マーケティング環境分析

経営戦略を有効かつ効果的に策定するためには、自社を取り巻く外部環境と自社の内部環境を客観的な事実情報から正確に把握することが重要となります。インターネットの普及によって、巷には大量の情報が流れている状況下において、自社に関係する情報を精度高く取り込んで、取捨選択することは容易ではありません。この情報収集の段階で適切な情報を集めることができなければ、その後の環境分析で間違えた結果を導き出してしまいます。環境分析を行う上で、情報収集とそれらの整理は最重要事項と言えます。大量に溢れている情報の中から自社を取り巻く内部・外部環境に関する情報を抜け漏れなく、網羅的に抽出するには、フレームワークを活用することが非常に有効であり、効率的であると言えます。

 

注意点は、フレームワークとは経営戦略を策定するにあたって思考や情報を整理するための道具であり、整理することが目的ではありません。

忘れてはならないことは、企業目標を達成するための施策を立案することが重要だということです。

企業活動においてマーケティングを実践する場合には、まず、自社を取り巻く環境を分析す

る必要があります。

市場の特性、顧客の動向、競合他社の存在を含めた「外部環境」と、経営資源、強み、企業文化などの「内部環境」が、マーケティング活動に影響を及ぼします。

外部環境から、市場における機会と脅威を理解し、内部環境から、自社の強みと弱みを理解することによって、マーケティング戦略の方向性が明らかになるのです。

これは、経営資源の最適化を図るためのフレームワークである「SWOT分析」(強み(Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の頭文字をとったもの)そのものです。

これに、「PEST分析」(政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Society)、技術(Technology)の頭文字をとったもの)を加えれば、マーケティング戦略の構築に必要な環境分析のおおよそを押さえることができます。

初期の段階では、大きく「外部環境」と「内部環境」への意識を高めれば十分でしょう。

 

マーケティングを行うことによって、必要以上に情報収集に力を入れてしまい、結果として身動きが取れなくなってしまっては意味がありません。

環境分析は、あくまでもマーケティングの一過程であることを念頭に置き、ある程度の段階で思い切ることも必要です。そのためには、まず、大枠として環境分析がどのようなものなのかを把握しておきましょう。

 

 

外部分析と内部分析

外部分析 政治、経済、文化、人口統計などの「マクロ環境」と、市場の特性や顧客の嗜好、競合他社

などの「ミクロ環境」が主軸となっているのが外部分析です。

めまぐるしく変化する可能性があるため、随時、情勢を注視する必要があります。

 

内部分析 経営資源、強みと弱み、企業文化など、自社の内部的な要素が分析対象となっているのが内

部分析です。

自社の積極的な動き出しによって変えることができるという特徴があります。

もっとも、戦略的に変化させなければ、ただのブレとなってしまうために注意が必要です。

 

 

環境分析の際に活用できるフレームワーク

企業がマーケティングを実践する際、最初に「環境分析」を行うべきです。企業活動そのも

のが、内部環境と外部環境から成り立っている以上、自社をとりまく環境がどのようになっているのかを把握することは、今後の戦略を構築するうえで役立つことはもちろん、実践するマーケティングの基礎になります。

 

 

外部環境の分析

外部環境とは、自社を取り巻く外部の環境を意味しています。自社以外の外部要因となるため、自社ではコントロール不可能であり、与えられた条件として経営戦略立案や意思決定を行う必要があります。外部環境を分析するためには、自社にとって「機会」となる要因と「脅威」となる要因について考えながら分析を進めることが大切です。

経営戦略の立案は、自社の事業を継続させるためにあります。そのためには、自社の経営資源を成長分野へ集中投下することが鉄則であり、そのような成長業界・成長市場を見極めることが重要となります。

一方、将来的に市場の縮小や競合企業との過当競争によって自社の成長や継続性が見出せなくなる可能性もあります。そのような場合は、事業撤退といった戦略を立案する必要があります。

