「再生医療」によって脳死臓器移植が不要になる
体のあらゆる臓器をつくり出せる夢のような医療が生まれようとしている。京都大学の山中伸弥教授らのグループが、体のあらゆる組織に成長し得る人工多能性幹細胞(iPS細胞、新型万能細胞)を世界で初めて人の皮膚から作製。これが臨床応用されれば、脳死臓器移植が抱えている問題点が解決される。
現行の脳死臓器移植の問題
「脳死イコール死」とは言えない可能性があること。
移植後に拒絶反応がある問題も無視できない。副作用のある免疫抑制剤の投与が避けられない。
再生医療には拒絶反応がない
こうした待機者の命を救うものとして期待が高まっている万能細胞研究。中でも山中教授らの作製したiPS細胞は、脳死臓器移植の問題点をクリアできる可能性がある。
脳死臓器移植の必要がなくなれば、わざわざ死の時期を“前倒し”する必要がなくなるし、第三者のドナーに頼らずに済む。患者が自分の細胞から臓器や組織をつくり出せるため、拒絶反応もなくなる可能性が高い。
さらに、従来は再生医療の本命とされてきたES細胞(胚性幹細胞)と違って、作製の際に受精卵を破壊するという倫理上の問題もない。
脳死臓器移植の問題点
- 「脳死=死」とは言えない。
- 移植後に拒絶反応がある。レシピエントに人格変化も。
- 構造的なドナー不足。
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問題点をクリアする可能性
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iPS細胞(新型万能細胞)による再生医療
- 脳死臓器移植の必要がなくなる。
- ES細胞と違い、受精卵を破壊する必要がない。
- ドナーを待つことなく、数多くの患者が救われる。
「再生医療」によって脳死臓器移植が不要になる
iPS細胞を使った「再生医療」と「新薬開発」によって、今まで治す方法のなかった病気を治せるようになる。
特に様々な問題を抱えている脳死臓器移植が iPS細胞の実用化によって不要になる。
iPS細胞から臓器を作り出せるようになれば、脳死状態の人の心臓を移植する代わりに、自分の体の細胞を培養し臓器をつくれるようになる。また、自分の細胞なので拒絶反応が起こる心配もない。さらに、慢性的なドナー不足も解消できるほか、臓器売買を防ぐことにもなる。
この研究は最終的には人体再生の研究へとつながる。幸福の科学大川隆法総裁は、人間の肉体は機械のようなものではなく、「流れる川のようなもの」であり、「細胞も、全部、入れ替わっていく」と考えることが大切と説いている。iPS細胞の研究は、体の細胞を再生する仕組みの解明につながり、最終的には失った体の一部を自分で復元することすら可能になる。新時代の医学は、人間の体の神秘的な働きに目を開くことで開かれていく。