人類の思想的なイノベーションが繁栄の未来を開く

 近代以降、科学技術が急速に進歩し、物質世界は利便性を増して豊かになったが、それに精神世界の進歩が追いついていない。そのため、物質世界だけに目を奪われ、自らが神仏になり代わったような驕りが生まれている。

 人間は単なる肉体的な存在ではなく、肉体に宿って魂の学習をしている霊的な存在である。人生で魂をどれだけ成長させたか、あるいは堕落させたかによって、死後その人が天国に行くか地獄に行くかが決まる。こうした霊的知識や霊的幸福について、多くの人がもっと知る必要がある。それを現代人の知性に応える形で説くことのできる先進的な宗教の登場こそが地球レベルで求められている。

  また、キリスト教及びユダヤ教と、イスラム教との対立を背景にした戦争やテロに終止符を打てるかどうかは、寛容で多様な価値観を持つ新たな世界宗教が登場するかどうかにかかっていると言える。

 そうした既存の各宗教が理解し合うベースとなる宗教思想が現れることによって、不毛な宗教対立ではなく、「どれだけ多くの人を幸福にできるか」という宗教間の切磋琢磨が生まれる。キリスト教もイスラム教も、核兵器を使ってでも自分たちの主張を貫こうとする考え方が強いが、そうした「幸福化競争」が始まれば、核兵器の削減と廃絶への道も開かれる。

  今こそ、人類は思想的なイノベーションによって危機を乗り越えるというビジョンを共有し、人類百億人が共存しながら繁栄する新たな地球時代を切り拓くべきである。地球に希望の未来を開けるかどうかは、人類の心に委ねられているのです。

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