STAP研究がつぶされた本当の理由

 日本でSTAP研究がつぶされた背景には、科学的ではない事情があった。国立大学の理系学部で教鞭をとる教授の話では、研究者の世界は、公正・公平ではない場合も多い。評価はしばしば好き嫌いなどで恣意的に左右されるとのこと。研究者間の人間関係だけでなく、東京大学や京都大学を筆頭に、出身大学や学部学科、指導教官が誰かなどの情報が一生つきまとい、研究の評価にも関係するという。

 論文の内容が疑われたきっかけも、「日本で一番大きな生物分野の学会に所属する有名な先生たちからの連名のメール」であった(『あの日』より)。当時、小保方さんは理研の幹部から、「同業者の嫉妬を感じるね」と声をかけられ、その後猛烈なバッシングが始まった。小保方さんは、「婦人公論」の対談で、男の嫉妬に殺されると思ったと話している。私立大学出身の若い女性研究者が科学の常識を覆す発見をしたことに対して、先輩研究者から嫉妬を受けたことは想像に難くない。

 ここで余談ですが、早稲田大学理工学部応用化学科を卒業、早稲田大学大学院に進んでおられた。私も早稲田大学理工学部応用化学科に行くことに憧れておりましたが、学力が及ばずでした。この早稲田をも侮辱するような理研はいかがなものかと個人的には思いました。また、大学の卒論のとき、理研での推薦があったことがあります。ただ、大学院に進む経済的余裕もなく、高分子化学の方面の仕事をのぞんでいたので断念したのですが。ここでも理研と関係があったので、もし理研に進んでいて、現在いたらどう思っていただろうかと想像すると ゾっとします。

 

iPS細胞をめぐる利権

 先行する iPS細胞の側からの反撃、にも遭った。

 STAP細胞が注目された理由の一つに、故・笹井芳樹氏の「iPS細胞よりがん化しにくい」などと謳っていたこと。これに対し、iPS細胞の権威である山中伸弥・京都大学教授は、「開発当初よりも技術は進んだ。臨床研究に協力くださる患者さんの誤解を招く」と強く抗議していた。

 自分の研究にケチをつけられたら抗議するのも無理はない。細胞生物学を専門とする元がん研究者は「STAP細胞の作製技術が確立すれば、iPS細胞は要らなくなる。関係者には大打撃」と指摘する。

 iPS細胞には2022年までに政府から累計1342億円が投じられる。経済産業省の予測では、2050年には世界で再生医療の市場規模が38兆円に拡大する見込みで、製薬会社なども iPS細胞の研究に巨費を投じる。もし、こうした投資が全てムダになれば、影響の大きさは計り知れない。政界や官庁、科学界や産業界の思惑や利権が絡み合っているのです。

 また、混乱の中で多くの関係者が、「真実の追究」より「保身」を選んだことも伺える。

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