ヒッグス粒子

 ヒッグス粒子(Higgs boson)とは、素粒子のひとつですが、理論物理の「標準理論」において考えられた17種の粒子のうち、発見されていなかった最後の一つです。

 ヒッグス粒子は、ヒッグス場を量子化して得られる粒子である。  ヒッグス場とは、1964年にエディンバラ大学のピーター・ウェア・ヒッグスによって提唱された、素粒子の質量獲得に関する理論に現れる場についての仮説である。宇宙の初期の状態においてはすべての素粒子は自由に動きまわることができ質量がなかったが、自発的対称性の破れが生じて真空に相転移が起こり、真空にヒッグス場の真空期待値が生じることによってほとんどの素粒子がそれに当たって抵抗を受けることになったとする。これが、素粒子の動きにくさ、すなわち質量となる。質量の大きさとは、宇宙全体に広がったヒッグス場と物質との相互作用の強さであり、ヒッグス場というプールの中に物質が沈んでいるから質量を獲得できると見なすのである。 光子はヒッグス場からの抵抗を受けないため、相転移後の宇宙でも自由に動きまわることができ質量がゼロであると考える。

 ビッグバンが起きて、あらゆる素粒子やエネルギーが生まれ、爆発的に広がっていったわけですが、ビッグバン直後には素粒子は質量を持っていませんでした。質量がなければ互いに影響を与えることもないため、できたばかりの宇宙空間には素粒子が自由に飛び回っていました。しかし、やがて宇宙の温度が下がると、空間中のヒッグス粒子の影響で、それまで光速に近い速度で飛び回っていた他の素粒子が質量を持つようになりました。そして、素粒子がぶつかったりくっついたりして、電子や陽子になり、原子をつくり、物質ができたとされているのです。このように、物質の起源にかかわっていることが、「神の粒子」と呼ばれている理由です。

 これまでは、「こう考えると説明がつく」という理論上の話で、この理論が正しいことを証明するには、ヒッグス粒子の発見が不可欠でした。しかも、この理論は素粒子物理学の根幹ともいえる「標準理論」のなかで重要な役割を果たしている部分だったのです。

 ヒッグス粒子は、たしかに電子やクォーク(陽子や中性子などを構成する素粒子)などに質量を与えます。ただし、物体の質量がすべてヒッグス粒子に由来するわけではありません。たしかに素粒子の質量はヒッグス粒子が与えていますが、それは陽子や中性子の質量のわずか1%にすぎないのです。  電磁場に電磁波があるのと同じように、ヒッグス場にも「波」があります。しかし、その「波」は「粒」の性質も持っている。つまりヒッグス場における「波」の最小単位が、ヒッグス粒子なのです。ですから、ヒッグス粒子が発見されれば、真空の相転移を起こすヒッグス場が存在することの間接証拠になる。ヒッグス場はそのエネルギー状態にだけあるわけではありません。より高いエネルギー状態では、別の値を持つヒッグス場やヒッグス粒子が存在し、真空の相転移を起こす。

 物質の起源に迫るヒッグス粒子の発見は、霊界と物質界の関係を解明する新しい物理学への第一歩でもある。幸福の科学大川隆法総裁は、『釈迦の本心』で次のように説いていておられた。

「霊の世界における仏の光が、いろいろなかたちで霊体をつくり、また、霊体のなかにある光子体をつくっているのだ。地上に現われるときには、それが霊子という核をつくり、霊子がもとになって、現代物理学でいう素粒子が誕生する。そして、素粒子がさらに大きな物質を構成していくのである」

ヒッグス粒子 「神の粒子」が発見された!

 2008年にスイス・ジュネーブにある欧州原子核研究機構(CERN)で稼働を開始した一周27キロメートルの大型ハドロン衝突型加速器(LHC) で陽子同士を光速に近い速度で衝突させ、その際に発生するヒッグス粒子の痕跡を観測しました。そして2012年、ヒッグス粒子発見のニュースが世界を駆け巡りました。

 物質の起源に迫るヒッグス粒子の発見は、霊界と物質界の関係を解明する新しい物理学への第一歩でもある。

参考

 物理学では、自然界で働いている力は4種類あると考えられています。その4種類とは、コイルの実験でおなじみの「電磁気力」、原子核の崩壊に関わる「弱い力」、原子核の中で陽子と中性子をくっつけている「強い力」、そして重力の4つです。

 ヒッグス粒子の発見によって完成したといわれる「標準理論」は、重力を除く3つの力について、統一的に説明している理論です。ヒッグス粒子のデータを解析することによって、標準理論にまだいくつか残されている問題点や、標準理論では説明できていない重力の秘密など、さらにいろいろなことが分かるかもしれません。ヒッグス粒子は「多次元」を行き来する粒子の第一号になる可能性があるのです。

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