悟りのための最低条件

 悟りのために必要な最低条件の第一は、仏法真理の正しい知識を獲得すること。

 百年前、千年前の悟りと同じではない現代の悟りのために、今という時代や今自分が生きていることの意味を知るためにも、これまでに集積された人類の叡智、そして仏法真理を謙虚に学びつくすこと。

 第二に、仏の願いである愛他・利他の実践ができるように自分を変えていくことである。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『ユートピア創造論』で以下のように説かれました。

「そして、悟りのために必要な最低条件を二つあげています。一番目は、仏法真理についての正しい知識を獲得することです。これは大事です。残念ながら、一人の人間が地上に何十年か生きて経験したことだけでは、悟りとしては不充分なのです。現代において悟るためには、これまでに集積された人類の叡智を学びつくす必要があります。それは自分ひとりでは発見できません。現にある教え、法というものを謙虚に学ぶことです。これが結局は、自分の進歩を、数年、数十年、早めることになります。まず真理知識の学習が必要なのです。そのために、幸福の科学ではさまざまなセミナーや研修を行なっています。それを一つの機会にして学んでいただきたいからです。合格・不合格という結果の出る行事もありますが、決して結果主義者になるのではなく、そうしたチャンスを活かして、真理知識を獲得してほしいと思います。真理知識を獲得せずにいて、悟るということはありません。かつては禅宗の修行のなかで、「悟った」という気分になった人もいたでしょうが、「そのようなものでは、現代では『悟った』とは認められない。悟ったうちに入らない」ということです。なぜなら、「何ゆえに自分がいまここにあるか。なぜこうした生き方をしているか」ということを看破できなければ、悟りとは言えないからです。現代という時代の意味や、現代に自分が生きていることの意味が見えなければ、悟ったとは言えません。「百年前や五百年前、あるいは一千年前の悟りと、現代の悟りが同じであってたまるか」ということです。少なくとも、現時点における最高のものをつかみとらなければならないのです。そのためには、人類の智慧として集積されたものを謙虚に学ぶことです。やりたいようにやるだけという人は、一万年前にも十万年前にもいましたが、そうしたあり方ではなく、「現時点で、何を考える材料として行動するか」ということが大事なのです。悟りのために必要な最低条件の二番目は、愛他・利他の実践です。これに気づいている人は、ほんとうに少ないのです。みなさんは会社や地域社会などで数多くの人と接しているでしょうが、愛他・利他の思いを持ち、人のために行動することをもって喜びとしている人、自然に手や身体が動き、言葉が出るという人が、いったい何割いるでしょうか。確かに、それらしくふるまう人たちはいます。しかし、そうした人たちのなかには、実際は自分のためにやっている人がかなり多いのです。そうではなく、「人を愛することが自分の仕事だから、それが自分の生まれつきの性質だから」というような人に、どれだけ会えるでしょうか。そうした人が出ることが仏の願いなのです。ならば、自分をそのように変えていかなければなりません。それしか道はないのです。ほんとうに他の人のことを考える人が地上に満ちたならば、それはユートピアそのものだということです。ぜひともそのようにしていきたいと考えます。」

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