経営者のための勉強

 起業のスタート点においては、アイデアが豊富であるのは非常に大事であり、そのためには勉強が大事である。

 しかし、その勉強にあたっては、内容自体が古くなっているものを勉強する学校とは少し違って、アンテナ、つまり興味・関心の範囲がどの程度あるかが大切である。

 体系立った学問ではなくとも、常に勘を研ぎ澄ませながら、新しい知識や情報を集めていかないと戦いには勝てない。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来創造のマネジメント』で以下のように説かれました。

「日本にも、今、新しい企業が数多く起きてきています。ニュービジネスを起こす起業家たちは、誰もが非常に勉強家です。本も雑誌もよく読んでいますし、さまざまな情報を数多く手に入れています。また、異文化の人、異業種の人からも話を聞いたりして、常に知的刺激を求めています。
 アイデアがなければ、どのような企業であっても、新しく始めて成功することはできないので、まず、スタート点においては、「アイデアが豊富である」というのは非常に大事なことです。
 そして、そのためには勉強が大事です。
 勉強をするに当たっては、決して、「学校秀才であればよい」というものではありません。次々と、いろいろなことが起こるので、やはりアンテナが大事です。それは、「興味・関心の範囲が、どの程度あるか」ということであり、学校の勉強とは少し違うものがあるのです。
 さらに、学校で勉強する内容自体が古くなります。
 大学の教授が教えているものであっても、その内容は、すでに古くなっています。教授たちは、事後処置というか、終わったことについてのコメントは出せるのですが、今起きていることについての意見は出せません。また、将来起きることについても言えないのです。
 例えば、経済学者に経営ができるかというと、できません。なぜなら、経済学者は過去のことばかりを相手にしているからです。彼らが相手にしているのは、すでに終わったことばかりです。現在ただいまのことについて言えるかというと、言えないのです。
 逆に、現在ただいまのことについて言えるのは評論家のほうです。
 経済学者は、みな、現在ただいまのことについて発言することを嫌がります。現在ただいまのことに手を出して失敗すると、それがすぐにばれてしまうので、手を出したくないのです。
 また、未来のことについては、「経済学は占いではありません」と言います。
 実際上、経済学者は、現在についても未来についても発言できないのです。
 したがって、未来を見ながら現在を改善していくことは、勇気を持った企業家にしかできません。
 その際、体系立った学問ではないかもしれませんが、常に勘を研ぎ澄ませながら、新しい知識や情報を集めていかないと、戦いには勝てないのです。
 そして、誰もが動いていくとき、それに乗り遅れたら、もちろん、大損ですが、「誰もが動いているから」と思って一緒に動いていても、大損になることがあります。要するに、ニーズがもうなくなっているのです。周りがみな動くときには、だいたい手遅れなのです。
 したがって、非常に怖いものがあります。それほど、「時代を見る」、あるいは、「時代の先を見る」というのは難しいことなのです。」
(37~40ページ)

 トップには、あまり怒られない代わりに、減収減益、赤字決算、そして会社の倒産が待っている。厳しいが、勉強し続けないと生き残ることはできない。

 勉強し続ける方法の一つは、本や週刊誌、新聞などをよく読んで、情報を取ること。さらに、従業員、コンサルタントや高名な先生、同業者や他の経営者などの話を聞いて、耳を通して情報を取ることである。

 忙しいなかで、いかにして精選された情報を得るかが大事であって、これを心掛けていないと、アイデアが枯渇するし、他の企業が行っていることを知らないままとなることがあるので、努力しなくてはいけない。

「トップは、あまり怒られませんが、その代わり、トップには会社の倒産というものが待っています。その前に、まず、減収減益、赤字決算があり、そして倒産が来るわけです。非常に厳しいことですが、勉強し続けないと、生き残ることはできないのです。