企業の事業の方向性は、自社を取り巻く環境によって大きく影響を受けます。とりわけ、コントロール不可能な外部環境の変化を把握し、コントロール可能な内部環境をその変化に適応させていくことが重要となります。

 

主な分析方法として、PEST分析と5フォース分析が用いられます。

 

 

PEST分析

外部環境分析は、マクロな視点から自社を取り巻く環境を分析することが大切です。PEST分析とは、分析を行う視点の頭文字を取ったものです。

それぞれ、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)となっており、自社ではコントロール不可能でありながらも、経営に影響を与える要素を整理・分析します。

・政治分析・・・政治動向分析、特に政策(新法律、規制緩和、補助金など)

政治では、昨今のマイナンバー制度が導入されると、個人のあらゆる情報が一元管理されるため、情報を取り扱う企業はセキュリティの強化が必須となります。政府の政権交代や方針転換、法改正、規制の強化や緩和などが含まれます。

・経済分析・・・景気、株価、金利、為替、原油価格、国民負担率など

経済面では、為替について、為替の変動は海外との取引がある企業には大きな問題となります。

・社会分析・・・人口動態、高齢化率等の年齢構成、ライフスタイルなど

社会的環境要因には、人口動態、文化、教育制度、ライフスタイルなどの変化が含まれます。例えば、少子高齢化社会などは現在の日本が抱える大きな課題の一つであり、環境変化だと言えます。

・技術分析・・・自社関連技術、社会インフラ技術(ITなど)など

技術面では、ICT技術の進展によって、企業では遠隔地とのコミュニケーションや仕事を行える制度を整備し、在宅勤務を可能とすることで労働環境を良くし、女性の結婚や出産による退職を防止するなどの施策が検討されています。

 

 

5フォース分析

5フォース分析は、自社が属する業界の魅力度を分析するためのフレームワークです。マイケル・E・ポーターが提唱しました。

ここでの魅力度とは、業界内において収益を見込めるか否かを示しています。

ポーターは、業界内の収益に影響を与える5つの要素を、「既存競合同士の敵対関係」「新規参入の脅威」「代替品・代替サービスの脅威」「供給者の交渉力」「買い手の交渉力」としました。

 

「既存競合者同士の敵対関係」

競合企業が多い環境下においては、業界内でコスト、品質、納期などの差別化が強化されていくため、激しい競争環境となります。

 

「新規参入の脅威」

参入障壁の高さによって脅威が決まります。参入障壁が高い場合には、業界内の競争は緩やかになりますが、参入障壁が低い場合には競争が激しくなります。新規参入の増加は、業界の活性化を図る側面と業界内の潜在的な利益を圧迫する側面を持っています。

この脅威が大きければ、既存の企業は新たな競合記号の参入を阻止するために値下げを行ったり、設備投資によって大量生産を行ったりします。

 

「代替製品・代替サービスの脅威」

既存製品やサービスとは異なる製品やサービスでありながら、既存製品/サービスと同等以上の価値を消費者に提供する際にもたらされる脅威となります。既存の業界製品とは全く違う形やアプローチで、業界製品やサービスと同じもしくは類似した機能を提供します。

過去の事例では、レコードに対するCDの台頭、フィルムカメラに対するデジタルカメラ、デジタルカメラに対するスマートフォンの登場などがあります。

 

「買い手の交渉力」

買い手は同品質なら低価格で、同価格なら高品質な製品を購入しようと考えます。従って、価格と品質は買い手の購入量や情報量などによって変化します。

一般的に、独占的な製品やサービス(例えば、電力やガスの供給を受ける買い手)であればバイヤーの交渉力は弱まりますが、家電製品や日用品などのコモディティ製品であれば、バイヤーのスイッチングコストが低いために交渉力が強くなります。

 

「サプライヤーの支配力」

サプライヤーは業界内の企業に対して、最も高い価格で供給したいと考えているため、サプライヤーと企業の間には、必然的に力関係が発生し業界構造に影響を与えています。部品供給などのサプライヤーの力が強い場合、他社よりも高い価格の設定、提供するサービスの質の制限、業界内の企業にコストを転嫁するなどして、サプライヤーがさらなる価値を獲得し、業界内の潜在的な利益を圧迫します。サプライヤーの数自体が少ない場合や当該業界にサプライヤーの売上が依存していない場合は、サプライヤーの力が強くなります。

