弱者の戦略

弱者の五大戦略

  弱者の戦略 正面から強者と戦わない

基本戦略 差別化 

 差別化とは武器効率を高めることです。ランチェスター戦略では、武器効率は営業担当者の能力や商品力です。またランチェスター戦略では戦力とは営業担当者の数です。弱者は戦力が強者より劣るため正面から強者と戦えば勝ち目はありません。そこで同じ戦力なら勝てるよう
に営業力や商品力を高めます。商品力で差別化できない場合アフターサービスの強化も有効です。

1 局地戦

 エリアが広ければ弱者は少ない営業力が分散し、強者との差が開きます。しかし地域を限定して狭いエリアに営業担当者を集中すれば、そのエリアにかぎっては強者と戦力の差がなくなります。こうして弱者は強者に対して局地戦を挑み、個別に強者からシェアを奪っていきます。
 

2 一騎打ち

 局地戦で強者の営業担当の数と拮抗すれば、強者と弱者の営業担当者の力の差は大きくありません。こうした一騎打ちではランチェスターの第一法則が適用されるので、数の差の影響は少なく弱者の勝算が高くなります。ただし様々な商品があると営業担当者の力が分散するので、商品・サービスを絞り、エリアを絞って強者と一騎打ちになるようにします。
 

3 接近戦

 広い範囲での販売活動は広告宣伝の効果が大きく、豊富な資金力の強者に有利です。また多数の顧客に広く販売する場合、知名度やブランド力も重要で、その点でも強者に有利です。逆に営業担当者が顧客と直接対面する一対一の接近戦ではランチェスターの第一法則が適用され、知名度やブランド力の差は大きくありません。頻繁に会って顧客と親密な関係を築けば弱者でも強者に勝つことができます。そこで弱者は地域を絞って頻繁に顧客を訪問する、はがき、電話、手紙などの手段で個々の顧客に頻繁に接触して深い関係を築きます。
 

4 一点集中

 営業担当者の総数で劣る弱者でも1点に集中すれば、その点に限れば営業担当者の数で強者を上回ることができます。そのためには地域を限定する、市場を細分化し狭い市場に絞る、重点的に販売する商品を1点に決める、など一点集中戦略を取ります。
 

5 隠密行動

 強者は、2位以下の競合の動きを常に監視し、自社の驚異となる優れた製品や安価な製品が出現すれば、それを阻止しようとします。具体的には類似の商品をいち早く開発し、競合よりも安く市場に投入するミート戦術 (後述) をとります。そこで弱者は、強者に発見されないように新製品はひそかに開発し、局地戦で展開していきます。局地戦で繰り返し勝利して強者と対等に戦えるまでは隠密行動を取ります。時には強者の目をそらすために、わざと目的とは違う行動を取り相手の注意とそちらに向ける陽動作戦を取ることもあります。

 

弱者の戦略を構築

 弱者の戦略を構築するには、次の5ステップで考えていきます。

 1 差別化する

 2 1点集中する

 3 接近戦を行う

 4 小さなNo.1を作る

 5 足下の敵を攻撃する

 

1 差別化する

 弱者の戦略で重要なことは差別化です。強者は圧倒的な物量で攻撃を仕掛けてきますので、まともに戦っては負けてしまいます。そこで、差別化を行うことにより、強者となるべく競合しないように、競合範囲を狭めるようにしていくのです。

 また、差別化は武器効率を上げることと直結します。同じビールであっても、全国どこに行っても売られているキリンやアサヒのビールと、特定の土地でしか販売されていない地ビールとでは、価値が異なります。

 スーパーマーケットではキリンやアサヒのビールしか取り扱いがなく、あなたの酒屋ではその土地特産の地ビールを販売しているとしましょう。この場合、地ビールを飲みたいお客は、あなたのお店で買わざるをえません。この場合、ビールという限定的な市場においては、酒屋の方がスーパーマーケットより商品の質で優っていると考えることができます。つまり、武器効率が良いのです。

