1990年代後半から~2000年代 イノベーションとリーダーシップの時代へ

1990年代後半からは、先進国における景気の停滞と発展途上国のGDPの伸びが顕著になる中で、あらためて「イノベーション」に注目が集まるようになります。

 

クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」

1997年、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」において、破壊的イノベーションという概念が提唱され、それまでの大企業ではない、別のプレーヤーによって市場を奪われてしまう過酷な現実が明らかにされます。
 さらに、「リバース・イノベーション」など、市場が全世界へと拡大する中で経営戦略も激変する環境変化に対応することが必要とされてきます。

また、企業の差別化あるいは他社による模倣困難性は、戦略の実行力にあり、それは、活躍する人材を生み出す組織(文化)や有能なビジネスリーダーをいかに育てるかが、競争力の源泉であるとする考え方に注目が集まります。

 

クレイトン・クリステンセンは、敬虔なモルモン教徒で、ボストンコンサルティング グループでのコンサルタント時代も、教会と家族のために週末は決して働かないことで知られていた。40歳でハーバード・ビジネススクールの教授になり、45歳で発表した『イノベーションのジレンマ』が話題となる。イノベーションは、顧客のニーズの中からではなく、それから遠く離れたところで生まれ、顧客志向でありすぎるリーダー企業を苦しめると主張した(破壊的イノベーション)。悪性リンパ腫に冒されながらも、「教育」「医療」「ビジネス」でのイノベーションを探究し続けるエネルギッシュな人物です。

 

 

「小さな挑戦を繰り返す人」になろう

主著『イノベーションのジレンマ』の中で、クリステンセンは、「顧客志向でありすぎてはイノベーションは生まれない」と説いています。大手企業は、既存の中核顧客がとても大切なので、その要望に従って既存の技術や仕組みを磨き続けます。そして、いつの間にか、まったく別のところで別の顧客相手に生まれた「破壊的イノベーション」に取って替わられてしまうのだ、と主張しました。

では、どうすればよいのか。とにかく素早く鉄砲を撃ちながら、うまくいったやり方を選ぶしかない。「別働隊を作って、そこでトライアンドエラーを繰り返す」、そんな試行錯誤型の経営が今は必要なのです。

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