病気を治すのは薬ではなく生活習慣です

 高血圧の薬など「一生のお付き合いになります」という。「一生の付き合い」ということは、「薬で病気は治らない」ことを意味します。特に慢性疾患では、薬は症状を抑えるだけで、治すことはできません。

 薬が有効なのは、あくまで緊急時です。出血多量なら止血剤が必要だし、重症の感染症にかかったら、抗生剤を使うべきです。一方、生活習慣病は、偏食や過度のストレス、運動不足などの習慣が原因なので、それを正さない限り治りません。

 むしろ、薬を日常的に服用することは、健康にかなりマイナスです。実は、薬を飲むことで、体中の酵素が奪われてしまうのです。すると、代謝も悪くなり、体温が下がります。体温の低下は免疫力も下げてしまいます。つまり、習慣的に薬を飲んでいると、肝心の免疫力が落ちてしまい、病気にかかりやすくなるわけです。

 そもそも、薬は合成物質であり、体にとっては異物です。ワクチンも含めて、副作用のない薬はありません。薬と毒は表裏一体なのです。

 血圧やコレステロールの基準値はどんどん厳しくなり、そこを超えると薬が処方されます。しかし、人の体型もさまざまです。たとえ血圧が150mmHgあったとしても、快適に暮らせているなら、それがその人の正常値ではないでしょうか。a0960_002139

 実際、高血圧の薬を飲み始めてから、「体がだるくなった」という声を聞くことがあります。血圧が高い人には、何か高くないといけない理由があって、調整が働いているのだと思います。体の中には、自分にとっての名医がいると考えてください。

 風邪やインフルエンザにかかると熱が出ますが、これも体が免疫力を高めようとしている証拠です。解熱剤で下げるのが必ずしもいいとは言えないのです。

 生活習慣病の患者は、「運動する時間がない」などの理由で、薬に頼りがちですが、薬は習慣まで治してくれません。まず、「自分の体を苦しめてきた習慣は何か」を考えることが大事です。意識が変われば行動が変わり、行動が変われば、習慣も変わります。

参考

 現代の病気のほとんどは、「食べるもの」と「運動不足」と「ストレス」の三つが原因になっています。この三本立てで、だいたいの病気ができ上がっていると見てよいと思います。

 特に、生活習慣病といわれるものの対策は、自衛のために、三十代半ばぐらいからとってください。家族のためにも、自分の未来のためにも、自分で自分を護ってください。自分を甘やかしてはいけないのです。

 はっきりと原因のある病気は防ぐことができます。

 カロリーや塩分の摂りすぎ、運動不足などが続けば、病気になるのは時間の問題です。宴会が続き、酒を飲んで、ごちそうばかり食べていたら病気になるのは確実なのです。

 自分で摂生をしなければ病気になってしまいます。「どうしても抜けられない」と言う人もいるでしょうが、それは言い訳です。「まさか自分が病気になることはないだろう」と考えて、危険な生活をしているだけなのです。

 ほんとうに、将来、働きつづけて、家族を護るためには、摂生が大切です。努力して、護れるものは護ってください。

 運動することにも努力が要ります。時間をつくらなければなりませんし、ある程度の苦しさにも耐えなくてはなりません。

 「忙しい」という思いも、ほとんどが言い訳です。「忙しい、忙しい」と言っている人は、自分で考えて、新しいことをするのが面倒なだけなのです。

 どうか、自分で飲食物を摂生し、運動の時間をつくり出してください。いつも会社の人たちとべったり一緒にいて、抜けられないようではいけません。孤独の時間も必要なのです。

 これが、家族のためにも、自分自身のためにも、やらなければならないことです。

 現代は病院が大流行りですが、いまの病院の医療には、やりすぎている面もあるので、これからは、病院に行ったために病気になる人も出てくるでしょう。年を取るにつれて、病院に行くことは多くなると思いますが、病院は 暗黒思想 の塊のようになっているので、気をつけなければいけません。

 医者には、診察した患者について、考えられる最悪のことを言う傾向があるので、どうか、その言葉に負けないでください。最初に最悪のことを言っておけば、あとで悪くなっても医者には責任がありませんし、少しでもよくなれば、「腕がよい」と評価されるので、医者は、どうしても、悪いことを言いたくなるのです。

 しかし、食べすぎや運動不足などの不摂生だけでなく、ストレスの調整などの心のあり方も、病気の原因の半分以上を占めているので、心のマネジメントによって治せる病気はたくさんあります。実は、現代病のほとんどはそうなのです。

一人だけの食事は栄養面だけでなく、精神の健康にも悪影響?

