コトラーの「マーケティングマネジメント」
フィリップ・コトラーは、近代マーケティングの父と言われるマーケティングの大家です。顧客のセグメンテーション、ターゲティング・ポジショニングのSTP理論 や マーケティングの4P を広く普及させたことで知られます。
マーケティング理論が体系化されたことで世界中に広がります。
コトラーは戦略的マーケティング・プロセスを作りました。次の5ステップから構成される。
1.調査(Research)
2.セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)
3.マーケティング・ミックス(MM)
4.実施(Implementation)
5.管理(Control)
調査
まず企業内外の環境分析をする必要があります。
・PEST分析
・5F分析
・3C分析
・SWOT分析
・PPM分析
と呼ばれるフレームワークが多用されます。
STP
・セグメンテーション
自社が有利になるように市場に分割する
・ターゲティング
自社が勝てる土俵を決める
・ポジショニング
競合他社と差別化できる戦い方を決める
・RFM分析
顧客を、顧客の購買行動を「最終購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「累計購買金
額(Monetary)」の3つの指標から分類し、顧客のこれまでの購買行動・購買履歴から、優良顧客の抽出などを行う顧客分析手法で、セグメンテーションの手法の一つとして採用されることがあります。
・アンゾフマトリクスの応用
自社が勝てる土俵(細分化された市場)を、顧客×製品・サービスのマトリクスで選び取る
手法で、ターゲティングに活用されます。
4P(MM:マーケティング・ミックス)
・製品(Production)
・価格(Price)
・流通チャネル(Place)
・プロモーション(Promotion)
4P(製品・Product)(価格・Price)(流通・Place)(プロモーション・Promotioin)をもとにマーケティング戦略を考えます。
プロダクト・ライフサイクル(PLC)により、商品・サービスの導入期・成長期・成熟期・衰退期をまとめ、栄枯盛衰のステージに合わせマーケティング戦略を考えるツールです
コトラーは、マーケット上の自社のポジションによってとるべき戦略パターンを、①マーケットリーダー、②マーケットチャレンジャー、③マーケットフォロワー、④マーケットニッチャー、の4つに分類して、戦い方はそれぞれ異なり、またそれだけで決まる と提唱しました。
コトラーのもう一つの慧眼は、プロダクト・ライフサイクル(PLC:Product Life Cycle)戦略です。しかし、これが経営戦略論の中で物議を醸した一大事でした。
PLC戦略は、製品自体の栄枯盛衰のステージ(黎明期、成長期、成熟期、衰退期)に合わせて、市場規模・収益性やターゲット顧客・とるべき手はだいたい決まる というもの。
競争的マーケティング戦略は、市場におけるマーケットポジション(リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー)によって基本戦略は異なる というもの。
「事業とは顧客の創造である」と看破したドラッカーが残した言葉に、「マーケティングの目的は販売を不要にすることである」があります。マーケティングという活動のもっとも優れた定義のひとつとして今でも使われ続けています。
同時に、「企業のあらゆる機能の中で、マーケティングは、唯一アウトソーシングできない中核機能である」と。マーケティングとは、事業そのものであるといっても過言ではありません。