仕事の達人はやっていた 結果を出せる25のルール

仕事の基礎力不足

 今一度、仕事の基本を徹底してみよう。まずは仕事をすべて紙に書き出し、それぞれの締め切りがいつなのかはっきりさせることが第一歩です。いざ仕事を始めるときは意外に「片付け」が重要だ。机には今やるべき仕事に関係するものだけを広げ、使わないものは見えないところにしまい、不要なものは捨ててしまおう。目の前の仕事に集中することで、仕事はスピードアップする。

 もし、部下や自分自身の残業が常態化しているなら、それが「習慣」になっている可能性がある。毎日、何に時間を取られているのかを分析し、成果を生まない仕事は思い切ってやめてみるなど、見直しが必要だ。

 今日できることを一つひとつ確実にこなし、明日に持ちこさない。この基本を徹底すれば、必ず仕事は進む。

 

1 毎朝、「今日は何ができるか」を紙に書き出すべし

「会社に出勤したら、『きょうは何をすべきか。きょうの自分の仕事は何か』ということを書き出してみてください」(『 幸福の法』)

 これをそのまま実践したという営業職の男性は、「任された仕事の40%しかできなかった自分が次第にできるようになり、やがて100%を超え、支店長になりました」と話す。現在は、本社で20の支店に対して推進業務を行っている。

 

2 「いつまでにやるか」を決めるべし

 デッドライン(締め切り)を決めることの大切さを力説するのは、残業ゼロと19期連続増収増益を実現した方がいる。「今日中にやらなければならない仕事があって、4時間かかる見込みだが3時間しか使えず、残業はダメとなったら、3時間に短縮できる。こうしたことを続けるうちに仕事が早くなり、成果も出るようになります」と語っている。

 

3 悩んだときは「今すぐにできること」を行動に移すべし

 問題が解決できずに悩み、時間がかかることもある。幸福の科学大川隆法総裁は、そうした人へのアドバイスとして、「時間的に見て、『今すぐに解決できるもの』と、『そうではないもの』とを分けなくてはいけません」と述べている(『不況に打ち克つ仕事法』)。悩みを紙に書き出し、分類した上で、今すぐにできることを具体的な行動に移したほうが、結論は早く出るということです。

 

4 部下に「自分の機能」をコピーすべし

 とあるレストラン経営の女性は、「自分と同じように考え、自分の機能の一部を代替できる人」を育てることで、自分は重要な客に対応したり、方針を考えたりできるようになったという。

 また、営業職の男性は、部下に「今日は何をするか」を聞き、その結果を報告させ、コーチングのようなかたちで会話しながら自分の仕事のやり方を教えている。

 

5 「今使うもの」以外は机の上に置くべからず

 仕事が進まないとき、「片付け」が意外な効果を発揮する。サービス業の女性は、「前年度に使った地図を思い切って捨てました。捨てることで、今やるべきことが見えてきます」と話す。また、「一瞬一瞬はひとつのことに集中しなければ進まないので、『忘れる工夫』をしていました」と語っている。

 

6 メールは読んだらすぐ返信すべし

 メールも書類も、保留すれば溜まる。溜まっていると気になって、目の前の仕事に100%集中できない。メールの返信を保留するタイプだったという方は、「読んだメールはすぐ返す。書類も読んだらすぐ決裁する」という先輩のアドバイスを実践し、速くて正確な判断ができるようになっていったという。判断を速くしようと決意することから始めてみよう。

 

7 今日、今週、今月の予定を頭に入れ明日必要になる仕事を今日すべし

 予定外の仕事が入ってパニックになり、何も手につかないまま1日が終わる。そんな悲しい事態を防ぐには、瞬時に1日のスケジュールを組み直す柔軟さと前倒しが必要です。

 サービス業の女性は、「1ヵ月くらい先までスケジュールを立て、いつも頭に入れています。そうするとイベントの準備などを前倒しでき、急な相談事や来客があっても余裕を持って対応できます」と話している。

 

8 朝早く出社すべし

 「早起きは三文の徳」は不滅です。建築業の女性は、朝早く出社して、集中力を必要とする工程表の作成をしているという。「朝なら30分でできるのに、昼間は電話などが入って1時間近くかかってしまうんです。朝、静かなうちに仕事を進めておくと、気持ちに余裕ができ、やる気も出るようになりました」というから、早起きは時間的にも精神的にもお得なのです。

 

9 時には会議をやめてみるべし

 「すべてのものは80対20の比率で分割でき、重要な20%を制すると、全体の80%を押さえられる」というパレートの法則は仕事にもあてはまる。

 成果に大きくつながらない8割の仕事をいかに捨てるか、またはクオリティが低くてもよしとするかを考えるべきです。会議をやめてみるのも方法のひとつ。必要なら復活すればよい。

 

