経営理念を浸透させ組織を活性化

株式会社LIFULL

  ビジョン採用や社内制度への活用

 不動産情報サービス事業を展開する株式会社LIFULLでは、「利他主義」を社是に、「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念に掲げています。「見つけるべきは、僕らと一緒に経営理念を目指してくれる仲間」という思いの下、従来のスキル重視の採用から、経営理念に重きを置いたビジョン採用へ、人材採用の基準を見直しました。また、経営理念を実現するために必要な新規事業のアイデアを募る「SWITCH」制度や、経営理念や部門ごとのビジョンの理解度を図る「LIFULLテスト」を実施するなど、経営理念を社内制度にも活用しています。

 

株式会社スタメン

  メッセージの発信によるエンゲージメントの向上

 エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を運営する株式会社スタメンの経営理念は、「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める」です。理念実現のために必要な手段として「エンゲージメント経営」を位置付けている同社では、経営理念に基づいたメッセージを社内に意識的に発信しています。例として、オフィスを改装する際には、「スタメンは一人でも多くの人に感動を届けなければいけない。そのためにどんどん成長していく会社であることを実感するために、みんなでオフィスをつくりたい」というメッセージを伝えました。このように、経営理念に沿ったメッセージを日常的に伝えることで、従業員のエンゲージメント向上を図っているようです。

 

株式会社スープストックトーキョー

  成果発表会や人材採用への活用

 「食べるスープの専門店」を全国展開する株式会社スープストックトーキョーでは、「世の中の体温をあげる」という企業理念を掲げています。企業理念を体現する経験を従業員一人一人に積んでもらい、「こうすればいいんだ」と実感してもらえるように始めたのが、「SSTグランプリ」という成果発表会です。オープンな場で称賛されることにより、従業員は客観的な視点で「自分たちの価値」に気付けるようになりました。また、企業理念を実現するために重要なのは「店舗」や「そこで働く従業員」だと考え、商品のこだわりをジブンゴトとして伝えていく力・共感を生む力がある「表現力がある人」を採用する「表現力採用」を行っています。

 

エイベックス株式会社

  構造改革の一環として、企業理念を改定

 音楽事業を展開しているエイベックス株式会社のタグライン(企業理念)は「Really! Mad+Pure」です。同社では、市場で求められる価値観が「所有(モノ)」から「体験(コト)」へ変化したことや、ユーザーの置かれた環境が以前よりも格段に便利なものになったことなどを受け、新しい価値・イノベーションの創出のため、2015年に構造改革を開始しました。構造改革の一環として改定されたのが、企業理念です。従業員の意識を高め、主体的に行動できる人材を増やしていくため、理念の浸透を四六時中考える「理念浸透プロジェクト」を、人事担当者や広報、経営陣を主体に実施しています。

 

ピクスタ株式会社  「押し付けないけどみんなで大事にする」という距離感

 クリエイティブ・プラットフォーム事業を展開するピクスタ株式会社は、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」という企業理念を掲げています。「理念に共感してもらうことが大事」という風潮もある中、同社は「個人の想いは人それぞれ違うんだから、完全に共感することなんてできない」というスタンスです。しかし、企業理念をまったく重要視しないわけではなく、「押し付けないけどみんなで大事にする」という距離感を大切にしています。採用段階では、応募者にこれまでの経験や日ごろから大切にしていることを振り返ってもらった上で、同社の企業理念や行動指針と重なる部分があるかを考えてもらっているようです。

 

 経営を行う上での判断基準となる経営理念は、時代の流れや社会のニーズに対応する形で、何度も再定義することが望ましいとされています。経営理念を策定し、社内外に浸透させることで、「従業員の意識統一」や「従業員エンゲージメントの向上」「企業価値・ブランドイメージの向上」などが期待できます。「他社の経営理念を見て、イメージを膨らませる」「将来的に実現させたいことを書き出す」といったフローを踏んだ上で経営理念を作成し、企業や従業員の成長につなげてみてはいかがでしょうか。

経営理念10選

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