経営がうまく行かないとき

 

経営不安で眠れない

 不眠のときには、悩みが錯綜していることも多いので、現状を冷静に分析して、結論に至るための材料を集めることが必要である。

 最悪の場合、どのような事態が起こるかを予想して、その事態を覚悟し決意すれば、悩みはなくなる。

 精神的にまいって、何が何だか分からなくなっているときには、今日のことと明日以降のこととを分け、「一日一生」の教えに従って、今日は今日できることをやり、先のことを悩みすぎないこと。

 総裁は、『感化力』で以下のように説かれました。

「不眠のときには、悩みが錯綜していることも多いのです。二つの悩みまでは耐えられても、三つになると耐えられない人がいます。あるいは、三つの悩みまでは耐えられても、四つ以上になると整理がつかず、耐えられない人もいます。
 人には、それぞれ、現時点での器というものがあり、どの程度の悩みに耐えられるかは人によって違うのです。
 経営不安に陥っている会社の経営者は、頭が混乱して、どうすればよいかが分からず、何かをがむしゃらにやろうとしたり、それを急にやめたくなったりと、気持ちが揺れるものです。
 そういうときには、まず、現状を冷静に分析し、結論に至るための材料を集めることが必要です。
 悩みを第三者の目でよく見てみると、その原因は、「現状から結論に至るまでのプロセスがはっきりしていない」ということがほとんどです。判断するための材料が充分ではないのに、結論を出そうとして苦しみ、七転八倒しているわけです。
 したがって、まず、判断の材料が必要になります。結論が出せずに悩んでいるときには、結論を出すための材料を集めなければならないのです。そういう材料を集めず、非常に自分本位の考え方をすると、正しい結論は出ません。
 さらには、「最悪の場合、どのような事態が起こるか」ということが予想できるでしょうから、その事態を覚悟することも大切です。
 「最悪の場合、家や土地がなくなることはあっても、生命までは奪われないだろう。家や土地は過去の十年や二十年でつくり上げた財産なのだから、働けばまたつくれるだろう。また、私を責める人だけではなく、私を助けてくれる人も出てくるだろう。
 最悪の場合は、そうなるが、そこからまたスタートを切ればよい。気力があれば道は開けるはずだ」
 そう決意すれば、もはや悩みはなくなります。あとは行動あるのみなのです。
 精神的にまいっており、何が何だか分からなくなっているときには、次のように考え、時間を細かく区切ることも大事です。
 「自分が今日できることは、これであり、明日できることは、これである。また、一週間後にできることは、これであり、一カ月後にできることは、これである。
 自分は、いま、どの時点のことを悩んでいるのか。一カ月後のことか。半年後、一年後のことか。それとも、死ぬ間際のことか」
 ここで、「一日一生」という教えが大事になります。すべては、今日という一日に戻ってくるのです。
 明日にならなければできないことを、今日することはできません。今日できるのは、今日のことだけです。その原点に戻すのです。
 今日は、今日できることをやり、先のことを悩みすぎないようにしなくてはなりません。今日のことと、明日以降のこととを分け、できる範囲のことをやっていけばよいのです。」

 どんな不況のときでも、着実に業績を伸ばしている会社や事業はある。

 不況のときこそ、創意工夫が試されるから、その余地がないかどうかを、もう一度、冷静に考えてみること。

 それでもだめならば、淘汰される側に入っていることを運命と思って受け入れることである。

 大川隆法総裁は、『「幸福になれない」症候群』で以下のように説かれました。

「ただ、私は、「どのような不況のときでも、着実に業績を伸ばしている会社や事業はある」と述べておきたいと思います。むしろ、「不況のときこそ、創意工夫が試される」と考えたほうがよいのかもしれません。
 好況のときは、だれが商売をやってももうかるのですから、だれもがその仕事を始めようとします。
 その結果、過当競争が始まり、淘汰が行なわれます。ほんとうに必要なものかどうか、ふるいにかけられて、倒産するところが出るのです。
 そのときに、「おかしい。こんなはずではなかった」と言っても、しかたがありません。必要でもないのに大勢の人がやっているのならば、やがて転業していかざるをえないのです。
 問題は、そのときに、あなたがどちらに入っているかです。
 いまの業界のなかで生き残っていくためには、創意工夫が必要になります。同業他社がやっていない工夫を何かすることです。他と違うユニークなところを出して目印をつくり、差別化することです。
 好況のときにもうけるのは比較的簡単ですが、不況のときに堅実経営をして乗り切っていくことができてこそ、あなたには経営の才能があると言えるのです。
 したがって、まず、創意工夫の余地がないかどうか、もう一度、冷静に考えてみていただきたいのです。
 それでもだめならば、あなたは淘汰される側に入っているわけですから、運命だと思って受け入れてください。
 動物の世界を見ても、植物の世界を見ても、自然淘汰というものがあります。特定の生物が一定数以上に繁殖すると、必ず生存競争が生じて、その生物が一定の数まで減るようになっています。これは大自然の法則です。
 こうした法則は、人間界にも、ある程度及んでいます。
 したがって、「運命的に見て、自分は淘汰される側に入っている」と思ったならば、自分の適職を見つけるように努力し、転業することです。人生には運命の流れがあるので、それに対して、いつまでも自分の頑固さだけで抵抗していてもしかたがないのです。
 もちろん、「先祖代々やってきた」「自分はこの商売が好きだ」などということもあるでしょう。しかし、「自分には一つの才能しかない」と思い込むことはありません。何か一つの商売がじょうずな人は、他の商売をやっても、たいていじょうずにできるものです。したがって、何か別の仕事を考えてみてください。」

経営と真理 へ

「仏法真理」へ戻る