 

自動車業界における5フォース分析は、トヨタや日産、ホンダによる国内外の顧客に対して

激しい競争があります。自動車メーカーに部品を供給している自動車部品メーカーは部品によっては、供給企業の数自体が少なく、交渉力が強いために値上げ要請を度々行なっています。新規参入は従来の自動車業界は、参入障壁が高い状況でしたが、近年は電気自動車といった市場が確立されており、当該分野においては異業種からの参入が増加しており、既存企業にとっては脅威となっています。

 

 

内部環境分析

企業の強み・弱みを分析するモデルを構築するにあたって、リーダーのスキル、経済性、企業の成長などの要素を含めた考え方が”リソース・ベースド・ビュー”(Resource-based view)と呼ばれ、一般的に使われています。

この考え方は、企業毎にリソース(経営資源)に着目し、資源の獲得が競合企業との競争で優位に立てるという考えとなっています。

”Resource-based view”の考えによる経営資源とは、企業がコントロール可能なものであり、企業が立案した戦略を実行することを可能とするものとされています。

例えば、組織内のプロセスや保有しているナレッジなどが該当します。

企業内で保有している経営資源の特定や、それらが競争優位性を保っているのかを分析するための内部環境分析のフレームワークとして、「VRIO分析」や「バリューチェーン分析」が挙げられます。

 

VRIO分析

内部環境分析では、自社内の強みと弱みを把握することが重要となります。

VRIO分析とは、企業の経営資源を分析するために使われるフレームワークです。4つの区分があり、この区分毎に分析することで、自社の経営資源の競争優位性を把握すると共に、不足している資源を把握し改善を図ります。

それぞれ、経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)となっています。経営戦略を立案する上で外部環境だけでなく、自社の強みを活かすために、内部環境を把握するための分析方法となります。

 

 

Value(経済価値)

市場において、企業の経営資源が充分に経済的な価値があると顧客に認識されているかどうかを分析します。

 

バリュー・チェーン(価値連鎖)は、マイケル・E・ポーターが提唱した考え方です。自社や競合企業の分析を行うことで、外的要因(市場の変化や消費者ニーズ)から競合他社が次にどのような戦略を打ってくるのかを予測すると共に、自社の強みを整理することが可能な分析フレームワークとなっています。

1つの製品やサービスが顧客のもとに届くまでには、様々な業務活動が行われます。バリューチェーン分析では、企業の活動を「主活動」と「支援活動」に分けて、それぞれの活動を抽出することから始めます。同業界内で複数の企業についてバリューチェーン分析を行った場合、同じバリューチェーンになるとは限りません。

 

主活動

原材料(材料)の調達、製造、出荷・物流、販売・マーケティング、アフターサービスなどの直接的な活動です。

 

支援活動

主活動を支える総務、経理、人事・労務、技術開発などの間接的な活動です。

 

バリューチェーン分析の次のステップは、各機能の役割、コスト、事業への貢献度を分析し、事業モデルの構築や改善を行うことになります。

例えば、自社にとって他社よりも優れている強み(高付加価値)となっている機能はどこにあるのか、コスト削減が可能となる機能はどこにあるのか、自社の事業にとって付加価値が低くアウトソーシングが可能な機能はどれかということを分析していきます。

ここでは小売業のバリューチェーンを見てみます。製造業のバリューチェーンに比べて製造の機能がないことや店舗運営が製造業にはなく、小売店側には組み込まれていることが特徴となっています。

 

 

内部/外部双方からの環境分析

 

3C分析

 「3C分析」とは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」という、環境分析において必要な3つの要素を把握するためのフレームワークです。

