リストラ危険度診断

会社の健康状態をチェック

 企業が未来にわたり存続・発展していけるかどうかは、経営者や経営幹部が自社をどのようにマネジメントしていくかによるといっても過言ではありません。

 自社トップ層のマネジメント能力の点検をお勧めします。

業務管理チェック 

 業務を合理的・効率的に運営していく経営管理が求められています。

 そのためには、コスト管理、業務改善、社内ルールの整備、情報管理など、適切なマネジメントを進めていくことが欠かせません。

経営計画のチェック 

 企業は『将来のあるべき姿』であるビジョンを描くことは大切です。これを基に、中期経営計画や年度計画を策定され、企業の経営目標や行動指針が明示されます。

 経営は、マネジメントサイクルである「PLAN-DO-CHECK-ACTION」を回していくことです。

 基本は「PLAN」= 計画

 年度計画を策定することがマネジメントサイクルを回していくための第一歩となるので、年度計画が作成されているかどうかは会社の経営力をみる大きな診断要素です。

 経営計画の策定、現状の経営計画を見直す際に活用ください。

市場環境のチェック 

 時代の変化とともに自社の事業のドメイン(分野、範囲など)は変化していきます。

 自社の事業のお客さまは誰であるか、どのような商品・サービスをそのお客さまに提供するのか、競合他社との差別化の内容はどのようなものであるか、以上の3つの視点から事業をとらえていくことが事業ドメインの策定につながります。

 経営環境の変化に対応し、同業他社に対して競争優位を確保するためには、現在の事業環境を分析し、新たな経営戦略の策定や経営資源の再構築が求められています。

組織と人材をチェック 

 どんなに立派な経営戦略・経営計画を策定しても、それを実行する組織が効率的に機能せず、活力ある人材も存在していないとなれば、会社経営は危ういものとなります。

 自社の貴重な経営資源であり、経営戦略の実行部隊である「組織と人材」について再点検をお勧めします。

販売戦略をチェック 

 自社の商品・サービスの力を冷静にチェックしてみたことがあるでしょうか。

 自社の商品・サービスの他社にない特徴をつかみ、他社と継続的に差別化する仕組みがあるでしょうか。

 従来の商品・サービスだけに依存することなく、新たな商品・サービスを開拓していく仕組みができているでしょうか。

 どんなに優れた商品(製品)・サービスであってもお客様ニーズを満たし販売につなげていく力がなければ収益にはなりません。

 商品だけでなく、たとえば梱包の状況、ネーミング、さらにはアフターサービスやメンテナンス、サービスであれば、電話の対応や受付の印象も大切な要素です。

リスク管理チェック 

 企業の多くは目先の収益には関心を払いますが、災害・事故、労務問題などの「いざという時」の対策には関心が薄いものです。

 そのときになって取り返しのつかない事態に陥るケースも少なくありません。

 企業の規模を問わず、自社の業務上起こりうるリスクの洗い出しを行い、それに対する適切な対応策を事前に準備する必要があるのです。そうすれば、万一リスクが現実なものとなった場合でも、損失を最小限に食い止めることができるのです。

 危機管理の要諦は、最も悲観的に準備して、最も楽観的に対応すること。

 最悪なのは、楽観的に準備して、悲観的に対応すること。

           佐々淳行氏(元内閣総理大臣官房・内閣安全保障室長)

 自社の「万が一」の場合における危機管理体制について再点検してみてください。

 

リストラ危険度診断 君のは仕事じゃない

一般社員

「力は要求水準で決まる」

 自社が赤字なら、すでに経営者はリストラを考えている。日々勉強して業務知識を増やす一方、幅広い教養を身につけることが大事です。自助努力をしなければ、上司から意見を求められてもまともな提案は出てこない。ドラッカーは、「人がものを生み出す力は、主としてその要求の水準によって決まる」と言ったが、自分への要求水準を高めることは仕事能力を高める。

 また、上司に「あれはどうなった?」「まだか?」と尋ねられるなら、報告・連絡・相談を怠っているはず。あなたは上司の「不安要素」です。また、納期(締切)を守れないと、周りの人がその尻拭いをさせられる。

 

 「忙しい」と口にするのは、仕事に追われている証拠で、仕事が不正確になりがちです。まず、取り掛かって前倒ししていくことで、時間の余裕も生まれる。

 仕事をこなせる人も、現状に満足せず、自部署や会社が抱える問題にアンテナを張り、積極的に改善提案を行うべきです。

 部下の役割を明確に言い当てた松下幸之助氏の次のエピソードがある。松下氏が商品のデザインについて指摘すると、担当者が「実は私も製作段階でそう思っていましたが、上司の反対にあい、今の形にしました」と答えた。すると、松下氏は急に顔を険しくしてこう叱責した。

「いいと思ったのであれば、なぜ上司を説得せんかったのか。上司説得の権限は君にあるんだよ!」

 

中堅社員

「赤字は罪悪である」

 自社の売上額を知らないのは、会社に興味がない証拠である。

 また、自分が稼いだ額を意識しなければ、個人の貢献度や市場価値が曖昧である。会社の多様な維持・固定費を考えれば、給料の3倍は稼がないと、あなたは「赤字」である。

 松下氏は、赤字企業について、国民の税金を使って政府が援助するケースを挙げ、「赤字を出すということは、企業の国家的、国民的な罪悪だ」と断じている。これを一個人に引き寄せて考えれば、黒字を出す人に支えられている赤字の人は反省しなければならない。

 また、愚痴や不平不満は組織の活力を失わせる。しかし、頭の切れる人ほど他人や組織のアラが見えるのも事実。その批判が正当か否かを知るには、「改善案」「あなたが果たせる貢献」を書き出してみることを勧めたい。貢献の欄が書けなければ単なる評論家であり、現時点では組織を率いる人材ではない。年俸制のように個人の仕事が厳しく判定される世界では生きていけないはずです。

 ある企業の人事担当者は、初めから目標を低く設定してそれを達成し、一定の給料をもらう社員がいることを明かす。だが、ドラッカーはこう言っている。

 「平凡な仕事は、褒めることはもちろん、許すこともしてはならない。自らの目標を低く設定する者や、仕事ぶりが基準に達しない者を、その仕事にどとめておいてはならない」

 また、自分に都合のいいような形で報告をする人は、経営判断を狂わせて最終的に会社を傾かせる危険性がある。

 

管理職

「経営者のビジョンと責任」

 引き抜きの声がかかるのは市場価値が高いことを意味する。逆に、声がかからないのは、市場で値段がついていないのです。また、昔の貢献を誇るのは、現在それ以上の功績がないことの裏返しとも言える。そういう人の役職が高ければ高いほど、給料や影響力が会社にとって邪魔になっている可能性がある。逆に、優秀な人材を抜擢しなければ、組織の発展も続かない。

 「会社の理念を語れる」か否かで、あなたの会社が何をするための組織か、その組織で働くことにどのような使命感を持っているかが測れる。これは、あらゆる社員に求められるものだが、もし管理職が語れないようならば、その会社の未来は限りなく暗い。管理職は常に理念や理想を掲げ、多くの人を率いていかなければならない。

 ドラッカーも、「誰が経営管理者(マネージャー)であるかは、役割と期待される貢献によってのみ定義される。そしてつまるところ、経営管理者を経営管理者たらしめるものが、彼自身のビジョンと責任である」と言っている。

参考

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