成功者に大切な「三福」の思想

   大川隆法 未来への羅針盤 ワールド・ティーチャー・メッセージ No.195

大富豪とは「大勢の人を船で渡したい」人

 それは、思いの強さの違いでしょう。

 その思いの強さは何かというと、結局、「自分一人がボートに乗って漕げばいい」、あるいは、「自分や自分の家族がなんとかなればいい」と思っている人と、「できるだけ大きな筏なり、大きな船をつくって、大勢の人を乗せて、向こう側に渡したい」と思うかどうかの違いでしょう。

 一般の人は、自分のボートが泥船でなくて、沈まずにちゃんと向こう岸に着けたら、それで十分、あるいは、家族が乗れたら十分だと思っています。これが普通の人の負っている義務です。

 しかし、大富豪は、昔の言葉で言えば、「大きな筏に大勢を乗せたい」、今の言葉で言えば、「大きな船で渡したい」という希望を持っている人たちです。この違いが一つあります。

 

「福を惜しむ心」と「おすそ分けの気持ち」を

 そして、大富豪の信仰生活で「絶対、外してはいけないことは何か」というと、お金が儲かり始めると、それが面白くなってきます。しかし、その面白くなっていくときに、もう一度原点に帰って、「三福(惜福・分福・植福)の説」を思い出していただきたいのです。

 お金が儲かってくるということは、要するに、福が自分に付いてくるわけです。そのときにはまず、自分に入ってきた富の一部を惜しむ「惜福」が大事です。

 「一時金が入ってきたから、これをバッと、難波(大阪の歓楽街)で使っちゃおうか」という思いが出てきても、それをグッと押さえて、「いや、待てよ。今後まだ、投資しなければいけないものや、寄付したいことがある。一晩でパッと散らしたいところを、ここはグッと我慢して、近くの喫茶店に行って終わりにしよう」というのも惜福です。子供にもパッと何か買い与えてやりたいところを、「学校に受かってからにしようか」ということだって惜福かもしれません。このように、「福を惜しむ心」を持っていなければいけません。

 また、「分福」と言って、自分が運良くいろいろ儲かったり収入が入ってきたりしたときに、「ああ、自分一人のものにしてはいけないんだ」と考え、他の人にも、その恵みを少しずつおすそ分けすることです。

 昔で言うと、何かお祝いごとがあったときに料理をいっぱいつくったら、隣近所にもおすそ分けするようなことがありましたが、ああいうことは分福です。自分に何か、他の人にあらざるような良いことが起きたら、それを少しおすそ分けしようとする気持ちを持つことです。

 あるいは、お金や物でなくても、成功するための考え方をお分けするということでもいいと思います。自分の会社が成功したら、「こういうことでうまくいった」「こういうことをしたら、リピート客が増えるようになった」「こういう挨拶や接客の仕方をしたらすごく良くなった」など、成功談の一部を話してあげることです。

 普通の人は、「なぜ成功したか」は隠したいものです。ずっと隠したまま、死ぬまで持っていきたいところですが、それを他の人にも教えてあげるのは「分福」に当たります。

 

「植福の気持ち」があると成功が長く続く

 さらに「植福」とは、「自分の儲かったものを全部自分だけのものにしないで、その一部を世の中にお返ししたり寄付したりする」ということです。

 これは匿名であってもいいし、多少は知られてもいいと思います。アメリカのほとんどの企業でも、利益のうち1パーセントぐらいを寄付するぐらいのことは、皆やっています。また、政治家や大統領などになっていくような人も皆、本人もしくは奥さんなどが、休日や夜に何らかの奉仕活動をするなど、自分の時間や労力、お金などいろいろなものを、自分の本業と関係のない公共のところに差し出していくということをやっています。そういうところは大事だと思います。

 儲かったら儲かったなりに、少しずつそうやって、縁があったところへ寄付していく気持ちは持っておいたほうがいいでしょう。自分が信仰している宗教もあるでしょうけれども、他のものにまで、それが及ぶ場合もあるでしょうね。

 そのように、「お金が貯まったら、それをいろいろな良いことのために使いたいな」という気持ちを持っていると、その成功が長く続くということは言えると思います。

 ですから、成功者になった場合、絶対忘れてはいけないのは、この「三福の思想」を繰り返し思い返すこと。これだけ忘れなければ、成功は続いていく可能性が高いと言ってもいいと思います。

参考

経営と真理 へ

「仏法真理」へ戻る