顧客の面においては、市場や顧客のニーズの変化を知ることが重要です。

 市場規模やトレンド、お客様のニーズなどを分析し、どの市場で戦うか、どのような価値を提供するかの検討材料にします。

競合分析では、競合企業が市場や顧客のニーズの変化にどのように対応しているかを把握することが重要です。

自社分析においては、市場や顧客にニーズの変化に合わせ、競合の対応を牽制しながら、自社の強みを活かして施策を立案します。

 

 

SWOT分析

自社、他社、顧客、周囲の環境をよく認識した上で、経営に臨むことが肝要である。

SWOT分析とは、分析したい企業を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの視点から情報を整理して分析する手法となります。

・強み分析・・・お客様が感じる好印象部分、競合他社と比較した場合に勝る部分の洗い出し

・弱み分析・・・お客様が感じる悪印象部分、競合他社と比較した場合に劣る部分の洗い出し

・機会分析・・・チャンスとなりそうなトレンドなどの分析

・脅威分析・・・逆風となりそうなトレンドなどの分析

 

「強み」と「弱み」の視点は内部環境について分析し、それらが外部環境で分析した(機会と脅威)に対してどのように対応していく必要があるかを考案します。マーケティングだけでなく、営業など、経営に関するあらゆるシーンで使用することができる便利なフレームワークとなっています。

 

自社の強み(Strength)と弱み(Weakness)は、自社や競合他社を分析し、バリューチェーン分析、顧客分析を行った上で強みと弱みを整理することとなります。

また、強みの源泉(KSF)となっている要因を深掘りしておくとなお良いでしょう。

「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」は、顧客や市場の状況、業界の競争環境として5フォース分析の新規参入、代替品、サプライ動向などを分析し、競合企業のベンチマークの結果も活用します。

「機会」は業界全体に与える影響、競合や自社に与える影響が異なることがありますので、

機会・脅威の分析の際には、具体的にどのような影響が出るのかを気をつける必要があります。「顧客のニーズが多様化している現在、新商品開発においてこれまでの慣習とは異なった技術が必要となる。」といった場合、単純に考えると脅威のように受け取れます。しかし、そのこれまでの慣習とは異なる技術を自社のみが保有しているとすると、機会として捉えることができます。

このように、ある事象が自社、競合他社、業界全体に対してどのように影響するのかを把握することが肝要です。

 

内部環境と外部環境を軸にしたフレームワークで情報を整理することで、戦略立案を補助します。

 

 

 SWOTなどの分析は、戦略立案時だけでなく、少なくとも1年に1回は定期的にされることをお勧めします。また、政権交代などビックイベントなどのタイミングでもされることをお勧めします。これを繰り返すことで、外部内部の環境変化に敏感になり、アンテナをはった状態になりますので、より質の高い情報を集めることができるようになります。

 いわゆるロジカルシンキングといわれる手法も必要です。顧客が言っていることが真実なのか? なぜそう言うのか? と考え、真のニーズに迫る思考方法が求められます。この思考方法を学習するとともに、アンテナを張って顧客と真摯に会話するなどして、本質的な分析結果を得られるようにすることが大切です。

 戦いは、己を知るところから始まります。 現実的な自社の置かれた経営環境、開発力、生産力、営業力を確認すれば、それを生かした戦い方をしなければ、勝つことはできません。

 敵を知るとは、マーケットを知り競合他社の状況を知ることであるが、自社の状況についても冷静に判断することが重要です。そうしてから戦えば、あやういことはないということをうたっています。「危険がない」だけで「百戦百勝」とは言っていない。敵と味方を知ることが、ビジネスにおけるスタート地点ということではないでしょうか。

 敵の実情を知らなくても、自分を知っていれば勝てることもあるが負けることもある。しかし、自分を知らなければ全ての戦いで負けてしまう。

 組織の実情を知るためにも、情報共有が欠かせません。不透明な部分が多ければ多いほど、「己を知ること」ができなくなり、勝てる勝負も勝てなくなります。組織やチームが「己を知る」ためには、きちんと情報を共有できる仕組みと共有できる信頼関係の構築が重要です。