 このように、弱者が強者に勝つには、まず差別化を考えなければなりません。それでは、どのような視点で差別化を行えばよいのでしょうか。

差別化は4P+顧客の視点で行う

 差別化と一口に言っても、さまざまな施策が思い浮かびます。例えば、商品の差別化や営業エリアの差別化などです。業種や業態によって、差別化すべきポイントは異なります。そこで、どのような業種・業態であっても活用できる汎用的な視点があると便利です。

 差別化を考える際の視点は「4P+顧客」です。4Pとはマーケテイングミックスの4Pと呼ばれるもので、「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」の4つのことです。それぞれの頭文字をとって「4P」といいます。 

 この4Pに顧客を追加した5つの視点で差別化を考えると、アイディアがまとまりやすいと思います。つまり、「製品の差別化」「価格の差別化」「流通の差別化」「プロモーションの差別化」「顧客の差別化」を考えていくということです。

 

2 1点集中する

 差別化の次は1点集中です。「製品」「価格」「流通」「プロモーション」「顧客」で差別化を行ったら、その領域に1点集中します。つまり、全ての経営資源をその狭い領域に集中して投下するのです。

 弱者の戦略3原則の1つである「競合局面に兵力数を集中させる」とは、まさにこの1点集中をすることといえます。例えば、あなたが酒屋を経営していて、全国の日本酒を豊富に取り揃えることで差別化を図ると決めたら、そこに1点集中するのです。

 つまり、ビールや焼酎、ウィスキー、ワインなどは扱わずに、日本酒だけに絞ります。専門店化するといってもよいでしょう。普通の酒屋と日本酒専門店では、顧客の受ける印象が異なります。お客が日本酒を飲みたいと思った場合、真っ先にあなたのお店を思い出してもらえるようになるのです。確かに、他の商品を切り捨てれば、その分お客が減ってしまうかもしれません。実際、最初はその通りになるでしょう。しかし、中長期のスパンで考えれば、売上は必ず上がっていきます。日本酒専門店とすることで、「お酒」という領域では他のお店と競合しづらくなりますし、「日本酒」という領域では、あなたのお店の方が強い立場に立てるからです。

 マッサージ店の例でいえば、例えば「腰痛専門のマッサージ店」として他店と差別化するとします。そうしたら、腰痛に関係ないことは一切やらないと決めるのです。肩こりや膝の関節痛の人は切り捨て、腰痛に悩んでいるお客だけにフォーカスします。

 世の中に腰痛持ちの人はとても多いです。需要は十分にありますので、憶することはありません。腰痛専門とすることで、将来的には腰痛持ちのお客がたくさん集まってきます。

 つまり、「選択と集中」が大事なのです。選択と集中とは「専門化」とも言い換えられます。「何でもできる」は「何もできない」ことと同じです。この領域で勝負すると決めたら、躊躇せず1点集中しましょう。

 

3 接近戦を行う

 弱者の戦略3原則の1つは、「局地戦・接近戦に持ち込む」です。局地戦に持ち込むには、差別化と1点集中を行う必要があります。この2つがしっかりできていれば、狭い範囲での局地戦を行う準備が整うはずです。すなわち、接近戦を行うことです。エンドユーザーと実際にコミュニケーションを取ることにより、正確なニーズをつかむことができます。そうすれば、適切な商品やサービスを提供することができますので、販売が容易になるのです。

 接近戦を行ううえで推奨している手法があります。それはダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)です。これは、「マーケットから直接反応を得て、商品・サービスが自動的に売れていく仕組」を作ることです。

 ダイレクト・レスポンス・マーケティングには次の3原則があります。

 ・見込み客を集める

 ・見込み客を育成し信頼関係を築く

 ・見込み客に販売する

 まず、見込み客を集める施策を行います。広告やブログなどのWEBメディアから見込み客を集めていくのです。そして、集めた見込み客に有益な情報提供を行うことにより、信頼関係を築きます。例えば、電話やメルマガ、小冊子などで定期的に情報提供をしていくのです。

 そして、見込み客と信頼関係ができたうえで、商品やサービスの販売を行っていきます。これは、まず見込み客を集めてから(1ステップ)、その後に販売を行う(2ステップ)ので、2ステップマーケティング」と呼ばれるものです。