 勉強し続ける方法の一つは、前述したように、目を通して読むことです。本や週刊誌、新聞などをよく読んで、情報を取ることが一つです。
 もちろん、テレビ番組にも、よいものはたくさんあるでしょう。
 経営者が忙しいのは分かっていますが、「忙しいなかで、いかにして、精選された情報を取るか」ということが大事です。
 これを心掛けていないと、アイデアが枯渇しますし、ほかの企業が行っていることを知らないまま過ごしてしまうことがあるため、まずは、「目を通して、読んだり見たりする」という努力をしなくてはいけないのです。
 それから、「聞く」ということもあります。「耳を通して情報を取る」ということです。こうした情報のなかにも、参考になるものはたくさんあります。
 特に、あまり受験秀才型ではなかった経営者の場合には、「読む」ことよりも、「聞く」ことのほうが、効果は大きい場合もあります。
 従業員から、それほど参考になるような、よい話が聞けないのであれば、外部の人からも話を聞かなくてはなりません。コンサルタントや高名な先生など、いろいろな人から話を聞いて参考にしたり、同業者や他の経営者などの話を聞いて勉強したりするのです。
 これは耳学問です。政治家も耳学問をすることが多いのですが、とにかく耳で聞いて勉強するわけです。」
(『未来創造のマネジメント』47~49ページ)

 どんなものであれ、学習したのに効果がゼロということはないので、将来への備えとしてまずは勉強しておくことは大事である。

 「将来、社長になる」気持ちがあるならば、「創業の学」「帝王学」が下地に入っていれば、磁石が砂鉄を引き寄せるように、社長になるために必要な「知識」「経験」「人」が吸い寄せられてくる。

 ただし、たとえテストで百点を取っても、それによって経営ができるわけではなく、実践の経営で通じるかどうかは別の話であるという「謙虚さ」は、常に持っておく必要がある。

 大川隆法総裁は、『危機突破の社長学』 一倉定の「厳しさの経営学」入門』で以下のように説かれました。

「実際にその立場にならないと分からないものは、どうしてもあります。ただ、「知は力なり」と言われるように、どんなものであれ、「学習したのに効果がゼロ」ということはありませんので、将来への備えとして勉強しておくことは大事だと思います。
 「いざ、その立場に立ったときに、準備ができてなかった」ということであれば、それは残念なことです。
 ですから、「将来、社長になるのだ。独立して会社をつくるのだ」という気持ちを持っていればこそ、社長になったときに必要となる「創業の学」「帝王学」は学んでおくべきです。
 また、若いころにそういうものが下地に入っていれば、その後、磁石が砂鉄を引き寄せるように、社長になるために必要な「知識」が吸い寄せられていくのではないかと思います。「経験」についても、そのために必要な経験を経るようになるでしょうし、「人」についても、自分の周りに人材を集めてきて、人脈ができてくるでしょう。
 したがって、私は、基本的に勉強の効果を頭から否定する気はないですし、まずは知っておくことが大事であると思っています。
 ただ、それは「必要十分条件」ではないわけです。「必要条件」ではありますが、「十分条件」としては、やはり、「責任ある立場に立って、現実にその重荷に耐えてみなければ、その知識の意味、言っていることの意味は分からないことが多い」ということを知らなくてはならないのです。
 つまり、「たとえテストで百点を取っても、それによって経営ができるわけではない」ということを厳しく自戒しておかなければなりません。それは、「授業が理解できた」「本が理解できた」という意味であって、実践の経営で通じるかどうかは、別の話であるのです。
 こうした「謙虚さ」は常に持っておく必要があると思います。」
(15~17ページ)

 実際に起業すると、想定外の出来事が次々と生じるのが普通であり、自身にそういう事態が襲ったときに、冷静に対処できるようにしておくためにも、経営者の自伝を含めた事例を数多く勉強しておく必要があります。

 会社では、判断や処理のスピード、正確さが要求される書類仕事が多いが、学生時代に勉強不足だと、書類仕事もできない場合が多い。そうした人は、自分より優れている人、明らかに自分より頭もよく実力もあって立派だと思う人の書物を、毎日、一時間でもよいから読み、勉強しつづけること。どのようにして自分の能力を高め、余力を生み出すかを考えていくことです。「継続は力なり」なのです。

