エジソン 未来の科学技術の指針を示す

 「電灯や蓄音機の発明はもちろん、電報、電話、タイプライター、マイクロホン、映画撮影用カメラとフィルム、蓄電池、電気鉄道、合成ゴム、採掘機械、セメント、X線機械、謄写版、送電システム(ソケット、スイッチ、ヒューズ、メーター等)などの彼の頭脳から生まれた発明品の数々は、二十世紀のわれわれの文明生活の基礎を作ったといっても過言ではない」(浜田和幸著『快人エジソン』)。

 これらの中には、既存技術を改良した発明も含まれる。たとえば、電話はグラハム・ベル(1847~1922年)の発明として有名だが、現在の電話システムの基礎になったのは、カーボン送話器と誘導線輪を組み合わせたエジソン式。受話器は ベル、送話器はエジソンの発明というのが実情です。

 また、真空管の基本原理となった「エジソン効果」は、エレクトロニクス(電子工学)技術の基礎となり、応用技術がラジオやテレビ、コンピュータなどの電子機器を発達させた。今日の科学技術の発展にエジソンが果たした役割は想像を絶するほど大きいのです。

 アメリカでは、「エジソン文献研究プロジェクト」として、エジソンが生前残した日記や実験構想のメモなど、大学ノートサイズで少なくとも400万ページにも及ぶ、膨大な資料を研究する国家プロジェクトが進められてきました。

 この「エジソン・ペーパーズ」の中には、テレポーテーションや霊界通信機、色付き音楽の研究など、未知の科学技術や現代の常識では理解しきれない記述も数多く記されているという。

 エジソンは日本の関わりも強い。電球の光源となるフィラメントに京都・八幡の竹が使われたのは有名です。ほかにも、当時エジソンの下で通信技術を学び、ニューヨークで最もたくさんの電球を売り上げた岩垂邦彦が創設したのがNEC、エジソンの手ほどきを受けて電球の研究に励んだ藤岡市助が創設したのが現在の東芝である。また、松下電器の大阪本社には、松下幸之助がエジソンの偉業を称え「科学と工業の先覚者」として銅像を建立している。

 エジソン研究を行なう国際政治学者の浜田和幸氏は、「エジソンは決して『過去の偉人』ではない。現代のIT社会の基礎をつくったのです。そして、いまもなお未来の科学技術に対して、人類への指針を示してくれています」と話されました。

 

タイムトラベルは可能か

 世界の発明王が霊界通信機の研究を行っていたというのは興味深い。霊魂の不滅を信じていたエジソンは、自身の日記に「理論はおおむね解明してあるので、あと数年あれば実験段階に入れる」と記している。同時代の人々が、エジソンの白熱電球を「魔法」と呼んだことから想像すると、こうした研究も近い将来実現するかもしれない。

 私たちが日々接するさまざまな製品に、エジソンの発明や技術が使われている。

1 エジソンの発明

・蓄音機(⇒DVD)

 CDやMD同様、記録面の凹凸を感知して音や映像を再生する原理は、エジソンが発明した蓄音機が原点。

・白熱電球やソケットなどの送電システム

 エジソンが発明した電球のフィラメントに京都・八幡の真竹が使われたことは有名です。この付近の竹は、元々建築資材や工芸品などに使われていました。山城地方の赤土で育つため、鉄分が多く含まれ炭化に適していたのでしょう。エジソンは、この竹にたどりつくまでに約6000種類の植物の炭化を試みたといわれています。また、八幡の竹を調達するために日本に派遣した研究技師に対して、事細かに指示を出しています。(1)8~10年もので節々の間隔が35~40センチのもの、(2)10~12月に収穫したもの、(3)根元から1m上の12節分を採取し、裏面の皮をはがして1cm幅に割り、それを100本1束にして送れ、といった具合です。

・夜間双眼鏡

・潜水艦探知と魚雷発見用ソナー

 エジソンは米国海軍顧問委員会の議長に就任し、さまざまな軍事関連技術を開発した。

・電気自動車

 エジソンはアルカリ蓄電池を開発。当時すでにあった鉛蓄電池に比べ、持続時間が2倍で、自動車に搭載すると、1回の充電で160キロメートル(鉛蓄電池は80キロメートル)走ることができた。

・映写機(⇒ビデオカメラ)

 エジソンは世界初の映画撮影用スタジオを設立。太陽光線を取り入れるため、建物全体が回転した。当時の35ミリフィルムが現在でも標準フィルムとして使用されている。

・マイクロホン

エジソン自身が発明した電話送話器の応用技術

・流し込みコンクリート住宅(プレハブ住宅)

 鉄の型にセメントを流し込み、数日後、枠を外すと、屋根や壁、階段などの主要部分が出来上がる仕組みをエジソンが考案。現在のプレハブ建築のルーツ。

・高速道路

 セメントを活用して、高速道路網をつくることを、エジソンは当時のフーバー大統領に提案した。

・「Hello」という言葉

 1878年、ニューヨーク―フィラデルフィア間で、歴史的な電話の公開実験が行なわれ、エジソンが第一声で「ハロー」という言葉を使った。

 

2 エジソンの構想にあり、後に実現した技術

・テレビ

・電子望遠鏡

・自動翻訳機

・動物や自然界とコミュニケーションできる機械

 エジソンの構想にあったが、数年前、日本の玩具メーカーが犬の気持ちが分かる「バウリンガル」を開発。

・太陽エネルギー発電

・宇宙旅行

 

3 エジソンの構想にあり、これから実現が期待される技術

・霊界通信機

 エジソンは超常現象に懐疑的な人物を選び、彼らの頭から出る電波をキャッチしようと、コイルでぐるぐる巻きにして実験を繰り返した。

・テレポーテーション

 エジソンは研究段階だったが、ここ数年、国内外で「量子テレポーテーション」技術が成功。ミクロの世界では実現している。

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