 通常、新規のお客に最初からセールスを行う、ステップマーケティングを行っている企業が多いので、この2ステップマーケティング(DRM)を取り入れることで、成約率を高めることができます。

 弱者は接近戦を行わなければなりません。接近戦の良いところは顧客と直接コミュニケーションが取れるということです。つまり、顧客と信頼関係を築きやすいというメリットがあります。顧客側の視点で考えても、信頼のおける人から買いたいと思うはずです。

 

4 小さなNo.1を作る

 差別化して、1点集中し、接近戦を行うことの最初の目標は小さなNo.1になることです。

 局地的なニッチ市場で戦っているため、小さなNo.1を作りやすくなっています。ブルーオーシャンの市場であれば、戦わずしてNo.1になることもできるでしょう。お客の大半はNo.1の商品を買い、No.1のお店に集まるのです。そのため、領域は小さくても構わないので、No.1になることが重要になります。

 一つの領域でNo.1になったら、別の領域でもNo.1を作っていき、徐々にシェアを広げていくのです。

 

 ランチェスター戦略では、第一法則で戦う場合、2位とのシェアの差を3倍つけられれば、安定した圧倒的1位になれるとされています。第2法則で戦う場合は √3倍、つまり、約1.7倍差をつければ地位が安定するようです。

 まずは、自社で設定した集中領域で小さなNo.1を作ることを目標にしましょう。

 

5 足下の敵を攻撃する 

 差別化して1点集中し、接近戦を行った結果、小さなNo.1を獲得できたとします。そうなれば、あなたの企業はすでに強者の地位を手に入れているのです。ランチェスター戦略では、競合局面で1位の企業を強者と言い、2位以下の会社を弱者としています。

 つまり、小さなNo.1を獲得している時点で、その競合局面においては強者なのです。しかし、強者になったからといって安心していてはいけません。今度は、弱者があなたの地位を奪いに来ます。そのため、No.1の地位を守っていかなければなりません。

 そのために、次に必要になってくるのが「足下の敵を攻撃する」というも施策です。足下の敵とは、1位の企業から見れば2位の企業であり、2位の企業から見れば3位の企業のこと。つまり、1ランク下の企業を攻撃することにより、シェアを守っていきます。

 なぜ足下の敵なのかというと、それよりも下の敵を攻撃している間に、足下の敵がシェアを伸ばしてしまう恐れがあるからです。また、No.1の地位は、2位と3倍もしくは1.7倍の差をつければ安定するので、足下の敵を攻撃することが重要となります。

 それでは、どのように攻撃するのでしょうか。これには強者の戦略を用いる必要があります。強者の戦略とは「ミート戦略」です。ミート戦略とは「真似る」ということです。足下の敵は、弱者の戦略に習い、強者であるあなたの会社と差別化しようとします。差別化された場合、シェアを奪われるかもしれません。

 そのため、敵の差別化を封じるために、敵の真似をするミート戦略が効果を発揮するのです。例えば、コーヒーチェーンの最大手のドトールコーヒーは、スターバックスからシェアを奪われないように、スターバックスとよく似た「エクセルシオールカフェ」というお店を作りました。

 この施策により、それまでスターバックスに流れていた、おしゃれなカフェを好む客層の一部を取り込むことができるようになったのです。このように、業界最大手の企業(強者)はミート戦略を駆使して、シェアを守っています。

 例え小さなNo.1であっても、足下の敵を攻撃する場合には、強者の戦略であるミート戦略を行うことも必要です。

 競争目標は頭上の敵である強者であり、弱者の戦略で対応します。差別化して、直接的な競合を避けるようにしなければなりません。攻撃目標は足下の敵となり、強者の戦略で対応します。その際は敵の真似をするミート戦略を行うのです。

 しかし、まずは小さなNo.1を作ることが当面の目標となりますので、弱者の戦略を優先して取り組むようにしましょう。

 

