新しい商品・サービスの開発や新しい仕入先・販売先の開拓を行う

製品を6つの分野で見直しを

 新製品は大きく以下の6種類に分類できます。

まったく新しい市場を創造する「①純粋な新製品」は、実際にはそれほど多くありません。この場合、市場が存在しないわけですから、成功すればオンリーワンとなる可能性はありますが、リスクはかなり高いといえますから、より慎重に進める必要があります。

既に他社が持っている市場に自社が初めて参入する「②自社にとっての新製品」は、市場がある程度でき上がっていて、他社製品の分析が可能であるというメリットはありますが、先行している企業の製品とどう競争していくかが成功の鍵となります。

 次は、既存製品をベースにした改良です。

「③コストダウン」は、同等の機能を持つ製品を低価格で提供するケースです。

「④製品バリエーション追加」は、オプション追加、マイナーチェンジ、大きさ変更などで既存製品のバリエーションを増やすもので、カップラーメンに新しい味を導入したり、小型ショベルカーを製品ラインに加えたりといった例があります。

「⑤高性能の代替品」は、既存製品に替わる高性能の代替品を導入するもので、新型乗用車の開発がこれに当たります。これらは既存市場への対応が中心となるため、既に持っている顧客のニーズをどう開発につなげていくかが重要になります。

 意外と見落としがちなのが、既存製品をこれまで販路としなかった顧客に販売する「⑥リポジショニング」です。以前 4WDの車が爆発的に売れたことがありました。本来なら悪路走行用の車ですから、街中では重装備すぎるのですが、アウトドア志向の人だけではなく、ファッションとして乗る若者をターゲットにしたことで売上を伸ばしました。若者たちは、一種の新製品と捉えたのです。農家だけではなく家庭菜園をする人にも売れている小型耕運機のように、③④⑤の改良によって、他の市場にもマッチした製品に変化するケースもあります。自社の既存製品を既存のターゲット以外に販売することができないか、一度検討する必要がありそうです。

 

新たな販売先、仕入先の検討

 このように、一口に新製品といっても さまざまなタイプがあります。まず、自社がどのような新製品を開発していくのかを定めたうえで、計画的に新製品を開発していくことが必要です。また、新たな販売先の可能性を探っていくのはもちろんのこと、自社の新製品につながるような素材や製品がないか、既存の仕入先だけではなく、新しい仕入先の情報を含めて収集していくことも求められています。

 

有望な新事業開発に対して、必要な予算と人材を投入しているか

 新事業開発にはスピードも重要です。せっかく新しい商品やサービスを開発しても、市場への導入が他社に遅れれば、その効果は半減します。中小企業では資金や人材は限られていますから、最も有望なものを選び、そこに集中的に資源を投入することが求められます。こうして、どのような新事業を開発するのかを明確にすることは、経営者と従業員の間での、企業のめざす方向性の共有につながるとともに、開発責任者や技術者を動機づけることで、人材育成の機会にもなるのです。

 

新事業開発に関して、営業、開発、生産等の部門間の協力体制が整っているか

 新事業の開発は経営陣や開発チームだけではうまくいきません。試作をうまく量産に乗せていくには、生産部門と協力した設計の調整が不可欠です。実際に顧客に新製品を販売していく営業部門も、新製品のコンセプトを十分理解しておく必要があります。新事業の開発は、全社一丸となって初めて成功するのです。

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