 敵の動きをつかみ、味方の把握もきちんとできていれば、百回戦っても危なげなく戦える。これは、敵の方が強くて味方が弱いと分かれば逃げることも含まれているから、百戦百勝ではなく、百戦殆うからずとなる。敵の把握は不充分でも、味方の掌握はしっかりできていれば、勝ち負けは五分五分となる。敵の把握もできておらず、味方の動きもつかんでいないとすれば、毎度毎度危ない目に遭う。『孫子』のこの一節は、企業経営、マネジメントの要諦を示している。競合対策もどうだろうか? 現場任せや営業任せになっていないか? 敵のことを知らない将軍が指揮をとっては、それこそ孫子の兵法に反することになる。

 「彼を知り己を知れ」ば、当然そこに軌道修正や指導がなされて、マーケットニーズと自社の対応状況とのマッチングが行われなければならない。何もしないのでは知った意味がない。それは、当然のことながら、タイムリーに日々行われなければならない。マッチング作業が週単位、月単位、四半期単位で行われていては、常に変化するマーケットニーズに対応することなどできない。特に小さな会社が経営スピードで勝負しようと思えば、ここのサイクルを速くすることは必須である。

 ここにおいて、必須となる3つの機能、「マーケット情報収集機能」「自社対応状況管理機能」「日次行動修正機能」を整備し、スピードアップし、精度向上させることがマネジメント力アップにつながる。

参考

業界を俯瞰し分析の全体像をつかむことの重要性

3C分析や5フォース分析の各項目が自社の売上高、利益に影響を与えることを確認します。3C分析の競合企業や5フォース分析の新規参入業者の視点では、それらの競合他社とシェアの奪い合いになり、売上高や利益に影響を及ぼします。また、3C分析の市場(顧客含む)や5フォース分析の顧客では、ニーズや需要の変化という形で市場特性に影響を与える結果として、自社の売上高や利益に影響を及ぼします。

5フォース分析に絞って考えると、代替品が挙げられます。こちらは、現在の商品やサービスが置き換えられることになりますので、市場規模が縮小するという形で売上高や利益に影響が出ます。サプライヤーについても、仕入価格の増減という形で利益に直結します。また、自社がサプライヤー側の市場へ進出することも考えられ、その場合、既存サプライヤーの競争力を助長することになり、その結果、仕入れ価格の増減に影響を与えます。

PEST分析についても同様のことが言えます。ただし、売上や利益に影響を及ぼさない項目については分析要素となり得ません。

具体的には、PEST分析の技術要素や法規制に関して、それらの影響を受けない業界もあります。その場合はこれらの要素について分析することは無駄になりますので、省いて分析を進めます。

このように、分析を行う対象業界、市場によってフレームワークの全てを分析結果で埋めなければならないというわけではありません。その都度、フレームワークを参照しながら調査すべき内容を検討することが肝要です。

 

 

環境分析の注意点

 

長期的な環境の変化に留意する 環境分析は、長期的な視点で行わなければなりません。市場環境はめまぐるしく変化するも

のですし、その多くは自分たちの思惑通りに変化するとは限らないからです。

フレームワークを活用した環境分析は便利ですが、長期的な視点をもってくり返し行う必要があることを忘れないようにしましょう。

 

継続的に行うことが大事 環境分析を継続的に行うことによって、市場環境の変化に敏感になることができます。

これは、多くの企業がおおむね30年程度で倒産してしまうなか、生き残るための重要な指標だといえるでしょう。

フレームワークを活用し行った分析は、そのままにせず、継続的に変化させ続けること。そういった柔軟な姿勢が企業には求められています。

 

「機会か脅威か」「強みか弱みか」の判断は多面的思考で

それぞれの要素は、必ずしも明確に分類できるとはかぎりません。ある程度は思い切りよく

分類する必要がある。そのとき、「多面的思考」を意識してください。

「多面的思考」とは、機会と思っていたものが脅威にもなりうる、あるいは弱みだと思っていたものが、強みにもなりうるという複眼的な視点のことです。