「孫子」に学ぶ 弱者が強者に勝つ

 弱者、すなわち兵力の小さい軍隊が、強者、すなわち兵力の大きい軍隊に勝つ戦法を孫子は3つ挙げています。

 1つめは「集中戦法」、2つめは「少数精鋭戦法」、3つめは「奇襲戦法」です。

 現代の経営にも当てはめることができます。弱者を規模の小さい会社、または売り上げの小さい会社、強者を規模の大きい会社、または売り上げの大きい会社と読み替えればよいのです。

 競合製品と自社製品との比較検討をよくして、競合製品の弱い点と比べて自社の優れている点をアピールしましょう。

 また、競合他社が戦う準備のできていない分野、組織も製品も備えられていない分野で戦いを仕掛けることができれば、新しいマーケットを早い時期に総取りできます。

 競合が重要さに気づいていない領域や力を入れていない分野を見つけ、そこに自社の主力をぶつけることができれば勝率はかなり高いでしょう。

 

弱者戦略の4段階

陸上競技の「3段跳び」をイメージしてもらうと分かりやすいです。

 

助走) 弱者であることを自覚する
戦略を考える時に、最初にすべきことは「自分を知る」ことでした。そして、多くの会社は

市場や取り巻く環境の中では弱者であるということです。自社が弱者であるという自覚をすることには抵抗があるかもしれませんが、この客観的な認識がなければ、全ての戦略の軸がブレてしまうので、まず、弱者であるという自覚が、とても大事です。
強者になっていくために、「弱者の自覚」を持ちましょう。
 
Hop)  「選択と集中」戦略
 自分たちが弱者であるという自覚ができれば、すべきことは明確になってきます。リソース(経営に使える資源:お金や人材や技術など)が限られているわけですから、それらの限られた資源を有効に活用しようとすれば、広い領域ではなく狭い領域に絞って、そこに資源を集中投下することが効果的です。
 自分たちが優位性を持つことが出来そうな狭い領域を「選択」し、そこに資源を「集中」させることが、経営戦略の軸になっていくということです。
 
Step)  ドミナント戦略/1番化戦略/カテゴリーキラー戦略
 Hopの「選択と集中」を行い、小さな市場でも良いので1番を目指していきます。
なぜ、1番を目指すのかというと、人は2番以下を記憶しにくいからです。日本で1番高い山は富士山ですが、2番目は? 日本で1番大きな湖は琵琶湖ですが、2番目は? 日本で1番大きな都道府県は北海道ですが、2番目は?
 人は、1番は覚えていますが、2番は覚えていないのです。これはビジネスの世界でも同じで、顧客は1番しか覚えていないのです。
 情報が氾濫する現代では、この傾向は、ますます強くなってきています。
 顧客が消費者・ユーザーとして利用する商品・サービスのカテゴリー自体の数も急激に増えているのも、この傾向を強くしています。そして、カテゴリーの中で2番以下の商品・サービスは記憶の奥底で眠ってしまうのです。
 私たちの商品が売れていくためには、顧客の想起率が重要だということです。想起率とは、顧客が自社を思い出してくれる確率のことです。例えば、あなたが飲食店を経営していたとすると、近隣の住民が「お腹が空いた」時に、どれくらいの割合で「あなたの店を頭に想起するのか?」ということです。その頻度によって売上が上下します。
 ですから、カテゴリーの中で1番になることを目指すべきなのです。
このような背景から生まれたのが「1番化戦略」や「ドミナント戦略」や「カテゴリーキラー戦略」です。どの戦略も、1番になるために、自分たちが提供する市場の範囲を小さくしたり、限られた小さなカテゴリーにすることで、その中で1番になっていくことを目指した戦略です。
 