 医者は教科書で習ったとおりの唯物論的な立場で診断をしますが、その診断のなかには、聴いてよいものと、根本的に聴いてはならないものとがあります。その意味で、医者が、どんなに、「もう先がない」「一生、治らない」「一生、この薬を飲みつづけなければならない」と言っても、すべてをそのとおりに受け止めてはならない面があるのです。

 「そんなことはない。自分は神の子、仏の子だ」「自分には、自分自身を治す治癒力があるのだ」ということを、強く念じなければなりません。「自分は自分の体を治せるのだ」と、自分に暗示をかけてください。

 自分の体は、これまで自分がつくってきたのです。意識してか無意識にか、つくってきたものなのです。その体が病気になったのであれば、どこかでうまくいかなくなったわけですから、今度は、「変えていこう」という意識を強く持って、それを思いつづけることです。そうしたら、変わってきます。

 ほとんどの病気は治せるのです。日本人の死因の上位にある、ガンや心臓病、脳や血管系の病気をはじめ、ほとんどの病気は、本来は治せるものなのです。

 もちろん、人間はいつか必ず死ぬことになっているので、死ぬこと自体は避けられません。しかし、人生の大事な時期に死なないようにすることは可能です。たとえば、仕事の面で大事なとき、家族にとって大事なときなどに、病気で死なないようにして、上手に生き延びることはできるのです。

 

 実は、がんも生活習慣病です。人間の体は毎日、何千個、何万個ものがん細胞をつくり続けていると言われています。それでも発症しないのは、免疫細胞が日々それを退治しているからです。つまり、がんを発症するのは、過度にストレスを溜めてしまう性格や生活習慣の乱れなどで、免疫力を下げたことが原因です。習慣を変えなければ、がんになる体質は変わりません。

 また、抗がん剤の実態は、免疫抑制剤です。ですので、がん細胞にだけ効く薬が開発されない限り、抗がん剤は使うべきではないと思います。一番の“抗がん剤”は、自分の習慣を変えることなのです。

 気持ちの持ち方次第で、人は健康にも病気にもなります。子供のぜん息なども、母親が神経質なケースが多いです。子供は敏感なので、母親の感情が安定していると発作が出なくなります。

 しかし、「薬が病気を治す」と誤解している限り、患者は薬に頼ります。病気は、体が生活習慣の見直しを求めているサインです。安易に薬に頼れば、逆に自分を見つめる機会を失ってしまいます。薬をたくさんもらうと、特別扱いされたような気分になる人もいますが、それでは病気は治りません。

 新しい薬や治療を勧められたら、「先生はその薬を飲みますか? その治療をしますか?」と聞いてみましょう。実は、自分には抗がん剤を使わない医師は多いのです。

 年間の国民医療費は、40兆円近くにまで膨らんでいます。自分の健康は自分でつくるという意識が広まれば、医療費は減るはずです。病気を治すのは生活習慣なのです。

 

希望を持つことで生活習慣が変わる

 生活習慣を改められないと言う患者は、生活上のストレスが溜まっていたり、不満や怒りで心が一杯になっていたり、快楽を求める心に流されていたり、人生に失望していることが多い。幸福感が少ないのです。

 ストレスの根源である、他人への怒りや自分を許せない心は病気を悪化させます。それを乗り越えるには、自らの生き方を反省するという宗教的なアプローチが有効です。

 ネガティブな感情を手放し、将来への希望を持つと、患者は自ら積極的に生活習慣を見直すようになります。

 例えば、仕事上の付き合いで飲酒の機会が多く、生活も不規則で、重度の高血圧と糖尿病と診断された方は、「世の中に貢献できるような仕事を長く続けたい」と決意して生活習慣を改善した結果、薬が要らなくなることがあります。

健康に対する考え方(マインド)と、食事・運動・睡眠のバランスの上に健康が成り立ちます

 

感謝の心と恩返しの決意が体をつくる

 体づくりは、自分自身の生き方を見直すことにつながるということです。

 私たちの考え方は日々の行動に現れ、その日々の行動が、将来の体をつくります。

 体づくりを続けることができるかどうかは、「なぜ疲れにくい体を手に入れたいのか」という問いにはっきり答えられるかどうかで決まるでしょう。

 その答えは、家庭や会社、仕事への「責任感」や、一生をかけて成し遂げたい「志」にありそうです。

 自らが恩を受けて生かされてきたことへの感謝、そして多くの人々に恩返ししたいという決意こそが、日々の行動を変える動機になっていきます。

 自分の本来の力を発揮して、悔いのない人生を送るためにも、今日から小さな一歩を踏み出してみることです。

参考

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