月報・週報

 経営計画を実現可能にするためには、月報・週報・日報をリンクさせた活用が欠かせません。

 企業にとって、月間(月報)・週間(週報)・1日(日報)の行動予定計画表の策定は目標達成を実行可能なものにするためのものです。

 月報・週報・日報に基づいた行動と管理は、必ず成果を生みます。 

 

月報(月間行動計画)

効率的な営業活動

 

 売上をアップさせるためには、「新しい取引先を開拓する」か「既存客への単価アップ」という二つの方法しかありません。

 そして、この二つを実現するためには、営業マンの「訪問回数を増やす」「商談の内容を濃くする」しかないのです。
 優秀な営業マンをみると、たいていは普通の人の何倍もの訪問件数をこなしています。

 しかも、やみくもに訪問するのではなく、「契約してくれそうな顧客」を効率的に訪問しているのです。
 それは、「訪問回数」と「商談時間」を効率よく管理しているからです。

 彼らは、必ず月ごとに行動予定計画を立てて顧客(お客様)を訪問しています。

 そして、その上で実際に顧客を訪問した時に、顧客の反応をみて商談時間を調整しています。
 例えば、「まだ買う気になっていない」と判断すれば早めに商談を切り上げ、その時間を他の「買う気がある(見込み度が高い)」お客様との商談時間に充てているのです。

 こうして、効率的に訪問回数を増やし、同時に商談の内容を充実させているのです。

 こうした営業手法は、一朝一夕に身につくものではありません。

 まず、そのための第一歩が、月報(月間の行動計画)を立てて目標を設定することです。
 効率のよい仕事は、目標を達成しようと創意工夫していくうちに身についていくものです。

単年度経営計画を多くの会社で立てていると思います。

 しかし、年度計画を、より精度の高い実行可能な計画にするための 月報(週報、日報)を立てている会社はどれだけあるでしょうか。

 月報、週報、日報は、行動計画書であって、事後の報告が目的ではありません。

(1)訪問予定を決定する月報(月間行動計画表)

 まず、顧客別にその月の目標訪問回数を決め、訪問可能な日を割り振り、予定を立てる。

 商談は〇、顧客へのアフターフォローは△、回収は◇ など、訪問の目的別に記号を決めておくと一目で営業マンの行動内容がわかります。

予定を立てる時の注意点

①自分の行動計画は自分で立てる

 当然のことですが、「上司に言われたから」では意味がありません。

 自分の行動を自分で管理するという意識を営業マンに持たせてください。

②実行可能な計画であること

 意欲的なのはいことですが、実行できなければ計画を立てる意味がありません。

③訪問頻度のバランスを考えること

 

 訪問予定を立てる目的は販売目標の達成です。

 契約成立の期待が高い顧客への訪問回数は多くなるでしょうし、同時に付き合いの浅い顧客との取引の深耕も考えなければなりません。

 また、将来の業績を考えて、新規開拓への訪問も欠かせません。

 目標達成を念頭において、顧客ごとの訪問頻度を決定してください。

 目標訪問回数は必ず達成することが大切です。

 急な仕事や顧客の都合で予定が狂うことも少なくないでしょうが、日程を変え、必ず訪問するようにします。

 こうした繰り返しによって、時間を管理する能力がつき、効率的に仕事ができるようになるのです。

(2)訪問予定を見直しチェックする

 

 一日の活動を終えたら、必ず結果を記入します。

 その日の訪問件数、成約金額を集計し、商談の内容を振り返ります。

 この結果をもとに、常に自分の活動を反省することが必要です。
 「計画通りに訪問できているか、できていないとしたら なぜできなかったのか」「苦手な顧客を避けていないか」「ムラのない行動ができているか」、といった視点から訪問活動を振り返ってチェックし、その後の訪問予定を組み直していってください。

 「月末にまとめてチェックすればよいじゃないか」という営業マンがいるかもしれません。しかし、それでは計画を立てた意味が半減してしまいます。

 1ヵ月という長いスパンで計画を立てるのですから、必ず途中で計画通りにいかないケースが生じてきます。

 常に計画を見直して修正していかなければ、より良い成果は生まれてこないのです。行動計

画の見直しの頻度ですが、理想をいえば毎日、それが無理ならば、最低でも1週間ごとにチェックする必要があるでしょう。

 また、より綿密な計画に基づいて活動の見直しをするために、月だけではなく、週単位での行動予定表をつくることも必要です。

(3)月間の営業活動を評価、検討する

 当月の活動が終了したら、顧客ごとの訪問回数、総訪問軒数、販売実績などを集計して書き込みます。

 「訪問回数目標は達成できたか」「新規開拓先を精力的に訪問したか」など、予定と実績を比較して、月間の営業活動を評価、検討します。

 その検討結果を担当者コメントの欄に記入し、上司へ報告させます。

(4)情報共有化のツールとして活用する

 行動(予定)計画表は、営業マン個人で活用することが第一の目的ですが、営業情報を社内で共有化・活用することも目的の一つです。

 例えば、営業会議で活動方針を決定するとき、「誰がどの得意先に対して、どのように活動してきたか」という情報は重要な討議の材料となります。
 この行動計画表を見れば営業マンの月間の行動が一目でわかるわけですから、討議の材料として活用できるのです。

 また、誰もがこの行動計画表を閲覧できる環境をつくっておけば、優秀な営業マンがどういう訪問計画を立て どう実行しているかを見て、他の営業マンが自らの活動に生かすこともできます。

