社員のアイディアや集めた情報を汲み上げ、新事業・新製品の開発や顧客開拓に役立てよ

新事業、新製品の失敗の原因

 新事業や新製品の開発は容易ではありません。せっかく新しい製品を開発しても、売り出してみると パッとしないケースがみられます。このような新事業や新製品の失敗には いくつかの要因が考えられます。

 第1に製品自体の問題です。アイディアがよくても、技術が追いつかずに期待した性能が達成できなかったり、製造価格や開発コストを過小評価したために販売価格が高くなりすぎたりすれば、新製品はなかなか市場で認めてもらえません。

 第2に、市場情報の不足です。まず、市場規模自体を過大評価してしまうと、どんなによい製品でも売上は予定通りいきませんから、投資が回収できなくなります。また、販売するターゲットの選定が適切でなければ、製品は売れません。そのほか、予期しない競合他社の参入や政府の規制によって、市場が分割されたり縮小されたりすることも考えられます。

 第3に、経営陣の判断ミスです。技術や市場に関する情報が適切に経営陣に届いていても、先入観による思い込みや過度の自信から、不都合なデータを無視してしまうことが意外に多いものです。

 

 

全社的な情報収集と共有を

 こうした失敗を避けるためにも、経営者は自ら情報収集を心がけるだけではなく、従業員の収集した情報を汲み上げる必要があります。直接顧客と接する営業担当者は、経営者の知らない重要な市場のトレンドを感じているかもしれません。開発担当者や製造担当者は技術上の問題点に早い時期から気がついているはずです。彼らが技術や市場に関する情報を積極的に観察して、タイムリーな情報提供や経営者へ意見を述べることができるような仕組みをつくることが経営者には求められます。こうした従業員の意見の活用は、新製品の企画段階でのアイディア収集や新たな顧客の開拓にも有効な手段です。

 もっとも、仕組みができていても、経営者がそれをうまく活用しなければ意味がありません。最初は情報や意見が集まっても、それがまったく活用されないということがわかれば、従業員も次第に何も言わなくなってしまいます。従業員の意見を無視したうえで、自らの判断ミスによる開発の失敗の責任を開発担当者や営業担当者の責任にしてしまったりすれば最悪です。最終的には、従業員の声を聞く姿勢を経営陣が持てるかどうかというのが、情報を活用するうえでの重要な鍵であるといえるでしょう。

 

 

営業で得た情報が社内の他の部署にもスムーズに伝わる体制ができているか

 営業担当者が情報を持っていても、経営陣や開発担当者に伝わらなければ意味がありません。市場に関する情報を積極的に観察するよう指示を出すとともに、定期的に各部門の担当者レベルも含めたミーティングを行ったり、開発チームに各部門から代表者を参加させたりするなど、タイムリーな情報収集が可能になる仕組みをつくることが求められます。新製品の不振の責任を、営業部門と開発部門とで押し付け合っているような企業は、こうした情報伝達がうまくいっていません。逆に、「売れる」新製品を開発している企業は、両者の連携もきちんと行われているのです。

 

 

アイディアの創出を促すため、幹部や従業員に外部の展示会や勉強会へ参加させているか

 新製品のアイディアを生み出すためには、市場や業界に関する情報や基礎的な知識が欠かせません。展示会は最新の市場トレンドを把握する絶好の機会です。また、商工会議所、中小企業団体、金融機関、大学などが主催する経営や技術に関する さまざまな講演会や勉強会も大いに役立ちます。経営者がこうしたイベントに積極的に参加することは もちろん重要ですが、必要に応じて従業員も こうしたイベントに参加させ、アイディアを創出する能力の底上げを図っていくことが求められます。

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