居住環境の改善

 日本は住宅が狭く、かつ、その平均価格も年収の約5倍と高い。子供を育てるのにお金がかかる上、家が狭くて高ければ、産みたくても産めなくなる。これが出産・育児の大きなボトルネックになっている。従って、広くて安い住宅を供給できれば、子供を産む環境が整えられる。

なぜ、家賃が高いのに家は狭いのか

 しかし、日本人にはなぜか、「日本は国土が狭いから、家が狭くて高いのは仕方ない」という思い込みがある。これは誤解であり、容積率を緩和して、稀少な土地を有効利用していけば、実質的な住宅価格を下げることは可能です。

 都市の開発を加速させる容積率の緩和は、さらに広い地域で行っていくべきです。

 例えば、山手線の内側の容積率を同様に緩和することによって、このエリアが丸の内のような高層ビルやマンションで埋めつくされれば、都民の通勤時間は30分以内が主流となり、職住接近が実現することになる。安くて子供部屋も複数ある住宅が大量に供給されることになって、当然、人口も増えることになる。

 その過程では建築需要も拡大するため、やはり雇用が創出されて、さらに人口を増やせる環境が整うことになる。

 

空間活用

 日本の宅地区画は縦横たった20~30メートルで、道路幅は4メートルほどしかありません。これでは土地の有効利用は困難です。

 しかも、日本では、近隣の建物を日影に置かないようにするため、建物に高さ規制が設けられています。今のような狭い道路では影が簡単に届いてしまうため、容積率200%くらいで高さ規制に引っかかってしまうわけです。

 こうした細かい区画割りが進んだ背景には、たとえ小さくても土地は財産と考える人が多かったことが挙げられます。また、面積が広くなるほど負担が増す相続税は、土地の切り売りを後押しし、国民一人ひとりが平等に土地を所有できる社会に向かっていきました。

 こうした悪平等が進むなかで、土地は細分化され、使い勝手が悪くなっていきました。その結果、住環境は悪化し、少子化の一因と言われるまでになってしまったのです。

 これからは、土地を集約して大区画をつくり、広い道路を確保していかなければなりません。そこを特区に指定して、容積率を緩和していくのです。

 たとえば、容積率が2倍になれば、利用できる延べ床面積が2倍になる。以前と同じ住空間を確保しても土地はまだ余ることになります。こうして特区内で余った土地は集約して、コモンスペースとして利用できるようにすればよい。そうすれば、お互いが一人で所有していた時の何倍もの広さの土地を使えるようになります。

 東京の一つのネックは、低い建物が多く、「空中」を有効利用できていないことです。東京がさらに発展するためのカギは、「空」を活用した都市計画を立てられるかどうかにある。

 幸福の科学大川隆法総裁は、1995年の段階で「同じ百坪の土地であっても、そこに建っている建物が2階建てから4階建てになれば、その土地の単価は変わらなくても、利用の面からいくと、地価が半額になるのと同じ」と提言していた。

 土地の高度利用に向け、東京の「空」には無限の余地があります。「摩天楼」「空中都市」と称されるマンハッタンの住宅地の平均容積率は613%、オフィス街の平均容積率は1421%もありますが、東京23区の使用容積率は平均で136%に過ぎません。いかに東京が「平面都市」「立体過疎」であるか。

 東京の土地の高度利用のためには、東京の容積率緩和や「空中権取引(容積率移転)」の促進が必要です。

 コモンスペースとして土地を提供した人には、容積率の緩和だけでなく優遇税制を適応するなど、行政は土地の集約を促すような取り組みをするべきでしょう。

 特区に高層マンションを建てる場合、土地の提供者は優先的に入居できるようにするなど、土地の集約にはさまざまな方法が考えられます。

 こうして容積率の緩和を進めていけば、住宅の価格もどんどん下がり、もっと割安で大空間を提供できるようになるはずです。

 容積率緩和による空間利用には、このように高い可能性があるのです。

 

建築基準の緩和

 「住宅が狭い」ということが、子供を2人、3人ほしいと願う夫婦にとってボトルネックになっているのは間違いない。これを解消する一つの方法が、建築規制の緩和である。

 現在、建築基準法では、「容積率」「建ぺい率」「斜線制限」が定められ、都市計画法では「市街化調整区域」が指定されている。

 これらの規制があることで、都市部において空間を有効に利用できないでいる。

 建築規制を緩和することによって、広い住宅が安価に提供される環境が整う

 さらには、3世代同居や2世帯住宅を税制面から後押しすれば、祖父母が子育てを身近でサポートしやすくなるでしょう。

 

