想定されるのはハイドレート層よりももっと深い場所で、マグマが存在して高温になっている場所です。そのような深部にまで掘削などの人為的工作をすることが地震を誘発させる危険な行為となります。

 

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