「SWOT分析」の誕生

アンドルーズが「戦略プランニング手法」を広めた

 バーナード、ドラッカー、アンゾフ、チャンドラー、そして、バウアーたちが打ち立てたコンセプトを整理し、世に広めたのがHBS(ハーバード・ビジネススクール)の看板教授だったケネス・アンドルーズでした。

アンドルーズは、34歳の頃には、HBSで「ビジネスポリシー」コース改訂チームの中核となり、彼らが作り上げた、企業戦略論を中核としたビジネスポリシー授業は大成功を収め、その長くHBSの人気科目となりました。その内容を、1965年に『ビジネスポリシー:テキストとケース集』に著すと、多くのビジネススクールがこぞって教科書として採用し、彼が整理し、作り上げた考えは、あっという間にアメリカ人エグゼクティブたちの共通認識・共通言語となった。

 

 

「ビジネスポリシー」とは

基本はトップマネジメントの果たすべき機能であり責務である。

その具体的内容は、「企業戦略レベルでの戦略プランニング手法」であり、基本部分は、 「外部環境分析」 「内部環境(組織・人)分析」 「戦略構築」、 「実行プラン」、というプロセスから成り立ち、どの経営戦略本を開いても このように紹介されています。

さらに、アンドルーズの労作について、特筆すべきものは、上記ステップでの作業を、トップマネジメントたちが実践できるように詳細化・具体化したところです。その中で用いた分析ツールから「SWOT分析」が生まれました。

 

内部(組織)要因で、自社の目的達成にポジティブな要素を「強み(Strengths)」、ネガティブな要素を「弱み(Weaknesses)」、外部(環境)要因で、ポジティブな要素を「機会(Opportunities)」、ネガティブな要因を「脅威(Threats)」と整理するものです。

企業戦略とは、外部環境における「機会」と内部環境における「強み」を組み合わせることにある、とバーナードらは示しました。その考えを具現化するための分析ツールが この「SWOTマトリックス」だったのです。

アンドルーズのHBSにおける「ビジネスポリシー」の授業自体がすでに「アート」でした。

様々な角度からの分析があり、生徒たちがいろいろな意見を述べ、議論が拡散した時に、アンドルーズが見事に議論を収束させ、彼の変幻自在の講義リードに出席者は誰もが感嘆し、心酔したと言われています。

 

スタンフォード研究所のアルバート・ハンフリーが、企業の中期計画がなぜ失敗したかを分析する枠組みとして「SOFT分析」なるものを考案します。後に、その軸と中身が改善されて「SWOT分析」の誕生となりました。

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