 今後、空中権取引の規制緩和を進め、東京の空中利用を促進すべきです。

 もし、東京の空中活用がニューヨーク並みになれば、建物に必要な建坪は2割程度で済み、残った土地は緑や公共・文化・芸術空間にでき、東京はより美しく、安全で住みやすい街になります。高層化によって不動産供給量が増えれば、住宅やオフィスの賃料も下がり、「職住接近型都市」が実現します。

 建築物の規制緩和を大胆に進めれば、都心に安くて広い住宅を増やせる。職場と住まいが近ければ、子供を持つ女性も仕事に復帰しやすくなるでしょう。

 細かい規制をとっぱらって、がら空きの東京の空をもっと活用すべきです。建物をどんどん高層化して、6LDKぐらいの広いマンションが安く手に入るようにし、そこに二世代、三世代で住めれば、女性が仕事と家庭の両立をしやすい。保育所などを充実させれば人口も増えていく。

 高層ビル化で、地方で仕事が見つからない人や東京にあこがれる外国人が、東京に来てどんどん稼げるように、東京をもっと働きやすく、住みやすい都市に発展させる必要がある。

都市の未来と「垂直都市ビル」構想

 「東京一極集中が地方衰退をもたらす」と考える人は多い。しかし、一極集中はデメリットばかりではない。東京は地方から必要な人材が得られるし、地方で残った人も、わずかな仕事を大勢で獲り合う必要がなくなる。一人当たりで見れば、かえって豊かになる可能性が高い。一極集中を促すことで逆に地方は復活できるのです。

 空中を活かせば東京はまだ発展する

住宅・都市開発

 「空」と並んで東京に残されたもう一つのフロンティアが「地下」です。

 地下40メートル以深であれば公共物建設に地上の権利が及ばない「大深度地下使用法」を活用すれば、カーブ区間の少ない首都高や高速鉄道を建設でき、高速化や渋滞の解消が期待されます。交通機関が占有していた地上部分の再開発も都市再開発の核となるでしょう。

 「空」と「地下」のフロンティアを開拓すれば、東京は高密度で高機能化され、同時に緑や公共空間に満たされた魅力ある「未来都市」に再生できます。世界から人・物・金・情報を引き寄せる「未来都市・東京」建設こそが、日本経済再興の鍵を握っているのです。

東京一極集中で地方も復活 

 また、慢性的な道路渋滞と通勤ラッシュを解消し、移動をもっとスムーズにする必要がある。

 オリンピックを前に地下鉄など新路線の開業が複数計画されているが、大川隆法総裁は2009年、交通網について「都市部では空中を走らせたほうがよい」と指摘。地上や地下は建設に限界が来るが、空中を活かし、ビル同士をつなぐモノレールなどを設置すれば、移動時間を短縮でき、輸送量も格段に増える。

未来の基幹産業の方向性

 人・モノ・カネ・情報の移動速度を上げれば、経済規模は拡大し、日本の繁栄にもつながる。

 他にも、首都直下型地震の対策や教育政策など、都政には課題が多い。特に教育は、未来に富を生む人材を育てる重要な仕事です。国際都市化を実現するためにも、正しい歴史教育で愛国心を育てながら、世界に通用する英語力を習得させるなど、よきモデルを作ってほしいものです。

 過大な「富の配分」を終わらせ、「富の集中」によって各地域で高齢者を支えられるようにするには、今の社会保障費に相当する100兆円規模の投資が必要でしょう。

 大川隆法総裁は政府のお金の使い方について、以下のように指摘している。

 「資本主義の原理は、基本的には『富の集中』です。それぞれの人がバラバラに十万円ずつ使ってもたいしたことはありませんが、お金を、数億円、数十億円、数百億円と集めたら、大きな仕事ができるようになります」

 社会主義的な「富の分配」は支給したもの以上の経済効果を生まないが、「富の集中」は何倍もの効果を生むのです。

 

高層都市開発特区を設ける。職住接近を実現する高さ1000メートル級の多機能高層ビルを建設します。

海外の成長力を取り込み、わが国の持続的な成長を可能とするために、羽田空港のハブ空港機能の強化をはじめ、空港・港湾の機能強化に取り組む。

高速道路や橋梁、港湾、上下水道など、インフラの老朽化対策を進めるとともに、災害に強い交通網や電力網、通信網を整備します。

災害対策や景観美の向上を図るため、主要都市における無電柱化を推進します。

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