非公務員型の年金公法人「日本年金機構」

非公務員型の年金公法人「日本年金機構」の発足

 旧社会保険庁は厚生労働省の外局で、不必要な保養所建設、保険料を目的外に利用、業務の非能率・サービス不足、そして、「宙に浮いた5000万件の年金記録問題」 と厳しい世論の批判を受けて、その改革が求められてきました。  

 多くの問題を露呈した社会保険庁の組織改革は、年金制度の在り方ともからんで、さまざまな議論がおこなわれるなか、平成19年6月に「日本年金機構法」 が成立し、平成22年1月(2010年)に発足しました。  

 日本年金機構は非公務員型の公的年金法人で、国(厚生労働大臣)から委任・委託を受け、公的年金に係る一連の運営業務(適用・徴収・記録管理・相談・決定・給付など)を担っています。  

 旧社会保険庁の業務は、「年金関係等」 と 健康保険など 「医療関係」に大別され、年金業務と健康保険の一部を、①厚生労働省がになう公的年金の基本と財政責任・管理運営責任、②その監督下で、非公務員型法人の 「日本年金機構」 が担当し、④厚生労働省による強制徴収は国税庁に委任しておこなわれます。  

 「医療関係業務」 については、「厚労省地方厚生局」 と新設の 「全国健康保険協会」 に分割されました。
 

「日本年金機構法」の内容

1 日本年金機構法の目的  

 『 日本年金機構は、この法律に定める業務運営の基本理念に従い、厚生労働大臣の監督の下に、厚生労働大臣と密接な連携を図りながら、 政府が管掌する厚生年金保険事業及び国民年金事業(以下「政府管掌年金事業」という。)に関し、厚生年金保険法及び国民年金法の規定 に基づく業務等を行うことにより、政府管掌年金事業の適正な運営並びに厚生年金保険制度及び国民年金制度(以下「政府管掌年金」という。) に対する国民の信頼の確保を図り、もって国民生活の安定に寄与することを目的とする』

2 法の趣旨  

①国民の信頼に応える業務運営体制  

②厚生労働大臣が年金財政・管理運営責任を担い、監督下、非公務員型の日本年金機構が 一連の業務を担う  

③職員の能力・実績・民間委託で効率的なサービスを図る

3 おもな法人組織など  

①理事長  厚生労働大臣が任命  

②事業所  本部 ⇒ 事務センター ⇒ 年金事務所  

③役職員など  非公務員、秘密保持・守秘義務がある

(4) おもな業務など  

①厚生労働大臣からの委任・直接監督の下で、公的年金に係る一連の運営義用務を担う  (適用、徴収、記録管理、相談、裁定、給付 など)  

②健康保険法、船員保険法の規定による業務  

 具体的には政府管掌健保の保険料徴収等  

③児童手当法の規定による拠出金の徴収などの業務  

④業務の一部を民間委託する

 なお、「強制徴収の国税庁への委任 は厚生労働大臣が行う。

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