ストレスを中和する宗教的な考え方

人に1人が「うつになることがある」

 「うつ」的な気持ちになることがあると答えた人は全体の25パーセント、4人に1人に上るという。

 もし、うつ状態になったらという質問にをしても、「気分転換する」「話を聞いてもらう」と答える人が多いが、「自分のいいところも考える」「神仏や宗教に救いを求める」と答える人は少数。几帳面な半面、自分や社会のマイナス面にばかり目がいきやすい日本人の気質や、戦後の唯物論的風潮の名残りが見て取れる。

 参考

「土俵の外」に出れば別の生きがいだってある

 特に うつ に陥るような人は、世間的な競争に疲れると「自分なんて価値がない。生きていてもしょうがない」とまで思いがちです。だが、伝統的にこの部分の中和剤として働いてきたのが宗教なのです。

 宗教では、『この世の世界の基準や競争とは別の世界がもう一つある』という考え方をします。『土俵の外があり、そこに出てみると土俵の上とは違うものがあるのです。人それぞれ幸福感も違うし、偉さもまた別なものがあり、生きがいだって別のものがあるのですよ』ということを宗教は教えるわけです。その意味で、高度なストレス社会において宗教の果たすべき役割は大きいのです。

 誰でも目の前の勝ち負けや常識に縛られがちになる。しかし、そうした ものさし とは別のものさしを持つことが うつ を防ぎ、ひいては自殺者を減らす決め手になる。

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