Jump) 一点突破多面展開戦略
 Stepの1番化戦略に成功したら、規模を拡大します。
 もちろん、そのまま地域の1番店のまま生き残るのも悪くありません。それも戦略の一つと言えます。
 しかしながら、会社は、ある程度の規模があるほど安定したりします。使える予算も増えて、より地盤を固めていくこともできます。年商3,000万円の会社の1%は30万円ですが、年商3億円の会社の1%は300万です。同じ1%で出来ることが、かなり変わってきます。
ですから、生き残りを第一に考えた場合でも、ある程度までの拡大は有効なのです。
例えば、飲食店であれば、Stepで地域1番店になったら、同じような世帯層を持つ隣町に2号店を出します。ここで気をつけないといけないのは、同じオペレーションで経営できるような店にするということです。
 よくある失敗は、全く違う飲食店を始めてしまうことです。同じ地域で一番店になれる見込みのあるカテゴリーであれば、まだ良いですが、違った地域に、違ったカテゴリーの店で勝負するのは、成功する可能性が低いです。「定石」ではないです。
この段階は「コピー」の段階です。
 Stepで1点突破して成功したことを繰り返して拡大していくことが、最も勝つ確率が高いのです。1店目をコピーして3〜5店まで広げることが出来たら、経営者としての収入も増え、会社もかなり安定してきます。
 さらに、拡大したければ、全国展開していくとか、フランチャイズにする方法もあります。
弱者戦略を、助走 → Hop → Step → Jumpの順で見てきました。定石として、これらの順番を戦略の基本として持っておくと良いです。
 もちろん、囲碁や将棋にも多くの定石があるように、ビジネスの世界にも多くの定石がありますから、それらを学んでいくことは、自分たちを楽にしてくれます。試行錯誤で失敗するのを少なくしてくれるのですから、ありがたいことです。
 この「弱者戦略の4つの段階」が定石で、戦略の背骨のようなものです。ここを間違うと、なかなか勝てなくなってしまうので、まずは基本として押さえておきましょう。

 

 

6つの部分戦略

 

1 商品戦略

あなたの会社が「どんな価値を提供するのか?」「どんなニーズを満たすのか?」を考えて、商品・サービスの方向性を明確にします。
 

2 顧客ターゲット戦略(顧客セグメント戦略)

「どんな人に、あなたの商品・サービスを提供したいのか?」「どんな人に、提供すべきか?」を具体的に考えて明確にします。
 

3 営業戦略

どんなに良い商品・サービスでも、それが売れない限り、顧客にとっても、会社にとっても何のメリットもありません。
ですから「どうやって購入してもらうか?」を考えることは致命的に大切なことです。「こうやって販売すれば上手くいくはずだ」という戦略を明確にしていきます。
 

4 競合戦略(差別化戦略)

市場の中で、同じカテゴリーの商品・サービスを私たちだけが提供していれば理想ですが、現実は違います。競合が存在します。今、競合が存在しなくとも、あなたのビジネスが上手くいっていることが分かれば、すぐに参入者(競合)が現れます。残念ながら、それを止めることは出来ません。
 競合が存在して、相対価値が低下すると、売上規模も収益性も下がっていきます。ですから、競合との違いを常に意識して「違いを作っていく(差別化)戦略」が大切になります。
 

5 採用育成戦略

経営は「人が、人のために行う、人の活動」です。ですから「人」は最も大切な要素の一つです。会社の強さも、結局は「人」が作ります。その中心にいるのは経営者ですが、「どういうチームを持っているか?」で経営の成否は格段に変わってきます。
 ですから、人の採用と育成は会社経営に大きな影響を与えます。「どういうチームを持ちたいのか?」そのためには「どんな人が必要なのか?」「どうやって採用すればいいのか?」を考えて明確にしていきましょう。
 

6 価格戦略

価格はビジネス上の戦略を考えていく上で、最も影響力のあるファクターの一つです。本来は商品戦略の中に入るべきことでもありますが、単独で考えた方が良いくらい影響力を持っています。
 価格を考える方法は色々とあって、私たちも複数の方法を教えていますが、まずお願いしたいのは「価格に関して徹底的に考えて欲しい」ということです。相場などを見て「何となく」簡単に決めてしまう人が多いですが、価格は、あなたの会社に大きな影響を及ぼすので、真剣に考えたほうがいいです。
 価格一つで、利益率や社員の疲弊度などが変わります。「どれくらいの価格を目指すべきなのか?」を徹底的に考えましょう。
 コストリーダーシップ戦略は「低価格で多くの顧客を獲得していく」戦略ですが、中小企業では体力的に難しいです。むしろ「ちょっと高いけど、選ばれる」というような価格がお薦めです。

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