10 時間が何にとられているかを知るべし

 ドラッカーは、「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする」と述べている(P・F・ドラッカー著『経営者の条件』)。そこで、まずは自分の1日の使い方を知ることから始めてみよう。

Step 時間配分を書き出す

 24時間スケールに、あなたの昨日の行動を記録してみよう(夜寝る前なら今日の行動)。ポイントは、なるべく細かく、できれば10分刻みで思い出すこと。

Step 仕事を整理する

 Step1で書き出した行動のうち、仕事面に絞って、重要度と緊急度をマーカーなどで色分けしてみよう。色分けしたら、それぞれにかかっていた時間を合計し、下のような表に記入してみよう。

Step 自分の時間を分析する

 あなたは重要な仕事にどれだけ時間を使うことができているだろうか。「緊急・重要な仕事」はもちろん大事だが、最も未来の成果につながるのは、「緊急ではなく・重要な仕事」です。また、重要ではない仕事で、あなたがやらなくてもいいものは、部下に任せ、重要な仕事に時間を使えるようにしていこう。

パレートの法則 (参考『経営入門』)

 すべてのものは80対20の比率で分割でき、重要な20%の部分を制すると、全体の80%を押さえることができる。あなたの仕事の重要な20%は何か、考えてみよう。

タイムベースマネジメント(参考『 社長学入門』)

 時間を縮める、あるいは回転率を上げることは成果を大きくする。「その仕事にかかる時間を縮められないか」という視点で考えてみよう。

コミュニケーション力不足

 コミュニケーションがうまくとれていないために、仕事がなかなか進まないこともある。

 部下であれば、任された仕事について、判断に迷った時に相談したり、途中まで終わったことを中間報告しておけば、時間が短縮できることも多い。

 上司やリーダーの立場であれば、仕事をいかに部下に任せるかを考える必要がある。もし、部下の仕事の完成度が7~8割でも、その間自分はより重要な別の仕事ができれば、組織全体としての時間密度を高めることになる。相手の熟練度に合わせて注意すべき点を前もって伝えながら、部下を信じて任せてみよう。

 リストラの対象になりやすいのは、能力が低い人よりも協調性がない人だという。仕事を進めるにあたっては、能力もさることながら、コミュニケーションがいかに大切かを物語っているのではないだろうか。

 

11 周りの人の行動や話の内容表情を観察すべし

 コミュニケーションの基本は周りの人々に関心を持つことです。大川隆法総裁は、出世しない人に、「自分の仕事だけに熱中してはいけません」とアドバイスしている(『不況に打ち克つ仕事法』)。

 サービス業でリーダーを務める女性は、スタッフ一人ひとりを観察して適材適所を見極め、リーダーになって以来ずっと目標を達成している。

 

12 上司に「あの件はどうなってる?」と言わせるべからず

 上司の「任せたよ」は、「好きなようにやってよい」という意味ではない。大川隆法総裁は、「仕事の途中には、考え方などが変わる『重要ポイント』があるので、きちんと伺いを立てたり、報告をしたりする癖をつけなければ駄目なのです」と述べている(『不況に打ち克つ仕事法』)。タイムリーで的確な報告を心がけよう。

 

13 上司によって報告の仕方を変えるべし

 ドラッカーは、「上司が代わっても同じ報告の仕方を続ける者がいる。結果は悲惨である。上司が代わればコミュニケーションの仕方を変え、報告の仕方を変えなければならない。どう変えるべきかは、行って聞くしかない」と語っている(P・F・ドラッカー著『プロフェッショナルの原点』)。

 

14 指示を受けたら質問すべし

 指示通りやったつもりが違っていたという苦い経験は、誰にでもあるのではないだろうか。この対策について、大川隆法総裁は、「上司が部下に仕事の指示をするときには、本当は『自分ならこうする』という結論をすでに持っていることが多いので、上司に幾つか質問をすればよい」(『不況に打ち克つ仕事法』)と語っている。

 

15 部下に仕事を任せ小さな失敗をさせるべし

 立場が上がれば、それまで自分がやっていた仕事を部下に任せざるをえない。

 公務員の男性は、業務上、ひとつのミスが重大な事故につながることもあるため、部下に仕事を任せることが苦手だったという。しかし、「失敗してもいいことを任せ、失敗させることで、本人に危機感が生まれ、成長する」ことを発見した。

 

16 判断材料となる情報は部下と共有すべし

 毎日の早朝会議で、社員全員の判断を速くするための情報の共有化を行っていた。社内で共有すべき情報にもいろいろあるが、最も重要なのは、判断のベースとなる『常識』が何なのかを全員が共通認識として持つことです。

 

17 成功事例の情報を集め、共有すべし

 成果をあげたい気持ちはあっても、具体的な方法がわからないことも多い。営業職で支店長を務めていた男性は、他支店の成功事例を常に集めていたという。「成功事例には仕事のヒントがたくさんあります。部下が『それならできるかも』と思えるような情報を集めて共有することで、仕事の速度が上がりました」。

