新規開拓の意義・目的
中小企業に限らず、新規開拓は、企業にとって非常に大切であるが、営業担当者・営業マンにとっては一番嫌な仕事ではないでしょうか。
彼らにとって、既存の得意先は、通いなれた道、いつも会っている人たち、いつものペースで、売りなれた商品をいつもの条件で売るので楽である。
それに対して、新規開拓は、知らない道、初めて会う人たち、どんな条件で、何を売ればよいのかわからない。
訪問しても、入ってから出てくるまで緊張の連続である。しかも、努力しても成功に結びつくとは限らない。だから、できれば新規開拓はやりたくないのです。
しかし、それでは困るので、なぜ、新規開拓が必要なのか? 営業担当者・営業マンにわかってもらわなければならない。
多くの中小企業では、新規開拓は営業担当者・営業マンだけの仕事と思っているところが少なくありません。しかし、これは大きな間違いである。
限られた人材の中で収益アップを実現させるには、大企業のようなマンパワーに頼ったやり方では赤字を垂れ流すだけです。
新規開拓は、必要に応じて幹部も経営者も一緒に行動しなければならない、会社にとって大切な仕事であるという認識が必要であり、共に力を合わせて成功させることが大切なのです。
新規開拓の意義
(1)既存顧客の売上減を補うため
既存の顧客だけでは、
・よくても前年実績止まり
・通常は前年比95%前後
・悪い場合は前年比90~95%
前年実績を維持するためにも新規開拓は欠かせません。
(2)今年の売上高を確保するため
あなたが健全な経営を進めていくには、前年対比の経費増の分を売上増によって吸収していく必要がある。
例えば、経費が前年比103%とすると、売上高も前年比103%以上となる。
(3)得意先構成をよくするため
あなたの顧客は優良顧客ばかりとは限らない。
そのため、新規開拓を行って、入れ替えを行う必要があります。
(4)市場占有率を高めるため
経営の目的は、「売上アップ」「利益アップ」「シェア・アップ」です。
シェアを高めるには新規開拓は欠かせない。
既存顧客の「シェア・アップ」も同様に欠かせない。
(5)訪問効率を高めるため
現在の得意先に、新規開拓見込先、さらに新規取引先を加えれば、1日の訪問件数を多くすることができる。
ただし、単に訪問件数を増やすだけの御用聞き営業では時間の無駄であり、相手も忙しい。
直接訪問をしなくても、同様の効果が期待できるのがメールやFAXを活用した情報提供です。
(6)営業担当者・営業マンがを果たすため
集客から顧客の維持・管理までを営業マン個々に任せることは至難の業といえる。
本来、集客は会社が行い、集客した見込み客に対してセールスを行うのが営業マンの役割である。
(7)企業の営業力強化のため
営業力とは、社員全員が営業に関わる営業力強化の仕組み(営業改革)をつくり、組織を効率的・効果的に活かして利益をあげる「売れる仕組み」をつくることです。
せっかくの組織をマンパワー営業に頼らず、組織営業体制に改善することが営業力強化のためであり、企業の将来を切り開いてくれる。