転ばぬ先の杖と幸福を増進

 経営とは、単なるお金儲けではなく、現にある「ヒト・モノ・カネ・情報」等の経営資源を使って、それらの合計以上の成果を生み出すことである。

 経営の手法が優れていれば、その組織体は発展していくのであり、発展の法則というものは必ずあるが、現人の悩みの大半は経済的原因によるものが多いので、発展の法則を研究することは悩みの解決手段ともなる。

 また、大勢の人が働く職場である会社が傾いたり倒産するのは、非常に危険なことだから、その運営を正常化するために経営理論を知っていることは、「転ばぬ先の杖」になるだけではなく、さらに幸福を増進することにもなる。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『社長学入門』で以下のように説かれました。

「しかし、私は、経営を単にお金儲けと考えているわけではなく、「経営とは、現にある『ヒト・モノ・カネ・情報』等の経営資源を使って、それらの合計以上の成果を生み出すことである」と考えているのです。
 例えば、百人の人が単にバラバラに仕事をしても、百人分の仕事以上のものにはならないでしょうが、この百人が、一つの理念の下に、優秀なリーダーに率いられて仕事をすると、百人分の合計以上の成果を出すことができます。
 これは分かるでしょう。良きリーダーがいれば、百人が、ただ、バラバラに行っている単純仕事の合計よりも、もっと良い仕事ができるのです。
 それから、物の使い方に関しても、個人個人が、ただ、バラバラに、好き勝手に、いろいろな物を使うよりは、例えば、「現にある施設や道具等を使って、もっと大きな生産ができないか」というような観点から考えると、単にその物が生み出す価値以上のことができるようになってくるわけです。
 また、お金もそうです。個人個人が、バラバラに持っているだけ、あるいは、バラバラに貯金しているだけであれば、銀行の預金金利以上の仕事はしないのですが、例えば、そのお金を集中させて、一定以上の額にし、それを事業資金として使うと、大きな投資効果のある事業をすることができます。
 これは情報についても同じです。
 ある情報をタクシーの運転手が持っていて、その情報は、タクシーの運転には必要のないものであったとします。ところが、タクシーのお客さんのなかに、その情報を必要としている人がいて、その人が運転手からそれを聞いた場合には、その情報は価値を生むことが当然あります。
 しかし、組織においては、そういう偶然を求めていたのではいけません。必要な情報が必要なところに集まり、良い判断ができて、成果を生み出せるように、組織を組み立てていかなくてはならないのです。
 このように、「ヒト・モノ・カネ・情報」等を使って、その総計以上の成果を出す方法が経営の手法であり、これが優れていれば、大きな結果を生んで、その組織体は発展していくことになります。
 したがって、一人か二人で始めた事業が、やがて、五十人、百人になり、千人、万人になることは十分にあるわけです。これは非常に不思議です。
 どういう仕事かということによって、やり方が違うので、定式化することは難しいのですが、発展の法則というものは必ずあります。
 現代では、個人のレベルにおいても、悩みの大半は経済的原因によるものであることが多いので、発展の法則を研究することは、現代人の悩みを解決する手段ともなります。
 また、会社は大勢の人が働いている職場であり、その意味では、会社が傾いたり倒産したりすることは、非常に危険なことです。したがって、その運営を正常化するために、こういう経営理論を知っていることは、「転ばぬ先の杖」になるだけではなく、さらに、幸福を増進することにもなると思います。」
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