アインシュタインの業績

 E=mc2の数式や相対性理論で知られるアインシュタイン。そもそもどのような業績を残したのでしょうか。

 アインシュタインは、1879年3月14日、ドイツ・ウルム市生まれのユダヤ人。幼少時から数学の才能を発揮し、チューリッヒ連邦工科大学を卒業します。しかし、大学の助手になれなかったため、1902年にスイス特許庁に勤め始めます。特許庁の一介の職員だったアインシュタインが一躍有名になったのは1905年、4つの論文を発表したことがきっかけです。

(1) 光電効果

 光を物質に当てるとその物質から電子が放出される。これは現代でもCCDなどの光センサーで広く活用されています。

(2) ブラウン運動

 液体中に浮遊する微粒子が不規則に運動する現象。これは、微粒子が他の粒子と衝突することによって引き起こされていると説明しました。この理論は、生物学で微粒子の運動の解析などに使用されています。

(3) 特殊相対性理論

 空間と時間の関係を説明したアインシュタインの数ある論文の中でも最も有名なもの。

 特殊相対性理論によると、動いている物体上では静止している物体と比べて時間の流れが遅くなる。この理論は、GPS衛星の時間補正計算などで使われています。

 1916年に、アインシュタインは空間と時間について説明していた「特殊相対性理論」に、重力という要素を付け足した「一般相対性理論」を発表しました。

(4) E=mc2

 質量とエネルギーの等価性を示した数式。ウランやプルトニウムから原子エネルギーを抽出する原理はこの数式で表されます。

 

 これらの論文には現代物理学の基礎となる理論が多く含まれており、1905年は「奇跡の年」と言われています。

 なお、1921年にアインシュタインが受賞したノーベル物理学賞は、相対性理論や E=mc2 ではなく、光電効果の説明の業績によるものでした。

 それ以外にも、量子力学、熱力学、統計力学、宇宙学、素粒子とワームホールなど、多くの分野に貢献しています。彼の理論の数々は、20世紀中に多くの発明を生み出し、社会の発展と近代化に役立ってきました。