 

18 身近な人の協力を「あたりまえ」と思うべからず

 中学生の子供2人を持つ接客業の女性は、家族に対していつも「ありがとう」と口に出して言っているという。「協力してくれるのが当然と思っていると、主人の実家や子供の学校で問題が起きて大騒ぎになりますが、感謝していると問題が起きてもすぐ解決するんです」。感謝には時間を縮める不思議な力があるようです。

気力・体力不足

 やる気や集中力がなく、仕事に時間がかかる場合、体力の低下が原因かもしれない。

 忙しい毎日の中では身体のメンテナンスが後回しになりがちだが、体力が落ちると判断力や交渉力が落ちる上、発想が悲観的になりやすい。特に、睡眠不足が続くと、仕事の能率は上がらず、帰りが遅くなるという悪循環になりかねない。運動の習慣も大切です。運動に時間を使い、基礎体力をつけることで、かえって仕事の能率は上がる。さらに、長く働くためには目・肩・腰を大切にケアする必要がある。上手に休みを入れるなどして、メリハリをつけよう。

 運動や休憩は、一見仕事の時間を減らすようにも見えるが、長い目で見れば、そのほうが多くの仕事ができるのです。

 

19 毎日1万歩歩くべし

 仕事能力と体力は大きく関係する。大川隆法総裁は、「『ここ一番』という大きな事業や仕事をしようとするとき、肝心なのは体力です」と述べている(『仕事と愛』)。

 1日1万歩を目標に歩いているという会社経営の男性は、「昨年、会社の危機があり、海外出張が続きました。60代でこれができたのは、体力のおかげだと思います」と話している。

 

20 睡眠時間は削るべからず

 睡眠時間は削らないほうがよ。大川総裁は、「睡眠不足だと悪いインスピレーションが多くなりますし、睡眠不足の人は、長い目で見てやはり成功しません」と述べている(『不況に打ち克つ仕事法』)。緊急事態で徹夜という日もあるかもしれないが、常に睡眠不足なら改善が必要です。

 

21 仕事を小分けにして「今すぐできること」をやり始めるべし

 やる気の起きない人に、大川隆法総裁は、「目の前にぶら下げるニンジン、すなわち目標を考えることが必要です。それは、あまり大きな目標ではだめです」「手近なことのなかで、『少なくとも、これはやった』と思えるような目標を探すことが大切です」とアドバイスしている(『「幸福になれない」症候群』)。

想像力不足

 仕事をする上で、意外に必要になるのが「想像力」です。たとえば、「カン」が鈍く、相手の気持ちが分からない場合、顧客や取引先、上司や同僚などを不快にさせてしまうことがある。相手が忙しい時に限って声をかけたり、上司が求めている仕事の報告をせず、いつも催促されるといったことが多いなら、相手の立場に立って考える習慣をつけよう。自分の仕事の流れだけではなく、周りの人の様子を察することも仕事のうちなのです。

 また、リーダーや経営者であれば、インスピレーションが仕事に大きく影響を与えることがある。よい判断には、「人事を尽くして天命を待つ」姿勢が欠かせない。

 

22 交渉の際は相手と「一体化」して説得材料を集めるべし

 建設業の男性の話。「役所の許可が下りにくい敷地に建物を建てるための交渉のときのこと。役所の担当者が上司を説得する場面を想定して資料や説得材料を集め、交渉したところ、すみやかにOKを引き出すことができ、必要な時期に間に合いました」。相手を理解すると仕事の速度は上がるのです。

 

23 「絶対にやる」と決めるべし

 首都高速道路の羽田空港~代々木間は、1964年の東京オリンピックに合わせて計画から5年で開通した。当初は「約500年かかる」と言われたが、世界からの来場者のために「絶対に完成させる」と決めたところ、高架にして用地買収を省くというアイデアが出てきた。各地の鉄工所などから協力の申し出も相次いだ。絶対にやると決めたことで、アイデアや協力が集まってきた。

 

24 朝の通勤電車で寝るべからず

 営業職の男性は、仕事のリストアップと組み立てを、朝の通勤電車の中で行っている。「朝は、『あの人に電話しよう』『これを1番にやろう』など、いろいろな仕事のアイデアが湧いてきます。夜はまったく思いつかないので、朝はアイデアを得て時間密度を上げる、貴重な時間です」と語っている。朝のインスピレーションを逃さずキャッチしよう。

 

25 瞑想の習慣をつけるべし

 一見、仕事とは逆の行為に見える瞑想が仕事の速度を上げる。サービス業で管理職を務める女性は、毎週土曜日に必ず一人の時間をとるという。「瞑想していると、『これだ』という強い確信とともにインスピレーションが降りてくることがあります。昨年それを実行に移したところ、躍動感を感じながら取り組むことができ、成功にもつながりました」。

参考

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