 上司だけでなく、先輩や同僚同士で気づいたことをアドバイスしあえる雰囲気が生まれれば、営業部門全体の活性化にもつながります。

 どんなに綿密な行動計画を立てても、「顧客」という相手があっての営業活動ですから、すべて計画通りに進まないから やめるのではなく、計画通りに進まなかった理由を考え絶えず修正していくことにあります。

 この修正作業こそが営業効率を上げることに直結するのです。

 計画を立案するのは「目標を達成するため」です。
計画とは、自分の行動を効率的に管理し、目標を達成するためのツールなのです。

 計画を立て、その計画と実際の行動のズレを確認し、絶えず計画を修正していくことで、より効率的な営業活動ができるのです。

 なぜ計画通りにいかなかったのか、その原因を考え、目標達成のために新たな対策を講じていってください。

 

週報(週間行動計画)

週報(週間の行動計画)を立てる

 

 

 場当たりな営業活動を認めている会社はないと思いますが、個々の営業マンレベルではどうでしょうか。

 「上司が計画を立てろというから立てた」という営業マンはいないでしょうか。

 そうした営業マンは、「計画なんて立てても意味がない」と考えている場合が多く、得てしていい加減な計画を立てるものです。

 どんなに綿密な行動計画を立てても、「顧客(お客様)」という相手があっての営業活動ですから、すべて計画通りに進まないから計画案をやめるのではなく、計画通りに進まなかった理由を考え、絶えず修正していくことにあります。

 この修正作業こそが、営業効率を上げることに直結するのだと肝に銘じましょう。計画を立案するのは「目標を達成するため」です。

 週報は、言ってみれば、自分の行動を効率的に管理し、目標を達成するためのツールなのです。計画を立て、その計画と実際の行動のズレを確認し、絶えず計画を修正していくことで、より効率的な営業活動ができるのです。

 なぜ計画通りにいかなかったのか、その原因を考え、目標達成のために新たな対策を講じていきましょう。

 週間行動計画表は、「月間行動計画表」とリンクさせて使います。

 月間行動計画を1週間にブレイクダウンして、より細かい計画を立ててください。

 週間行動計画の見直しは毎日行うことが理想ですが、最低でも1週間ごとに見直して計画を修正し、目標達成をより確実なものにしてください。

 

週報の活用

(1)訪問予定の記入

 あくまでも、実現可能な週間行動計画を立てることが重要です。

 月間行動計画をもとに、1週間の行動予定を記入します。

 その月の第一週目の行動予定は月間行動予定と同じものになりますが、2週目以降は1週目に生じたズレを考慮に入れて、適宜修正して計画を立てていきます。

 週間行動予定を記入する際に、月間行動予定では記入できなかった 商談の内容・目的を具体的に記入します。これができていないと、週間行動計画表を立てる意味も見直しを行う意味も半減してしまいます。

 月間行動の予定に従って、「ただなんとなく訪問する」のではなく、目標達成のための明確な目的意識を持って行動しましょう。

(2)活動の見直しチェック

 1日の訪問活動を終えたら、その日のうちに結果を記入します。

 それをもとに計画を修正するのですが、基本的な考え方として、「その日の未達目標はその週のうちに、その週の未達目標はその月のうちに達成することを心がけてください。

 「近いうちにやろう」というのは計画ではありません。

 達成できなかった目標は、「いつまでにやる」という具体的な期限を決めることが必要です。

(3)1週間の営業活動を反省・評価する

1週間の営業活動が終わったら、訪問回数、売上高などを集計し、当初の週間行動予定との差を確認します。

 「目標は達成できたか」「できないとしたら何が原因だったのか」「顧客別の活動の反省点」、「反省点を次回の訪問にどう生かすのか」などについて分析してください。
 計画に基づく営業活動の分析・反省にこそ意味があり、具体的な成功・失敗事例について、担当営業マンによる分析や評価を加えたうえで社内メールを使って回覧し、営業部門全体で情報を共有化していきましょう。

 これにより、営業マン自身のやる気が引き出されると同時に、経験を営業ノウハウとして共有する助けになります。
 週末日の帰社後には、1週間の活動を総括すると同時に、その結果と月間行動計画をもとに次週の週間行動計画を立てます。

反省点を次に生かすためにも、反省・評価と計画立案は同時に行うべきです。

 

日報(1日活動計画) 

活動計画とは一体化させる

 

 当日の活動(訪問)計画は前日に必ず作成します。
日報の役割は「一日の活動を振り返り、その成果や反省点を報告し、次の活動を改善するため」ものです。

 「今回の訪問の目的は何か」「なぜこの商品をこの顧客(お客様)に勧めたのか」「次回の商談はどう組み立てるべきか」、といったことを営業マン自身に考えさせ、気づいた点、感じた問題点とその対応策を書かせることです。

 これらの点を踏まえ、作成に際しては、日報の目的を理解した活動計画とします。

 日報の活用で気を付けなければならないのは、あまりにも細かい報告を義務付けて、営業マンの管理をがんじがらめにしてしまうことです。

 事務的な作業を増やして営業に注力できなくなったり、自由な営業に縛りがかかったりと、マイナス効果を生んでしまう恐れがあります。

 1日活動計画表は「月間・週間行動計画表」とリンクさせて使います。

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