 大川隆法総裁は、『「幸福になれない」症候群』で以下のように説かれました。

「社会に出てから頭の悪さを嘆いている人も数多いのですが、これはおもに「仕事のできが悪い」ということだと思います。
 その原因は学生時代の勉強不足にあります。学生時代に勉強をさぼっていて、社会に出てから仕事ができるようになるかといえば、なりはしないのです。
 会社では書類仕事が多く、判断や処理のスピード、正確さが要求されますが、学校の勉強ができないと、書類仕事もできない場合が多いのです。その分を体力で補おうとしても、時間がかかるだけで、なかなか能率が上がりません。
 しかし、それを嘆いてばかりいてもしかたがないので、そうした人に対して一つの処方箋を出してみたいと思います。それは、自分より優れた人の智慧を借りること、すなわち、自分のなかにないものを新たに学んでいくということです。
 この場合、「継続は力なり」です。自分より優れている人、明らかに自分より頭もよく、実力もあって立派だと思う人の書物を、毎日、一時間でもよいから読み、勉強しつづけることです。これ以外に方法はありません。そうした努力を続けるうちに、鋭い視点が生まれたり、事務処理能力が上がったり、書類を読むスピードが速くなったりします。
 頭が悪いと嘆いている人は、文字を読む速度が遅いことが多いのです。文字を読むのが速い人とそうでない人とでは、仕事の処理能力がまったく違います。したがって、本を速く読む訓練をすることも大事です。本を速く読めるだけでも、非常に頭がよくなったように感じるはずです。それも一つの余力なのです。
 「どのようにして自分の能力を高め、余力を生み出すか」ということを考えていってください。」
(120~121ページ)

 総裁は、法話・『若手の経営者に必要な勉強とは』で以下のように説かれました。  

若い人には知識と経験がどうしても足りないのです。したがって、知識と経験をある程度貪欲に身につけていくことが必要です。知識を蓄えるには、勉強に勉強をつづけなければいけませんし、経験の蓄積にも時間がかかります。企業が簡単に潰れなくなるまでには十年ぐらいを必要とします。

 十年ぐらい経営を続けていると、企業には一通りのことが起きます。十年ぐらいの間には、経済の浮き沈みがあり、企業にもさまざまな事故や事件が起きるのです。

 そのため、起業して最初の十年以内にほとんどの企業は潰れます。三年以内に潰れる新企業がいちばん多く、五年以内や十年以内で潰れるところもあり、新企業の大部分は十年以内に潰れるので、まず十年を乗り越えることが非常に大事です。

 したがって、悠長に構えていることはできません。「この十年をどうやってサバイバルするか」ということを考えなければならないのです。

 自分なりに勉強することはもちろん大事ですが、それと同時に、先輩の意見をしっかりと聴くことも大事です。十年以上も経営を続けている企業の経営者の意見は貴重です。そういう先輩は一通りのことを経験しているはずだからです。そのような耳学問を実践してみてください。

 最近の若い人には、「理科系の技術を使って仕事をしよう」と思っている人も多いようですが、そういう人であっても、勉強の基本はやはり書物です。勉強においては書物を無視しないでください。

 今はインターネットが流行っていますが、そこにある情報はガラクタの山でもあるので、気をつけないと時間の無駄になってしまいます。

 経営の勉強においては、「優秀な経営者が書いたものを読む」ということが大切です。経営者として成功しかどうかが まだわからない人ではなく、経営に失敗せず、経営者として成功し、その仕事を萬行した人が書いた経営書を読む努力をしてください。

 そういう本はヒントの山であり、数多くのヒントが書かれています。どのような会社であっても、ほとんどの事件は十年以内に一通り起きるので、「他の会社が、それをどのように乗り越えてきたのか」ということを知れば、あなたはその対策が打てるのです。

 経営者の書いた経営書や自伝、経営学の本などを頑張って読むことです。一日に一冊ぐらいは読まなければ駄目です。その程度は読んでください。そうでなければ、新規事業は三年以内に潰れてしまうでしよう。」

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